経営に関するリスク/雇用差別

職業における雇用差別とは、能力や該当する職務に必要な要件にも関係ない特徴を理由として不利な処遇を行うことです。
通常国内法で定められる特徴に、人種や肌の色、出身国、性別、宗教、政治的見解、出自、年齢、障害、性的指向、HIV感染などの疾患、労働組合に対する加入の有無などが挙げられます。


日本以外で起きる雇用差別による紛争
例えばドイツではパートや有期契約労働者は労働協約の適用を受けると正社員と異なる職務になります。職務に応じた職務給が労働協約で定められているため、パートや有期契約労働者は臨時や一時的な雇用扱いとなることが基本で、正社員と同賃金になることはまず少ないようです。
パートや有期契約労働者が賃金を上昇させるには、労働協約内の格付けによる昇格が必要になりますので、不当な格付けに対する争いが起き訴訟になることがあります。
日本の議論では問題解決に至らない
このようなドイツの議論と比べた場合、日本の同一労働同一賃金をめぐっての議論はねじれが起きている状態です。
ドイツの雇用差別に関する法制度では、派遣労働者や性差別に対する差別に対して同一賃金を原則として定めています。しかしパートや有期労働契約に関しては、不利益な取り扱いを禁止しているだけにとどまっています。
日本の場合には同一賃金を原則にすることを雇用差別全般に当てはめようとしています。しかしそれぞれの課題を解決できないまま、全てにおいて同一賃金同一労働を叫んだとしても解決に繋がらないでしょう。
法的にはどのような対応になっている?
例えば労働基準法4条で定められた男女同一賃金原則は、同一価値労働同一賃金は含まれません。パートタイム労働法の8条や9条でも、パートタイム労働者に対する差別的取り扱いを禁止しているものの、転勤や配置転換が問われることにより差別的な扱いが禁止される労働者の割合はごくわずかです。
企業ができることとは?
資格や技能、経験を採用や配属、昇進の判断基準として定めるように企業方針や手順として設置することが企業には求められると考えられます。
平等な雇用を扱う責任者の任命、そして指針となる方針と手順の策定、また、資格や研修、昇進に関する機会と状況を明白に示すことも必要です。
もし差別が発覚したら?
もしも差別が発覚した場合、苦情処理手順を策定して苦情と要請に対処していくことが必要になります。差別に対する認識や、差別禁止の方針と実践のための研修の実施などを行いましょう。
制度が改善される前に企業でできることを
企業が雇用差別の問題にどのように向き合うかが今後は問われていきます。そのためには労働基準法などの改善も求められることが必要となりますが、まずは企業内でできることから初めていくことが必要になるでしょう。

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