私たちが生活するうえで、様々な自然災害が起こる可能性があります。
自然災害は防ぐことができるものではなく、対策も長い時間をかけて用意しなくてはいけません。
災害が起こると、私たちの生活には大きなダメージとなります。
自然災害にはどのような物があるか、解説します。
自然災害と自然現象
自然は様々な恵みを与えてくれるものですが、一方では大きな被害をもたらすものでもあります。
しかし、自然から受ける被害は全て自然災害かというと、実は違います。
ユネスコの地球科学プログラムでは、ナチュラル・ハザードとナチュラル・ディザスターという2つに分けられています。
ナチュラル・ハザードが自然現象、ナチュラル・ディザスターが自然災害です。
自然現象は、大気・地質学・水文学的原因によって、太陽系規模から地方規模までの広範囲を襲う物理的現象を言います。
地震や津波、洪水、火山の噴火、地すべりなどが含まれます。
一方、自然災害と定義しているのは、自然現象の結果や影響です。
社会的発展の混乱や、社会の持続可能性の崩壊などを意味していて、自然現象によって人類に被害が生じた場合に自然災害となるのです。
自然災害の例
自然災害には、多くの種類があります。
日本で代表的な自然災害は、何があるでしょうか?
また、自然災害によって与えられる被害についても、解説します。
山が多い日本では、昔から火山の噴火が起こっています。
日本で活火山と認められている山は111か所あり、日本の代表的な山である富士山も、1707年までに何度か噴火しています。
平成以降では、雲仙岳や御嶽山が噴火しています。
いずれも数十名の犠牲者が出ていて、周囲では多くの被害が出ました。
また、鹿児島では火山灰が降灰していて、農作物や住民の健康に大きな被害をもたらしています。
火山現象とされるものは、火山灰以外にも大きな噴石や火砕流、溶岩流、小さな噴石、火山ガス、融雪型火山泥流などがあります。
大きな噴石や融雪型火山泥流、火砕流は噴火に伴って発生するもので、避難がほぼ間に合わず、生命への危険性が高い現象です。
火山ガスは高温であり、二酸化炭素や二酸化硫黄、硫化水素といった有毒な気体も少なからず含まれていて、酸素が少ないため、吸引すると有毒成分を吸い込む上に酸欠となって、死亡する例も多くあります。
また、日本は地震大国と呼ばれていて、小さい地震なら毎日のように起こっています。
小さい地震は気にする必要がないのですが、大きな地震が起こると様々な被害が生じます。
日本の観測史上最大の地震は、2011年に行った東日本大震災です。
最大震度7、マグニチュードは9.0で、津波を伴ったことで死者・行方不明者が合計22,000人にも及び、戦後最悪の震災と呼ばれました。
当日は、断続的に震度4~6強の地震が起こりました。
また、以降も余震が続き、10年が経過した宮城県沖を震源地とする震度5強の地震も、余震とされています。
地震は頻発しているため、全てを数え上げるのは不可能です。
特に有名で、被害者が多い地震としては1923年に起こった関東大震災があります。
関東大震災は、マグニチュード7.9、最大震度は6で、神奈川県と千葉県南部の一部は震度7に及んだと推定されています。
被害者は、死者・行方不明者10万人以上、2年後の調査では14万人以上となっていて、日本の災害史上でも最悪の被害が起こっています。
また、1995年の阪神・淡路大震災も大きな被害が出ました。
最大震度は7で、死者・行方不明者は6,437名に及び、10万棟以上の住家が倒壊し、半壊や全焼、半焼も含めると25万棟以上が壊滅的な被害を受けました。
被害総額は約10兆円規模となり、道路や橋梁、河川にも被害が起こっています。
また、がけ崩れも347か所で発生しました。
近代都市に大きな被害を与えた地震として、世界中から注目されました。
震度7の地震は、2018年にも北海道胆振東部地震が起こっています。
北海道厚真町で、北海道では初めてとなる最大震度7を観測した地震であり、42名の死者が出ています。
土砂災害も自然災害の一種で、多くの場合大雨や地震等が原因となって起こります。
阪神・淡路大震災で起こったがけ崩れも土砂災害の一種で、急勾配の斜面から急激に土砂が崩れていきます。
土石流は、川や雨によってたまった水が土や石、泥と共に流れていく現象で、20度以上の勾配があると発生源になるリスクがあります。
短時間で豪雨が降った場合に、起こる可能性が高いと言われています。
地すべりは、緩やかな斜面で少しずつ地面がずれていき、上にある家や畑ごと滑り落ちていくという現象です。
日本ではほぼ起こったことがないのですが、数十年かけて動くこともあるため、決して起こらないとは言い切れません。
他には、地盤沈下も自然災害の一種に含まれます。
ただし、自然現象によって起こるとは限らず、人為的に引き起こされることもあります。
自然の地盤沈下が起こる原因は、まず地下空洞が形成されていて陥没した場合に起こります。
シンクホールともいい、石灰岩地帯で起こる可能性がある現象です。
また、地震の影響で地殻変動が起こり、地表面に隆起や沈降が起こるケースもあります。
東日本大震災では、太平洋岸の多くの地点で地盤沈下が起こっています。
他にも、乾燥による収縮や地下水の変動が原因となるケースもあります。
人為的な原因としては、まず地下水を過剰に組み上げたことで地盤沈下が起こった例があります。
日本では、地盤沈下を防ぐために法律で地下水の揚水を制限しています。
地下水に限らず、地下資源を採取することで地下に空洞ができた場合も、地盤沈下の原因となることがあります。
日本では、1989年に採掘場後で陥没が発生しています。
自然災害には、様々な種類があります。
自然災害が起こると、私たちは普段通りに生活するのが困難となるでしょう。
日頃から、いざという時に備えておきましょう。
まとめ
自然災害は、自然現象の中で人類の経済的・社会的発展や社会の持続可能性を崩壊させるものをいいます。
日本で身近な自然災害と言えば、地震があります。
小さいものなら頻繁に発生している地震ですが、大きな地震は多くの人の命を奪い、生活基盤を破壊してしまいます。
地震を含め、様々な自然災害に日頃から備えておきましょう。