BCP/もし噴火が起こったら?

もし噴火が起きたら、規模や火口の位置、発生時期などで社会に及ぼす影響は様々です。この場合企業はどのような備えが必要でしょうか。
2017年6月6日、桜島の昭和火口で噴火が起きたばかりで、9日にも西之島からも噴石や噴煙が放出される断続的な噴火が起きています。
火口から近いほど被害は大きくなることが予測されますが、まず火山防災マップなどで危険度を確認しておく必要があるでしょう。


戦略として考えられるのは早期復旧と代替
噴火が起きた場合に企業が事業を継続するため、早期復旧と代替の2つを検討することになります。
しかし実際には、溶岩、火砕流、噴石被害など直接的な被害範囲に存在する企業は、噴火期間がかなり短くなければ早期復旧ということは困難です。
そのため被害予測されるエリアの企業は、代替戦略を用いることで一旦エリア外に出て事業を行うか、噴火期間は店じまいと言う形で再開を待つことになるでしょう。
噴火による火山灰の影響
富士山や浅間山など、局所的な被害では収まらず降灰の範囲かかなり広くなる場合です。関東ローム層は火山灰でできていますので、関東平野は火山灰が降り積もる地域だと考えられます。
政府では首都直下地震などに備えて、首都中枢機能のバックアップ拠点を大阪、札幌、仙台、名古屋、福岡といった政令市に置くことを検討しています。
例えば首都圏の代替方法とは?
しかし地震だけに限らず富士山の噴火でも降灰がひどければ、首都としての機能は十分損なわる可能性が高くなります。
交通機関にも影響するでしょうし、灰によりコンピューター機器や通信機能にも影響して停電なども予測されます。関東圏外に本社機能や製造生産サービス拠点を保持することが必要でしょう。
中堅や中小企業の場合
中堅や中小企業で大企業のサプライチェーンと繋がりのある企業の場合には、大企業のBCPに合わせて移ることも戦略として考えられます。
もしくは関東圏外の同業者へ生産を委託するか、工場の一部を借りるといった助け合いという手段も検討が必要です。発災地外で代替する戦略がいずれにしても必要だと言えるでしょう。
噴火が起きた場合のために
噴火BCPは組織には中核になる事業を決め、それに関係する重要業務や経営資源を洗い出す時点で経営資源を網羅的に洗い出し、それぞれの資源が使えない場合の代替が可能かを検討することが必要です。
早期復旧を図った場合にも、目標となる復旧時間を満たせるかを分析しておくことが必要です。
これによって経営資源が被災した場合の対策が可能となれば、例え物流が被災した場合でも代替可能な体制が整備されていますので流通をストップさせることは避けられるでしょう。