企業におけるSNS活用とリスク対策

情報管理リスク

近年、ITの進歩に伴ってコミュニケーション形態も多様化し、SNSも個人のコミュニケーションツールだけではなくマーケティングツールとしても注目されるようになっています。
しかし、企業がSNSを活用する場合は、リスクへの対策も必要となります。
企業がSNSを活用する場合に起こりうるリスクと、その対策について解説します。

企業のSNS活用で想定されるリスク

企業がSNSを活用する事例としては、まず顧客の声を集めてビジネスに反映するというものがあります。
顧客の声を集めて分析し、それを製品開発や販売、アフターサービスまでのプロセス改善に活かす取り組みが行われているのです。

従来であれば、お客様の声は相談窓口に寄せられていました。
しかし、相談窓口に寄せられるのは主に、改善要望やクレームなどです。
SNSであれば、肯定的な意見も含めた忌憚ない意見を収集できるのです。

また、企業側から情報を発信する方法としてSNSが用いられることもあります。
企業のアカウントを作成して、製品の紹介やプロモーションなどを展開することができ、特典などを付けてキャンペーンへの回答を誘導することも可能です。

企業に所属する人たちやその中の部門などの集団でSNSのグループを作り、リアルタイムの情報提供に役立てている例もあります。
その中で優秀な成績の人に注目して、成果を上げる方法を学ぶというケースもあります。

質問などがあるときは、それをグループ内に投稿することでグループ内全体から意見を募ることができ、迅速な問題解決につながります。
また、業務に必要となる情報をまとめておくことで、調べたいことも素早く知ることができるでしょう。

企業がSNSを活用することには大きなメリットがあるのですが、その反面リスクもあることも覚えておかなくてはいけません。
企業がSNSを活用するリスクには、どのようなものがあるのでしょうか?

まず、パブリックSNSを社内利用した場合のリスクについて解説します。
社内コミュニケーションや情報共有の効率化などに役立つ社内SNSですが、もしもその社員の中で業務関連のメールを公開設定にしたまま利用する人がいた場合、企業の機密情報を漏洩してしまう可能性が考えられます。

SNSの社内利用は、一歩間違えれば企業の売上や利益、顧客・取引先情報など様々な機密情報が漏洩してしまう可能性があるのです。
また、SNSアカウントの乗っ取りが発生してウイルスに感染してしまうこともあり得ます。

社外利用にも、リスクがあります。
従業員が個人的にSNSを利用したことで、企業ブランドが失墜したり社会的信用が低下したりすることもあるのです。

従業員がSNS上から特定の対象に発信したメッセージや投稿したコメントなどは、たとえ匿名であっても過去の投稿内容や他のソーシャルメディアなどから個人が特定される可能性もあり、意図しない範囲まで情報が拡散されてしまうこともあります。

事故の中でも代表的なのが、炎上です。
過去に、コンビニエンスストアで従業員がアイスケースに入っている写真が投稿されたり、IT業界で採用面接の中継と共に中傷コメントを投稿したりして炎上したこともありました。

それ以外にも、プライバシー侵害や不適切な発言、マルウェアや詐欺への誘導、なりすましなどのリスクが考えられます。
プライバシー侵害では、ホテルの従業員が利用者の有名人についてTwitterに書き込んだ事例などがあります。

有効なリスク対策

企業がSNSを活用する際に考えられるリスクに対しては、どのような対策が有効なのでしょうか?
主な対策について、解説します。

まず、社内でSNSの利用ルールについて定め、従業員に周知徹底しましょう。
その際は、まずSNSを利用する際の目的や範囲について、新製品やキャンペーンなどの情報の発信やお問い合わせに対する返信に限るなど、明確に定めておくようにしましょう。

また、SNSを誰でも利用できるようにするのではなく、広報やカスタマーサポートなど部門を限定することで、発信する情報を適切に管理することができます。
アカウントをフォローしているフォロワーのコメントなどもチェックして、適切な対応をしていきます。

投稿内容について、社内の機密情報や違法行為、あるいは公序良俗に反する行為など禁止事項を定め、それを順守することも徹底しましょう。
投稿内容については、内容をダブルチェックして問題がないか確認してから投稿するようにします。

万が一炎上した場合も想定して、どのように対処するかも定めておきましょう。
社外利用時も、社外秘の内容を投稿しないことや発言は個人として行っていることを明確にし、知らないことを憶測で発言しないことなどに注意する必要があります。

社員へのリテラシー教育も重要であり、ポリシーを定めたとしてもそれを社員が理解して適正な利用をするとは限りません。
また、SNSの利用方法や設定手順などは変更されることも多く、自動的に適用されるのが一般的となっているため、設定手順などは作業しながら教育していく必要があるでしょう。

SNSのアカウント情報は会社で支給する端末に保存されていることも多く、中には個人所有の端末でログインすることもあるでしょう。
それらの端末も、管理や制御を行っていく必要があります。

SNSアプリケーションの設定を変更することで、利用する際の安全性を高めることもできます。
設定しておきたい項目は、ログイン関連や公開/共有範囲制限、タグ付け制限、連携アプリケーション制限、位置情報の附化防止などです。

ログイン関連は、他の端末からのログイン防止や不正ログインの疑いがあるときに通知するなどの設定ができます。
公開/共有範囲制限の設定では、ID検索の対象の許可、発信情報の公開範囲の制限などを行います。

Facebookなどでは、写真などを友達と関連付けるタグ付けが可能ですが、設定で制限することができます。
自身の情報に不要なアプリケーションからアクセスすることを、制限する設定もあります。

まとめ

現在、多くの企業はSNSを活用してキャンペーンやプロモーションを発信し、ユーザーの声を集めて商品開発に活かし、ユーザーと直接コミュニケーションをとっています。
SNSは素早く、簡単に情報をやり取りできる便利なツールですが、使い方を間違えてしまうと企業にとって大きなダメージとなりかねません。
SNSを活用する際は、そのリスクについても想定して適切な対策を事前に用意しておきましょう。