日本経済のインバウンド需要頼みのリスク

その他

近年、日本経済の主流分野が変わってきていることに気が付いていますか?
観光業や小売業など、現在の日本は外国人観光客の消費に頼っている現状です。
これを、インバウンド需要と呼ぶのですが、それだけに頼り切ってしまう経済状況は好ましくありません。
潜んでいるリスクには、何があるのでしょうか?

大きなリスクは基本的にコントロールができないこと

日本は、東京オリンピックを契機として、将来的に観光をメインとした国としての地位を確立しようとしています。
例えば、オリンピックの開催が決まってから、外国人旅行客に対応できるスキルを勉強することや、外国人のニーズに対応すること等、様々なサービスの在り方を検討していますよね。
その甲斐もあって、外国人旅行客の割合が増加している傾向にあります。

そして、特に今年は外国人観光客の目標数として、4000万人をアピールしていましたから、どんどんインバウンド需要が高まっているでしょう。
しかし、この需要は人間の手でコントロールすることはできるのでしょうか?
確かに、観光に来て欲しいと名所をアピールすることは大切ですが、アピールしたからと言って必ず来てくれるとは限りませんよね。
つまり、インバウンドの効果は不安定な要素になるのです。

良い時もあれば、悪い時もある。
それが、いつ起こるのか、今来るのか、誰も分かりませんし、コントロールできないできませんから、運としか言いようがありません。
ですので、国内経済をインバウンドによる需要に頼り切ってしまうと、好調の時はいいかもしれませんが、状況が悪い時にはどうしようもないでしょう。
このように、運やその時の状況によって左右される要素に、頼り切ってしまうのは良いことなのでしょうか?

コントロールができない部分は、リスクにしかなりません。

感染症、政治的な要因でのダメージが避けられないリスク

また、明確な原因があって、インバウンド需要が減少してしまうリスクもあります。
例えば、日本に対する政治的な印象や、感染症が発生した時に感染が拡大してしまうことが挙げられるでしょう。
どちらの事情も、日本だけが悪いということはありません。
政治的な対立の関係で、日本企業の消費を控えてしまうということは、近年でも見られたケースですよね。
外交的な面は、需要・消費に影響します。

また、インバウンドを積極的に行うということは、現在のように感染症が発生した場合に拡大のリスクを伴います。
仮に、日本国内で感染症が発生していなくても、インバウンドの影響で日本国内に感染が発覚し、拡大する恐れがありますよね。
特に、命にかかわるような重大な事例の場合は、インバウンドで得られる経済的利益と国民の生命、どちらが大事になるでしょうか?
その答えは、言わなくても分かりますよね。

感染症の拡大の結果、外国人旅行客だけでなく、日本人の消費も落ち込んでしまう可能性が出てきます。
その際に、インバウンドでなく、他に経済を回すような要素がなければ、経済状態は急激に低迷してしまいますよね。
つまり、一定の経済状態を維持するためには、リスクを分散するために経済を回す要素を複数確保しておくと良いでしょう。

依存先を複数確保しておくと、どれか1つが厳しい状況になっても、経済が悪化してしまうことは避けられますよね。
現状のように、インバウンドだけを頼みにしている経済状態は、国民にとっても好ましくありません。
現在、その影響を大きく受けている業界や企業は多いですから、現状を見直す時期が来ていると言えるでしょう。

参考URL
琉球経営コンサルティング
(http://ryukyuconsulting.com/2019/08/19/okinawa_tourism_14/)
現代ビジネス
(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70041?page=3)

まとめ

日本経済の悪い部分は、何か1つでも好調の分野があると、それに依存してしまう傾向があることです。
普段から依存先を複数確保して経済を動かしていれば、大きな影響があったとしても、そこまで低迷はしないでしょう。
あえてインバウンドの需要に頼るならば、きちんとリスク対策やいざという時の対処法を考えておかなければなりません。
リスクに対する詰めが甘いと、一気に経済状態は悪化してしまうのが目に見えていますよね。