勤務間インターバル制度導入に向けた環境整備とは?

勤務間インターバル制度をご存知でしょうか?
2017年に政府が出した働き方改革実行計画の中で長時間労働の是正がありますが、その項目の一つとして勤務間インターバル制度導入に向けた環境整備が含まれています。

勤務間インターバル制度とは?

勤務間インターバルとは、勤務終了後、一定時間以上の休息期間を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保するものです。
現状これは努力義務であり必ず行わなければならないものではありませんが、働き方改革実行計画の中では、「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法7を改定し、事業者は、前日の就業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努めなければならない旨の努力義務を課し、制度の普及促進に向けて、政府は労使関係者を含む有識者検討会を立ち上げる。また、政府は同制度を導入する中小企業への助成金の活用や好事例の周知に通じて、取り組みを推進する。」と書かれており、今後勤務間インターバル制度導入は本格化してきそうな流れにあります。

なぜ勤務間インターバル制度が必要なのか?

なぜ勤務間インターバル制度が作られようとしているのでしょうか?
その背景には、長時間労働による健康リスクを抱えた従業員が多く存在していることがあります。とあるデータによれば、従業員の30%が何らかの理由で通院をしながら、仕事を行なっているそうです。
また、近年では長時間労働による精神疲労が原因となり、自殺をしてしまう方のニュースもよく見かけるようになりました、
さらに、今後の日本はますます人材不足に陥りますから、自ずと従業員一人一人がこなすべき業務量は増加傾向にあり、それに比例して労働時間が長くなってしまう危険性があります。
これを回避するために、働き方改革の中で勤務間インターバル制度導入に向けた環境整備が盛り込まれているのです。

リアルタイム性を重要

勤務間インターバル制度を導入するにあたり、重要になることはリアルタイム性です。
理由は簡単で、例えば月末に各従業員の勤務間インターバルをチェックしていっても、インターバルの改善余地がないからです。
つまり、リアルタイムで集計をしていなければすぐに対応ができないのです。
だからこそ、始業時間と就業時間を管理方法には工夫が必要になるでしょう。

勤務間インターバル制度導入は、まだまだ実行している企業は少ないのが現状です。しかし、働き方改革の本質的な目標である働き手の確保と生産性アップに繋がる一つの手段でもあるため、是非取り組みを行なって頂ければと思います。