後継者問題とコロナ影響による大廃業時代

事故・災害リスク

中小企業の経営は、2020年度、大きな転換を迎えています。
新型コロナウイルスの影響は、どんなに経営者や従業員が努力しても防ぎきれません。
それにも関わらず、支払い等の請求は変わりませんから、苦境に立たされていることでしょう。
そんな状況下だからこそ、大廃業時代の到来を考えなければなりません。

経営の継続が厳しいのは今に始まったことでない

コロナが原因で廃業を選択した中小企業のニュースは、様々な所から聞こえてきますよね。
もしかする、明日は我が身だと思っている経営者もいるかもしれません。
ですが、何も廃業に関してはコロナ禍がきっかけで爆発した訳でないのです。
実は、数年も前から始まっていたのです。

その流れについて、まずは知っておきましょう。

・後継者問題の悩みが解決しないため廃業

日本の中小企業が長年抱えている悩みの最たるものは、「後継者問題」になります。
中小企業の後継者問題に関しては、中小企業庁や帝国データバンクを始めたとした調査で分析されていることが多いですよね。
その中で懸念されている理由は、現在の経営者が高齢化していることが挙げられます。

いくら敏腕の経営者であっても、人間ですから年齢を重ねていきます。
そこに、何かしらの形で後継者がいれば、引継ぎ等ができますよね。
しかし、不在の場合だとそのまま経営をすることになりますし、今後の経営にも見通しができません。

さらに、東京商工リサーチで行われた『2019年休廃業・解散企業動向調査』の中では、休廃業した経営者の年齢にも迫っています。
休廃業を決めた経営者のうち、70代以上の割合が約4割を占めていましたので、高齢ながらも今まで経営を続けていたということが伺えますよね。
様々な調査を基に1つ言えることは、高齢な経営者ほど、「廃業予備軍」に分類されるということです。

この廃業予備軍は、中小企業ほど多い傾向があります。
そのため、いつ経営を畳むのかは時間の問題だと言えるでしょう。
そのタイミングが早いのか遅いのか、そこの違いが統計データに表れている形になります。

確かに、コロナの影響で経営が成り立たず、廃業を選択する経営者はいます。
ですが、これはタイミングの問題であって、後継者問題等の問題を少なからず抱えていたことに変わりありません。
中には、現状を踏まえると「丁度良いタイミングだ」と判断し、役目を終える人もいるでしょう。

・業績に関係なく廃業は訪れる

ここで私たちが知っておかなければならないのは、「廃業=業績悪化」でないことです。
先程もご説明した通り、状況の打開策がないから辞めるという判断をするしかない場合もありますよね。
特に、高齢者問題による廃業は、どうあがいても対応策がないから選択するという消極的な要素もあるのです。

このような状況を回避するには、やはり後継者問題の解決が見えてくることに尽きるでしょう。
このことが実現できなければ、どんなに黒字の経営であっても、廃業の回避は難しいと言えます。
現に、コロナの影響で廃業を選択した経営者の中には、黒字経営の所もありますよね。
経営を考える際には、上記のことを絶対に忘れないで下さい。

参考URL(https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200122_03.html)

想定されていた問題の前倒しが起こる可能性

コロナ禍の影響により、中小企業の経営に懸念されていた項目は、予定よりも早く降りかかってきます。
その結果、大廃業自体が到来するとも言われているでしょう。
ここでは、その背景についてお話ししたいと思います。
ポイントとなる話題は、次の2つです。

・経営者の2025年問題
・早期リタイヤが続出する可能性がある

どちらも、後継者問題がきっかけとなって不安視されている内容ですから、会社の規模に関わらず全経営者は目を通しておくべきでしょう。

・経営者の2025年問題

最初に触れた後継者問題ですが、それが顕著となるのは2025年頃だと言われています。
現在は2020年の12月ですから、あっと言う間になってしまうでしょう。
なぜ、「2025年」になるのかと思う人もいますよね。
これには、様々な社会問題で議論されている「団塊の世代」が関係してきます。

団塊の世代とは、日本において第一次ベビーブーム時代に誕生している、1947年~1949年頃に生まれた人たちを指します。
近年は、起業する若い世代も多いですが、中小企業の規模が小さくなるにつれ、まだまだ年長者の割合が多いですよね。
この世代の人たちの定義から考えると、2020年現在の年齢は70歳~73歳になるでしょう。
医療制度上の区分から考えた場合、「前期高齢者」に該当することに、間違いはありませんよね。

ところで、現在の段階で70歳前半の年齢の人たちが、5年後にどうなっているのかを考えてみて下さい。
年齢的には、先程提示した数字に+5歳ですから、75歳~78歳になりますよね。
たった5年と考える人もいるかもしれませんが、大きな違いが出てくるのです。

75歳以上になると、前期高齢者から「後期高齢者」の扱いへと変化します。
それだけでなく、高齢化の割合がピークを迎えることになりますから、日本全体の社会構成に変化を与えると言っても良いでしょう。
現段階でも高齢化が進んでいると言われていますが、それよりも状況が変わってしまうのです。
後継者問題がここ数年で大きく取り上げられているのには、このような事情が関係しており、決して見過ごすことができませんよね。

・早期リタイヤが続出する可能性がある

さらに、問題は上記の内容に留まりません。
高齢だという理由だけでなく、コロナの影響も相まって、予定よりも早く廃業をする経営者が増加傾向にあるのです。
このことは、「早期リタイヤ」として表現されるでしょう。
そして、早期リタイヤで生じるだろう影響は、コロナによる被害と合わさって大きな物になることが懸念されているのです。

経済産業省で公表されている『デジタルトランスフォーメーションレポート(平成30年9月7日)』でも、2025年問題は大きく分析されています。
2025年までに後継者問題で廃業した場合、GDPや雇用機会の大きな損失が見込まれていますから、影響は企業内に留まりません。
社会の問題として、発展してしまうのです。

いくら少子化が進んでいる日本社会だと言っても、経済の支えとなる企業のパワーがなくなってしまうと、経済が落ち込んでしまいますよね。
このことは、コロナが想定されなかった時から、予想されていたのです。

人口問題は経済に直結するとも言われますが、今回の記事でみなさんはその影響を知ることができるはずです。
それがどんどん前倒しになっているとなると、現在の生活に少しずつ影響が出てきますよね。
まだ時間があって何とか対策できるかもしれない問題でなく、すぐに対応しなければならない問題に変わっているのです。

「早期リタイヤはコロナのせいだから仕方ない」、と思ってしまう人は多いでしょう。
しかし、このことは経済や社会の崩壊に繋がるようなきっかけになっています。
「コロナの終息ができれば、これから経済は回復するだろう」と考えている人は、見通しが甘いと考えても良いでしょう。
コロナが終息しても、後継者問題に歯止めがかかる訳ではありません。

そう考えると、大廃業時代は身近に迫ってきており、人によっては直に影響を受けているのです。
これは、経営者に限らず、中小企業で働いている従業員にも言えることですよね。
「いつどうなるか分からない時代」と表現されることの多い現代ですが、本当にその通りになるカウントダウンは近づいています。

参考URL
(https://www.meti.go.jp/press/2018/09/20180907010/20180907010-3.pdf)

まとめ

本記事では、後継者問題とコロナの影響による大廃業時代についてお話ししました。
コロナの影響でタイミングが良いから廃業したというよりは、経営状態に関係なく、限界がきて廃業していると表現するのが正しいでしょう。
そして、この影響は社会全体にも及んでいきます。
現在の廃業が進んでいる背景を知ると、後継者問題がいかに根深い問題であるか、みなさんにもご理解頂けるはずです。

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