話題の感染症法の5類について

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日本において、感染症はその種類によって類型に分けられているのですが、どの病気が何類に分類されるのかは、詳しく知らない人も多いでしょう。
感染症の分類を分けているのは感染症法という法律で、感染症は基本的に1類感染症から5類感染症まで分けられています。
5類感染症にはどのようなものが分類されるのか、解説します。

感染症法の分類

日本の法律で、感染症の類型を定めたものを感染症法と言いますが、正式名称では「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」です。
これは、1999年に施行されました。

感染症法は既存の伝染病が発症した際に素早く対処するとともに、新しいウイルスが誕生したときにパンデミックとなるのを防ぐための法律です。
そして、新たな感染症が出てきた際に何度か改正されています。

それまで、感染症については伝染病予防法、性病予防法、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律というものがあったのですが、それを統合して感染症法が制定されました。
ここでは、基本的に感染症を1類から5類までの5段階に分類しています。

人類の医学は、感染症との闘いの歴史でもあります。
感染症による死者が多いのは発展途上国などがイメージされるのですが、日本でも昭和の半ばまでは死因の多くが感染症だったのです。

1類感染症は、感染力や罹患した際の重篤性から判断して、危険性が特に高い感染症が分類されています。
代表的なものには、エボラ出血熱やペストなどがあります。

エボラ出血熱は主にアフリカで流行する病気で、致死率は80%以上と言われている特効薬がない病気です。
最近では2018年から2019年にかけてコンゴ民主共和国で流行し、数百人が死亡しています。

ペストは14世紀に中国で発生して人口を半分にするほどの猛威を振るい、ヨーロッパや北アフリカ、中東まで拡散して1億人もの死者を出したと言われる、黒死病ともいわれる有名な伝染病です。

昔の伝染病というイメージがあるものの、日本でも明治時代に感染した例があり世界ではいまだに感染者が発見されています。
近年では、マダガスカルで2,400名近くが感染し、200人以上が死亡しています。

2類感染症は、感染力や罹患した際の重篤性から判断して、危険性が高い感染症が分類されています。
代表的なものには、結核や鳥インフルエンザなどがあります。

結核は紀元前からある伝染病で、労咳とも呼ばれていた日本でも死亡者が多い病気だったのですが、ワクチンの投与もあり薬物療法による治療法が確立されたことで日本は結核低蔓延国となっています。
それでも、世界では疾病による死因の第9位です。

3類感染症は、感染力や罹患した際の重篤性から判断して、危険性はそれほど高くないものの、特定の職業では集団発生の可能性がある感染症が分類されています。
代表的なものは、コレラや腸チフスなどです。

4類感染症は、人から人への伝染はなく飲食物や動物などの物件を介して感染し、国民の健康に影響を与える可能性がある感染症が分類されます。
代表的なものは、E型肝炎やサル痘、エキノコックス症、レジオネラ症、ボツリヌス症などがあります。

これらの分類の他に、新型インフルエンザ等感染症に新型インフルエンザ、再興型インフルエンザが分類されます。
また、既知の感染症のうち1類から3類に分類されない感染症で、それに準じた対応の必要性が生じた感染症は、指定感染症に分類されます。

それ以外に、人から人に感染すると認められた疾病で、既知の感染症とは明らかな違いがあり、感染力や罹患した際の重篤性から判断した危険性が極めて高い感染症は、新感染症に分類されます。

5類感染症に分類されるのは?

では、最近話題となっている5類感染症というのは、どのような感染症なのでしょうか?
実は5類感染症は他のものと大きく異なり、国が感染症の発生動向について調査し、その結果等に基づいて国民や医療関係者に必要な情報を提供、更改することで発生や蔓延を防止するべき感染症となっています。

5類感染症に分類されているものとしては、鳥インフルエンザや新型インフルエンザ等感染症に分類されないインフルエンザ、A群溶結性レンサ球菌咽頭炎、後天性免疫不全症候群、E型肝炎やA型肝炎を除くウイルス性肝炎、性器クラミジア感染症、尖圭コンジローマ、手足口病など多岐に渡ります。

主に感染率や死亡する可能性が低く、予防も可能な感染症が分類されています。
また、性病予防法に分類されていた性病の多くも、5類に分類されています。
最も身近と言える感染症ではありますが、これについてはあまり強い拘束力がありません。

他の分類の感染症とは違い、5類感染症には就業制限や行動制限など法的な拘束力はなく、感染予防の手順や隔離についても実行するかどうかは自主性に委ねられていて、強制することはできないのです。

例えば、風俗店において性病への対策がされているところは多いのですが、それを実施するかどうかはお店側の判断に委ねられています。
そして、性病に感染していないかどうかを検査する義務もないのです。

また、感染症とは別に病原体に対しての分類もあり、これは一種から四種までに分けられています。
一種は所持等を禁止される病原体で、エボラウイルスなど1類感染症に関わる病原体が主となっています。

しかし1類感染症のペストの病原体であるペスト菌は所持に許可が必要な二種病原体であり、所持した場合は届け出が必要な三種病原体には狂犬病ウイルスなど4類感染症の病原体も含まれている等、感染症とはまた別の分類となっています。

四種病原体は、所持する際に基準を順守する義務があるものの届け出や許可などは必要ないものですが、一部は政令で定められているため注意が必要です。
病原体と感染症との扱いの違いについても、注意しましょう。

まとめ

日本において感染症は、法律に定められたように対処が必要なものですが、5類感染症に分類されるものについては基本的に義務がなく、政府から公表される感染予防などの方法に従って自主的に予防していくものです。
そのため、基本的にはそれほど重篤な病気ではないと判断されたものになります。
それでも、死亡する可能性はゼロではありません。
公表された通りに、自主的な予防に努めましょう。