現在、Z世代といわれる年代の人たちが、社会人になっています。
年代が違うと考え方も違ってくるというのは、多くの人が実感したことがあるでしょう。
中でも、Z世代といわれる年代の人の考え方は、それ以前と大きく変わっています。
その働き方や仕事観は、どうなっているのでしょうか?
Z世代の特徴とは?
Z世代といわれるのは、1990年代後半から2010年前後までの間に生まれた人のことです。
現在は、10歳から25歳ほどの年代です。
その期間には、幅があります。
Z世代は、デジタルが当たり前の時代に生まれています。
生まれた時から、すでに周囲にはデジタル機器がありました。
そして、インターネットを当たり前のツールとして使用しています。
特徴としては、パソコンよりもスマートフォンを使いこなしています。
スマートフォンが、生活の一部となっているのです。
そして、TwitterなどのSNSを使い慣れています。
この世代の人たちは、商品を購入するときはまず口コミをチェックします。
インフルエンサーの勧める商品などは、特に注目されるでしょう。
また、社会問題に関しての関心が高く、仲間と意見交換したいと考える傾向が高いのも特徴です。
Z世代の持つ耐性
その一方で、様々な問題が起こる中で成長してきた世代でもあります。
1995年には、阪神・淡路大震災が起こっています。
また、地下鉄サリン事件が起こったのもこの年です。
2001年には、アメリカで同時多発テロが起こっています。
それ以降も、2008年にはリーマンショックが起こり、2011年は東日本大震災が起こりました。
現在も、新型コロナウイルスGの感染拡大など、社会的な影響が大きい出来事も生じています。
そのため、Z世代はこの先、災害や大きな事件などに見舞われてしまう可能性がある、ということを念頭に置いています。
要するに、不況や不幸な出来事に対して耐性があるのです。
もし何かあった時、他の世代よりも立ち直るのが速いでしょう。
そして、回復に対して尽力していくことができるのです。
また、Z世代は消費に対しても考え方が変わります。
Z世代の前の世代は、車や家などはレンタルで十分と考えることが多いのですが、Z世代の場合は将来の備えとして財産を持っておいた方が安心と考えるため、車や家を購入する人が多いのです。
Z世代の仕事観
Z世代は、どのような仕事観を持っているのでしょうか?
まず、就職先を考える時は親と一緒に考え、就活にも協力してもらう傾向がよく見られます。
そして、就職先として人気なのが大手企業や公務員など、将来が安定しているところです。
その一方で、IT系など将来的に必要性が増すスキルや経験を得ることができる仕事に関しては、企業の規模を問わず人気があります。
こういった企業への就職を望むのは、自身の能力とともに企業を成長させたいという考え方が強い人です。
仕事観は団塊ジュニア世代の親の影響
こういったZ世代の仕事観は、団塊世代を親に持つ40代から50代の団塊ジュニア世代といわれる年代の親の影響も強いのです。
この世代は、バブルが崩壊して不況になり、就職氷河期となった時代を経験した人たちです。
その頃は就職するのも難しく、運よく就職できたとしても今度は社内での競争が激しいため、昇給や昇進などが難しかったのです。
そういった親を見ていたZ世代は、安定した仕事か業界自体が成長している仕事などを選ぶことが多くなるのです。
福利厚生などが充実しているかどうかも、重視されるポイントです。
就職=一生安泰とは思わない
安定した仕事を望むことが多いZ世代ですが、昔のように終身雇用という考え方は薄く、会社がなくなる可能性や、リストラなどで自分が見捨てられる可能性は想定して、危機感を抱いています。
会社に対して、自分を守ってくれるなどの過度の期待はしていないのです。
そのため、スキルを磨いて多くのことを勉強し、自身の価値を高めることに腐心しています。
とはいえ、それだけでのし上がるといったことまでは考えないのです。
Z世代の働き方
そんなZ世代の働き方は、仕事と家庭、もしくは仕事と趣味を両立できるように働いて、ワークライフバランスを整えることが当たり前とされています。
仕事のために家庭を犠牲にする、という働き方はしないのです。
例えば女性なら、働きながらも結婚して出産し、そしてまた仕事に戻ることを考えます。
そういった希望が叶って、ワークライフバランスを充実させられるような企業を選ぶことが多いのです。
男性の場合も、育児休暇を意識する人が増えています。
イクメンという言葉が流行し、男性も育児のために仕事を休む権利がある、ということが認知されていることと、大学が行うキャリア教育の影響もあるようです。
こういった希望を叶えるために、志望する企業を変える学生も多いようです。
仕事がハードな企業は避けて、ワークライフバランスを重視できるような企業を選ぶのです。
また、そのために営業を希望していたのに、あえてバックオフィスを選ぶこともあります。
2つの仕事を選ぶ
仕事と家庭を両立させる以外にも、就職した企業とは別に副業を持つ人が多いのも、Z世代の特徴です。
先ほども言ったように、会社が倒産する可能性なども考えているため、別の選択肢も残しておきたいと考えているのです。
また、ジョブ型雇用といわれる働き方を求めている人も増えています。
これは、将来に向けてジョブというスキルを身につけておくことが重要と考えているからです。
今まで、日本の企業ではキャリア形成として、ジョブローテーション型という短期間で部署を移動していくような働き方が多かったのですが、これはスキルを身に着けるには時間が足りません。
また、地方転勤の可能性も考えられます。
そうではなく、しっかりとスキルとして身につけながら働きたい、と考えることが多いのです。
そうすることが、自分の将来にとって役立つと解っているからです。
まとめ
Z世代といわれる人の仕事に対する考え方は、他のどの世代とも異なっています。
しかし、それは単に価値観の違いであって、不真面目というわけではありません。
その時代によって、何を重視するべきかは異なります。
仕事にばかり力を注ぐのではなく、ワークライフバランスを大事にするようになったZ世代の人々は、より充実した人生を送ることができるのかもしれません。