少子化を促進するのは首都圏の企業?

ギリシャよりも低いと言われている日本の労働生産性。日本は勤勉な国であるため生産性が高いと考えられているのに先進7か国の中でも実は最低レベルにあります。

夜遅くまで頑張って働く人も多い中で生産性を下げている原因は、効率の悪い長いだけの残業やサービス産業の低賃金、そして通勤時間の長さなどがあげられます。

通勤時間が少子化に影響する理由

例えば満員電車に毎朝1時間揺られて通勤する場合と、自転車や車で10分15分という時間しかかからない場合では朝の疲労感が違います。

これから出勤して、さあ働こう!という以前に既に疲れてしまうことになるからです。帰宅した頃には疲労困憊という状況になるのも無理ないでしょう。

このように東京に職場がある場合は、通勤時間の長さで子育てに悪い影響を及ぼしています。

子宝率と企業規模は反比例する

あるデータによると従業員規模と子宝率は反比例しており、規模の大きな企業になればなるほど子宝率は低くなることがわかっています。

子宝率が最低なのは東京の大企業、最高なのは福井県の中小零細企業だそうです。

通勤時間がかかる都道府県とは

都道府県別の通勤時間を見た場合、上位を占めているのは首都圏1都3県です。神奈川が48分、以下千葉、東京、埼玉と続きいずれも40分以上です。

5位以下も奈良、大阪、兵庫、京都、愛知、福岡、宮城といずれも大都市圏ばかりでした。

通勤時間と子育ての関係

東京の企業に勤務する男性は神奈川や千葉などのベッドタウンから通勤している人が多く、通勤時間がかかる上に労働も長時間のため子育てに参加することは難しいでしょう。

福井県の子宝率が高い理由

福井県は北陸地方なので雪や雨ばかりで、若い世代は都会に流れてしまい、通勤も自動車がなければしづらいイメージがあります。

しかしそのことが家族の絆を深め、共働き率を高めています。

北陸地方自体が夫婦共働きの率が高い地方ですが、福井県の夫婦共働き率は全国一です。女性の労働時間も上位にあるため働きものの女性が多い県でもあります。

このようなことから世帯単位の収入も東京都より高く、全国1位というデータも存在します。世帯収入を高く維持できることで子育ての分担も進めることが期待できるでしょう。

北陸は製造業が中心で、祖父母からの支援も受けやすい環境にあるという地域性が活かされているというのも子宝率が高い理由でしょう。

東京で住みやすい環境はできないのか

2035年までに東京圏の高齢者は約76%増えて、総人口は横ばいとなると言われています。

生産年齢人口(若い世代)は急減してしまい、医療や介護依存の高い高齢者ばかりになってしまうでしょう。

東京一極集中が破たんしてしまう可能性はけっして低いとは言えない状況です。

女性の社会進出が少子化の原因とも言われていますが、夫婦共働き率の高い福井県の子宝率の高さから考えて、問題はそこではないということを考えていく必要があるでしょう。