事業承継/会社の清算と株式譲渡での税金の違い

企業を廃業して清算することになれば、これまでの技術やノウハウはすべて台無しになり、さらには雇用や取引先に対しても色々な影響を及ぼすでしょう。
ただし実は廃業や清算ということを選択した場合には、資産の処分価格は低く抑えることができ、さらには会社の資産処分と株主配当に対する二重の税負担が必要となり、手取り金額は減少してしまうことがほとんどです。
清算ではなく売却することを選択した場合には、これまで築き上げた企業が存続するための精神的な充実感に繋げることができ、税金面でも負担が軽くなるケースが多いと言えます。


手取額を大きくしたいならM&A?
株式譲渡により会社を売却することは、譲渡相手の存在が不可欠ですので売却の意思決定を会社でしていたとしても即実行が可能になるわけではありません。
そのためオーナー経営者は引退と同時に清算ということを検討するケースもあります。中小企業の経営者は後継者が見つからないことで清算するしかないと思うかもしれません。
ただし清算する場合でも株式譲渡でも、納税義務が発生することには変わりないことを理解しておくようにしましょう。
そして清算と同時にM&Aも検討の視野に入れながら、どちらが有利かなど考えることも必要です。
清算と株式譲渡時の税金の違い
会社を清算する場合とM&Aでの売却とを比較すると、M&Aのほうが株主の手取額は大きくなります。
その理由として、株式譲渡は事業を継続していくことが前提となることがほとんどですので、廃業や清算という結末と比べれば評価額が高くなるからです。
会社を清算する場合には、会社の保有資産を全て現金化し、借入金など負債を返済することになります。差し引き残が清算所得となりますが、法人税等の税金が約40%かかります。
さらにこの税金分を差し引いた残を株主に配当した場合、個人の配当所得に総合課税が最大約 47%課税されます。
一方、株主が個人の場合での株式譲渡の税金は、譲渡益に対する20%で済みます。
どちらもリタイアでありながらメリットが異なる?
清算も株式譲渡も前経営者がリタイアすることには変わりがありません。ただし手取額が大きく異なる可能性があります。
さらに株式譲渡の場合には会社は存続し続けるため、従業員の雇用や取引先との関係も維持することができます。
また、会長として関与することもできれば、会社の行く末を見守ることも可能となるでしょう。
清算と株式譲渡のどちらも検討できる状況を
株式譲渡を検討したくても、受け入れる相手がすぐに見つからないという場合には清算という方法を選ぶことになり損になる可能性があります。どちらも検討できる状況を作ることが必要だと言えるでしょう。

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