高度経済成長期に培われた日本型雇用システムが変化する?

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現在の日本の雇用システムは、高度経済成長期に培われた終身雇用が主となっています。
しかし、企業を取り巻く環境が大きく変化していく中、この日本型雇用システムにも時代に沿った変化が求められています。
日本の雇用システムは今後、どのように変化していくのでしょうか?

現在の雇用システムの問題点

現在の日本型雇用システムは、高度経済成長期に培われたものですが、企業を取り巻く情勢の変化からいくつかの問題点が生じるようになってきました。

日本型雇用システムの根幹をなしているのが終身雇用という考え方であり、勤続年数も長くなります。
特に35歳から54歳の平均勤続年数は世界的にみてもトップクラスであり、長期的に同じ企業で働くという考え方が一般的となっていることがわかります。
終身雇用の場合は、勤続年数に応じて給与も増額していくのが一般的ですが、この点が特に問題となっています。

高度経済成長期であれば、企業はどんどんと成長していくためその売り上げも増えていき、社員に支払う給与も増やしていくという方針が通用しました。
しかし、長らく不景気が続き、今もなお企業の成長が落ち込んでいる現在においては、給与を増やすことも難しくなっています。

また、企業の成長が落ち込んでいる状態では人を増やしても仕事が足りないため、人手が余ってしまう事もあります。
その対処として、人員の配置転換や下請けの中小企業への出向などが雇用調整の方法として行われていて、特に大企業では顕著にその傾向が見受けられます。

また、少子化の影響もあって社会全体で労働者の高齢化も進んでおり、労働者の中で45歳以上の人が占める割合が徐々に増加しています。
そうなると、成長が少ない企業であっても長年勤務している人の給与は上げなければいけないため、従来通りの雇用体制では人件費がどんどんと高額化していくこととなります。

人件費を抑えるために、現在は正社員を減らしてその分非正規雇用労働者を増やす傾向となっていますが、それ以外にも勤務時間を延長させるものの残業代は支払わない、いわゆるブラック企業となっていることもあり、結果的に不安定な状況に不安を抱く労働者が後を絶ちません。

今後の日本の雇用システムはどう変化すべきか

こうした問題を解決するために、今後の雇用システムはどのように変化していくべきでしょうか?

まず、昇給や昇格についてはその基準を明確にして、厳しい査定の元で決定されるようになるでしょう。
勤務が長期間だからといって自動的に昇給となるようなことをなくすることで、会社の成長に合わせて昇給していくことができます。

また、正社員としての在り方も変化させていくべきでしょう。
日本では、正社員は安泰という考え方が一般的ですが、その考え方も改める必要があります。

未来の働き方として複業という形が考えられていますが、複業というのは要するに複数の会社に勤務するということです。
それを踏まえると、給与も契約金と成果給に分けて考え、仕事が無い時は契約金だけを支払い、仕事がある時だけそれに参加して成果に応じた給与を受け取る、という形にした方が良いでしょう。

また、仕事が無い時には他の企業で立ち上げられるプロジェクトに参加するなど、会社に縛られない働き方をするのが一般的になると思われます。
時代はどんどんと変化していくため、それに合わせた雇用システムの構築をするべきでしょう。

まとめ

日本で広く浸透している日本型雇用システムですが、高度経済成長期に考えられたこのシステムは長らく低成長が続く現代にはミスマッチな点もあり、色々な問題点が生じています。
そのことを鑑みて、現在の雇用システムは見直しが必要となっています。
健全に雇用できるよう、雇用システムはしっかりと見直しましょう。