運送事業の最低車両台数は貨物自動車運送事業法の定め?

貨物自動車運送事業の運営を適正、そして合理的なものにするために貨物自動車運送事業法というものが定められています。輸送の安全を確保し、事業が健全に発達するための法律です。

トラック運送業者(一般貨物自動車運送事業者)の最低車両台数割れが問題になっていますが、許可申請にむけてトラックを準備していたのに、地震が発生して使えなくなった場合には軽トラックで代用できるのでしょうか。

最低車両台数とは?

一般貨物自動車運送事業の許可を申請するには、許可要件を満たさなければ許可はおりません。許可の要件には、運行管理者、整備管理者、車庫、営業所、事業に必要な資金など、様々なものがありますが、保有すべき車両台数についての要件も設けられています。

一般貨物自動車運送事業者の最低車両台数

貨物運送業を行うために必要になるのは最低5台のトラックです。しかし許可の際には5台あったはずのトラックが、事業を開始した後で減車し、トラック運送業者としての最低保有台数5台を割り込む事業者が増えているといわれている状況です。

もし最低車両台数を割ってしまった場合は?

最低車両台数は、貨物自動車運送事業法等の法令に規定があるのではなく許可基準の通達の規定です。通達の規定のため法律違反にはならないという部分が、5台を維持しないことを促す結果となっている可能性があります。

トラックの増減車は届出事項となっているため、5台に満たなかったとしても行政処分を直接受けることにもなりません。

一般貨物自動車運送事業の許可でも、霊柩車運送業、一般廃棄物処理業の場合は1台でも一般貨物自動車運送事業許可を取得することができます。5台未満なら運行管理者、整備管理者の選任が不要です。

トラックは一部軽トラでも可能?

軽トラックは一般貨物許可申請の最低車両台数へ含めることはできないため、許可申請の際には軽トラック以外の車両を5台準備しなくてはなりません。

軽トラック等を利用した運送事業は「貨物軽自動車運送事業」に該当し、同じ貨物自動車運送事業法で定義されています。貨物軽自動車運送事業は許可ではなく「届出制」の事業のため、一般貨物自動車運送事業の許可申請より手続きが簡単である特徴があります。

貨物軽自動車運送事業でも良い?

軽トラックは最大積載量が350㎏で積載量の面では積みこめるものが少なくなります。そのため軽トラックで荷物の運送は十分だという場合には、貨物軽自動車運送事業の届出を行うと良いでしょう。

やむを得ない事情がある場合

例えば地震により準備したトラックが損壊したなど、やむを得ない事情もあるでしょう。この場合には一度許可の申請を行う運輸局などで相談してみるようにしましょう。実際東日本大震災の時も、手続きの猶予期間が設けられるなど措置が行われています。