個人事業主が突然死!知っておきたい相続のこと。

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特定の企業に所属せずに自ら契約を獲得し収入を得る個人事業主ですが、働き方改革の波を受けて今後も増加傾向にありそうです。
個人事業主の開業届けは簡単に提出できることから、気軽に登録したという方も多いのではないでしょうか。
しかし、「万が一、個人事業主であるあなたが死亡した場合、どのように相続されるかご存知ですか?
今回はそのような万一に備えるために知っておくべき、個人事業主における相続について解説させて頂きます。

個人事業主が突然死した場合のリスクとは?
個人事業主は法人格ではなくあくまでも個人名義で事業を行なっております。
つまり、日々の事業の中で必要な賃貸契約や自動車の購入、原料を仕入れ、銀行口座の作成などはすべて個人名義で契約しているのです。
通常相続の対象となるのは個人資産ですが、個人事業主の場合、これらの資産はどうなるのでしょうか?
答えは、もしこれらの資産が個人資産ではなく、事業用資産であると明確であっても、民法上相続の対象になります。
つまり、相続権を持つ親族がそのまま承継する形になります。
万が一、故人が事業資金を金融機関等から借り入れしていた場合は、それらも相続の対象となるため、相続人が返済する義務を負うことになるのです。
そのため個人事業主であるなら、常にこのリスクに対して準備をしておく必要があります。

個人事業主が死亡した際の相続の流れとは?
相続のために必要な準備を理解するためには、相続手続きの流れを知る必要があります。全体の流れを理解することで、必要項目が見えてくるのです。
以下が全体の流れですが、これらは共同経営者や後継者の有無・遺言書があるかなどの条件によって変更する場合もございます。
① 相続人の把握
まず初めに、故人における相続人が誰になるかを把握する必要があります。
そのために故人の出生から死亡までの戸籍謄本等を集めます。
これらは本籍地の市区町村役場で手に入れることが可能です。
ちなみに、相続の順番ですが、実子(養子含む)→両親→兄弟姉妹が原則で、配偶者がいれば、配偶者もその対象となります。
② 相続の対象となる財産の把握
次に故人における個人資産と事業用資産がどれほどあるかを確認します。
この後遺産の分配が行われるため、それに向けた財産の棚卸が必要なのです。
特に、従業員への賃金支払いや金融機関への借り入れ・取引先対する債務などについては、早急に確認することが重要です。
また、個人事業主である本人がなくなっても事業は動いている場合が多くあるため、基本的には相続人が代わりに確定申告と納税を行う必要があります。これを準確定申告と言います。これらは死亡してから4ヶ月以内に行う必要があります。
また、相続税申告と呼ばれる手続きも同様に必要になります。こちらは10ヶ月以内と少し期間は長いですが、相続方法がすべて決まった時点ですぐに出すようにすることがオススメです。
これらの申請は「知らない」では許されないものなので、忘れず行うようにしましょう。
③ 遺産分配協議の実施
相続人や相続する財産が明確になれば、遺産分配協議を行います。
つまり、誰が何を相続するかをここで決定します。
しかし、有効な遺言書がある場合や、相続人が一人しかいない場合は遺産分配協議を行う必要はありません。
また、万が一共同経営者や後継者がいた場合でも、相続人としての条件を満たしていなかった場合はそれらの資産を承継することはできませんので、注意が必要です。
④ 相続手続きの実施
遺産分配協議が終了すれば、すぐに相続の手続きを行います。
遺産分配協議書に基づき、店舗の賃貸人の承継や金融機関の名義変更、各種リース契約の締結などを行いますが、それぞれ申請内容によって手続きが異なるため、苦戦する方が多い傾向があります。
また、注意するべきこととして、故人が「認可」を受けた事業を行なっていた場合、その事業を受け継ぐとしても、許認可を承継することはできません。
その場合も、再度許認可を取得する必要があるのでご注意ください。

個人事業主が行うべき相続の準備とは?
これまで個人事業主の突然死における相続のリスクやその場合の相続の流れを解説しました。
何の準備もなしに亡くなった場合、相続人にかかる負担は計り知れません。
時間的制約や経済的に大きな迷惑をかけてしまうのです。
それを少しでも軽減するには、生前に相続のための準備を行っておく必要があります。ここでは生前に行うことのできる相続対策をいくつか紹介させていただきます。
まず一つは「遺言書を作成すること」です。
上記で挙げた遺産分配協議は、時としてかなり長引くことがあります。
「誰が何を相続するか」は、価値判断が難しい場合が多く、相続人同士の話し合いを必要とします。遺産分配協議をキッカケに親族の仲が悪くなってしまったといった事も実際にあったりします。
これらの問題は有効な遺言書を残していれば、事前に財産分配方法を決めておくことが可能なため、スムーズに手続きを進めることができます。
また、事業用資産を相続人以外の後継者などに相続する事も遺言書があれば可能になります。
1点注意が必要なこととして、遺言書が無効になる場合があるので、「公正証書遺言」という形で作成することをお勧めします。
次に、「現在行なっている業務の進行表を作成すること」です。
これがないまま突然死をしてしまった場合、仮に共同経営者や後継者がその業務を引き継ぐにしても、何をどこまで行なっているかが把握できず、スムーズに行うことができません。
そのため日頃から事業全体を通して情報共有できる仕組みを構築しておくことがお勧めです。
また、これと同時に行っておきたいことが取引先名簿の作成です。
個人で事業を行なっている場合、この辺りは属人化しやすいですが、債権債務の把握や訃報の連絡などに非常に役立ちます。
さらに、事業用資産をまとめておくと更に役立ちます。
事業に使用しているパソコンや自動車はもちろんですが、WEBサイトのサーバー情報やそのログイン情報なども、亡くなってからでは探すことが非常に難しいため事前にまとめておくことをお勧めします。
他にも、事業で使用している金融機関の口座情報やクレジットカード情報もまとめておくと資産の棚卸しをスムーズに行うことができます。
また、先ほども触れたように、金融機関や親族からの借り入れも相続の対象となるため大きな負担となってしまいます。万が一そうなった場合の、相続人の経済的負担をできるだけ軽減する方法として、生命保険の活用があります。
要するに借り入れの返済対策として、必要に応じた生命保険に加入しておくということです。
保険金の受取人を相続人にしておくことで、経済的負担は軽減することができます。また、相続手続きは時間が比較的かかりやすいことに対して、保険金の受け取りはすぐに行うことができるので、万が一、口座の相続の遅延などにより事業資金がショートしてしまう場合などに、保険金をあてがう事も可能なため、資金がりを助ける有効な手段とも言えます。
このように個人事業主における突然死は相続人にとって大きな負担となってしまう場合が多くあります。しかし、必要な準備を生前からしておく事で、ただでさえ時間のかかる相続手続きをスムーズに進めることができます。
また、それらの準備は日頃の業務にもプラスになるような事も多々あります。
準備するまでは億劫ですが、一度型を作ってしまえば、習慣化するものです。
個人事業主の方は必ず相続対策を行いましょう。

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