企業には様々なリスクが取り巻いており、そのリスクが発生する可能性も変化し続けています。
リスクは予想していない時に突然危機へと発展する可能性がありますので、起こりうるリスクを事前に予測し事態が発生した時に即座に対応できる体制を整備していく必要があります。
リスクの予測と体制の確立が危機管理の基本になります。
企業リスクとその原因
企業で起こりうるリスクには次のようなものがあり、その原因となるものを確認しましょう。
・経済的リスク…金利や為替相場、株式相場によるもの
・法的リスク…知的財産権訴訟、環境保護関連法制度、独占禁止法の強化によるもの
・人的損失リスク…経営者や社員が死傷や重度疾病を患う場合や、ヘッドハンティング、有能な若年社員の離職などによるもの
・インフラ事故リスク…通信や電力施設の事故、自動車や航空機事故の発生によるもの
・社内的リスク…工場や事務所の火災や事故、設備機械の故障や事故、取引先の倒産、社員犯罪、製造不備、機密漏洩、個人情報漏洩など
リスク管理はマニュアル作成だけでは意味がない
危機管理は意識の在りかたにこそ本質があると言えます。
マニュアルを完璧にすることで危機管理体制が万全になるわけではなく、マニュアルを活用して対応しようという意識によって行動に移すことが大切です。
リスク管理体制の構築
中小企業の場合、不測の事態に備えるリスク管理については特に経営者のリーダーシップが重視となりますが、経営トップがリスク管理に対して認識できていない場合が多く見られます。
社内では労災、背任、横領、セクハラ、インサイダー取引などのリスクがあり、社外では為替変動、株主代表訴訟、PL訴訟などに対応していく可能性もあります。
リスクを回避もしくは最低限に抑えるには、迅速に意思決定の実施と緊急対応体制を整備することが必要です。
そのためにはまずリスクの抽出と特定、リスクの評価と対策、リスクの教育、連絡体制の整備などを強化する必要があります。
そしてリスク管理体制を構築する時には、必ず経営トップが関与すること、組織としてノウハウを継承すること、体制構築と対応を一貫して行うことが重要です。
企業リスク管理を実施するために
企業リスクを管理する最大の目的はリスク状態を可能な限り排除していくことです。
ただ日常管理していくことに着目しすぎるとリスクを防止することだけが強調されてしまいます。
そうなると普段日常管理ができているからリスクは発生しないと過信してしまう可能性もありますので、もしもリスクが発生した場合の対策が不十分になることがあります。
そのためリスク管理は日常のリスクマネジメントに対して、経営トップが関与していくことが必要です。
それでも事故などが発生する可能性があると考え、事後対処の対策を検討していくことが必要になるでしょう。