未払い残業/労基法は経営者には厳しい!

近年では労働者が自身の権利について意識を持つことが高まり、労使間でのトラブル件数も増えています。
労働者と未払い残業代を巡ってのトラブルになるケースも多く、企業では労使間のトラブルが起きないように勤務体制や職場環境を整備し、労働者が安全に、そして安心して働く事が出来る様にしていく必要があります。


労働基準法は誰のための法律?
労働基準法(以下労基法)の目的は「労働者保護」であり、実際にトラブルが起きた後で労基法に従う判断がなされると、ほとんどの場合経営者には厳しい判断となってしまいます。
そのため経営者は現在のリスクを認識しておき、紛争にならないための策を検討することが必要です。
未払い残業代は労基法を基準に判断することになる?
労働者と使用者との間の労働契約関係についての法律は労基法だけではなく、色々ある労働関連の法律を総じて「労働法」と呼んでいます。
この労働法の中で根本となるのが労基法で、残業代や割増賃金、賃金自体どのように支払う必要があるかなど規定された法律です。
また、残業代は労働時間を基準に算出しますので、この労働時間が何なのかということも労基法の中で定められています。
以上のことから、もしも労働者から未払い残業代について請求があった場合には、労基法の規定を基準に判断していくことが必要と言えるでしょう。
ただし労基法で定められているのは最低限度の基準なので、労基法の基準を下回る労働者に不利な労働条件は原則無効になります。
未払い残業代でトラブルが起きた場合のリスク
未払いの残業代で労使間にトラブルが発生した場合、企業はどのようなリスクを抱えることになるでしょう。

・労働基準監督署に通告されるリスク
労働者が労働基準監督署に通告した場合、結果として是正勧告書や指導票等の書類が交付される可能性が出てきます。
強制力がある訳ではないのですが放置して良い訳ではなく、労働基準法違反には罰金刑や懲役刑などの刑事罰も規定されていることを知っておきましょう。
残業代不払いについては、労基法119条に「6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金」との規定があります。
労働基準監督官は警察官と似た権限を持つことを労基法で認められていることから捜査や送検も行えるので、悪質な残業代不払いでは労働基準監督官が逮捕や送検するケースもあるようです。

・付加金で未払い残業代が倍額に?
労働者の退職後の未払い残業代の請求権は、年14.6%の割合で遅延利息がつくので、仮に請求額が高いことで裁判などになり、判決が出るまで長引くと、さらに金額が大きくなる可能性があります。
また、労基法114条では、裁判になった場合に裁判所の裁量で、労働者の未払い賃金と同額分の金銭を支払うことを命じられる付加金の制度があります。
支払う相手は国ではなく労働者個人ですので、仮に労働者に未払い残業代を支払うことが命じられ、さらに付加金の支払いまで命じられてしまえば、労働者に未払い賃金の倍額を支払わなくてはいけなくなります。
後で問題が発覚してトラブルにならないために
スムーズに経営が回っている時には、問題は表面化しにくくなる傾向があります。しかし一度労使間で信頼関係が崩れると、後でトラブルとして表面化する問題もありますので、リスクを把握した上で事前に対処しておくことが必要です。

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