企業は女性従業員への健康サポートが重要~その理由とは?~

従業員の健康管理を行う企業が増えつつありますが、その対象として考えられているのは主に男性従業員であり、女性従業員に対しての健康サポートを考えている企業は現在、それほど多くありません。
実は女性従業員への健康サポートこそが重要なのですが、その理由とは何でしょうか?

男性と女性の健康サポートの違いとは?

企業が健康サポートを行うにあたって、その想定する対象が男性従業員の場合と女性従業員の場合ではどのようにサポート内容が異なるのでしょうか?
対象を男性従業員とした場合と、女性従業員とした場合の違いについて考えてみましょう。

まず、対象を男性従業員として考えた場合は、その中心となるのはメタボリックシンドロームや生活習慣病の対策です。
現在、従業員の健康管理を行っている企業もこの点に注目している場合が多いようです。
確かに見た目にもわかりやすく、話題にも上りやすい問題なので対策することは無駄とはいえないでしょう。

しかし、女性の健康問題というのはもっと重要です。
女性特有の健康問題として、月経に伴った様々な症状が考えられます。
この問題に対処しなければならない理由として、上司が男性の場合はこうした問題を相談しにくいことと、相談しても理解を得にくいという点があります。

また、妊娠や不妊治療、更年期などの問題についても同様に相談しにくく、理解を得られるかという不安もあります。
こうした問題は個人差も大きいため、もしも上司が女性であったとしても理解を得られるとは限りません。

たとえ上司から見てサポートが必要だと感じても、デリケートな問題なので口を出しにくく、特に男性の上司であればセクハラと騒がれる可能性も出てきます。
そのため、気兼ねなく相談できるような環境が必要となるのです。

女性従業員の健康サポートに必要なのは?

男性従業員の健康サポートに必要なのは、健康診断やストレスチェック、社員食堂の設置や継続的に生活指導を受けられるように産業医を配置する、といったことでしょう。
それでは、女性従業員の健康サポートには何が必要となるのでしょうか?

女性従業員の健康サポートを行うには、まず職場の環境を整えることが必要となります。
例えばシフトを改善したり、休暇を取りやすくしたり、テレワークを導入したりできるシステムを構築することです。

また、相談窓口も必要となるでしょう。
女性従業員だけではなく、管理をする上司がどのように対応できるか相談できるような産業医、もしくはカウンセラーなどもの窓口を設置することで、お互いの問題についても解決できるようになります。

何よりも重要なのが、体調が悪いときにはきちんとそういえるように、職場内でコミュニケーションを密にすることです。
また、男女の健康問題の違いについて理解できるように、リテラシーを高めるためのセミナーの開催が必要な場合もあるでしょう。

どうしても企業というのは男性が中心と考えることが多いのですが、今や女性従業員は全体の44%を占めています。
男女の人数比にそれほど差がない現状では、女性の健康問題を放置するということはそれだけの労働損失に結びつくということになります。

すでにいくつもの企業が女性の健康問題に取り組み始めています。
その中には女性従業員が多い企業だけではなく、全体の1割程度の企業も含まれていて、女性躍進を推進しています。
女性従業員が少ないから大丈夫と思わずに、健康サポートを行いましょう。

まとめ

日本の企業は、組織の中核を担っているのが男性ということが多いため、どうしても健康サポートというと男性従業員が中心となってしまいがちです。
しかし、女性従業員には女性特有の問題があり、男性には相談しにくいことも多いため、企業としては女性従業員の健康サポートが重要となるのです。
働く女性が増えている現代だからこそ、女性従業員の健康サポートを重視しましょう。