カジノ法案(IR法案)の問題点について

その他のリスク

みなさんは、IRが建設されることについてどのように思っていますか?
日本では禁止されているギャンブルができることから、気になっているという人もいますよね。
IRについては現在も様々な観点から議論されていますが、どのような意見が出されているのでしょうか?
今回は、IR法案の問題点をおさらいしましょう。

問題点その①~治安的な不安要素が盛り沢山~

最初の問題点として挙げられるのは、IRの施設内だけでなく、その周辺環境の治安が悪化するのでないかという点です。
ところで、みなさんはギャンブルにどのようなイメージを持っていますか?
所謂賭け事になりますので、あまり良い印象を持っていないという人も多いかと思います。
中には、近づきがたいような人も出入りしているかもしれないから、あまり近づきたくないなと思っている人もいるでしょう。

治安関係の事情から、2点の問題が指摘されているのです。

・犯罪に巻き込まれる可能性

ギャンブル系統の施設では、利用者をターゲットとしたスリ等の犯罪が発生するのでないかと懸念されています。
確かに、カジノに来る人は一般人だけでなく、お金持ちのような人もいますから、犯罪を行うにはうってつけの場になりますよね。
そのため、楽しい気分で遊ぶ場所というわけにはいかないでしょう。

もちろん、このようなことが起こらないように、警備等をしっかりと行うかもしれませんが、不安も残りますよね。
また、日本にはそもそもカジノという場所はありませんでしたから、予測できない事態もあり得るかもしれません。
新しい物事に挑戦するからこその、不安感というものがあるでしょう。

実際には、カジノがある=治安が悪くなるというような結論の調査はありませんが、手放しで行けるような場所ではないことも事実です。
この問題は、現在IRの建設予定地になっている地域からも、実際に不安の声が上がっていますので、知識のない人でも関心のある話題になるでしょう。

その一方で、上手く対策等が講じられれば、犯罪率を低下させることもできなくありません。
実際に、海外では成功している事例もありますから、規制の内容次第といったところかもしれません。
日本では、果たして問題を解消できるような働きかけができるでしょうか?

・マネーロンダリングが行われる場として扱われる

もう一つの治安に関係する問題点としては、マネーロンダリングが挙げられます。
マネーロンダリングとは、例えば、不正な経由で取得したお金は、何かのきっかけで発覚してしまう恐れがありますよね。
そのため、大っぴらにそのお金を使うということは、好ましくありません。
もし使ってしまうと、お金の出どころがどこなのかが分かってしまい、自分たちの身が危なくなってしまうでしょう。

しかし、お金を換金できるような場があるとどうでしょうか?
様々な人のお金と交えてしまえば、出どころが発覚するリスクは小さくなりますので、自分たちの身を危険に晒すことはなくなります。
日本でもこういった恐れのある場所として、ギャンブルの1つであるパチンコが利用されているという話もあるでしょう。

そして、カジノは特にマネーロンダリングがされやすい場所として、非常に警戒しなければならない場所になるのです。
カジノでは、現金でゲームをするのでなく、一度チップに換金し、プレイ後に集めたチップを換金することで、お金としての利益を得ることになりますよね。
つまり、換金するということが、大前提の施設なのです。
そのため、ゲーム後に持っているチップを換金すれば、洗浄されたお金が手に入りますので、うってつけの場所だと言えるでしょう。

このように、ゲーム場としての位置づけだけでなく、犯罪の温床と化してしまう危険性もあります。
観光客の集客を行うにしても、黒い話が付きまとってしまうのが、どうしても気になってしまいますよね。

問題その②~依存症へのリスクはどうなの?~

世間の人も既知の事実としては、やはり”ギャンブル依存症”が挙げられるでしょう。
常にギャンブルをしていないと落ち着かない、社会生活が送れなくなってしまうといった内容が考えられますよね。
世の中には、○○依存症というように、依存症となる要素は意外とたくさんあります。

ですが、一度依存症になってしまうと、元通りの生活ができるようになるまでに時間がかかります。
また、一度治ったとしても、再び繰り返してしまうということも少なくありません。
治療を行うにしても、本人だけでなく家族まで巻き込むことになりますから、一筋縄ではいかないことが分かるでしょう。

このような要因となってしまう施設が、日本にもできてしまうのです。
身近な人が、ギャンブル依存症になってしまう可能性があるかもしれないと考えると、やはり不安ですよね。
しかし、ここで少し考えて欲しいのは、ギャンブル依存症は何もカジノがきっかけで増加するとも言い切れないのです。

その理由は、みなさんの生活圏からそう遠くない場所で、ギャンブルはいつでも、誰でも、できてしまうからです。
例えば、代表的なものにはパチンコ、パチスロといったアミューズメント施設がありますよね。
その他にも、競馬や競艇など、挙げるときりがありません。
要は、環境的に根絶はできないということです。
現在でも、様々なギャンブルをきっかけとして、ギャンブル依存症になっている人は500万人以上いると言われています。
約500万人と聞くと、結構な人数になりますよね。

ちなみに、この数字はカジノのある外国のデータではなく、現在の日本における患者数ですから、驚きですよね。
カジノができるから、カジノがあるから駄目だ、という声もありますが、そうとは言い切れないのです。
むしろ現状から、日本は有数のギャンブル好きな国と言っても、敢えて過言ではありません。
意外な日本の姿に、残念に思う人もいるかもしれませんね。

このようなリスクがあることを考えると、カジノ自体が問題だと考えることに対して、疑問に感じる人もいるでしょう。

そして、ギャンブル依存症の問題点を解消するために、国では依存症対策にも力を入れようとしています。
国の方でも、問題に対して慎重に考えているかもしれません。
最近出た内容としては、例えばギャンブル依存症の治療に対して、医療保険の適用を認める旨の議論がされていますよね。

医療保険の適用が認められると、負担額が少なくなりますから、治療へのハードルが小さくなり、未然に防ぐこともできるかもしれません。
しかし、これには反対意見も出ています。
依存症よりも、医療保険の対象として扱って欲しい症状や場合がありますから、本当に適用してもいいのかと思っている人は多いのです。

その一方で、カジノという場所はあくまでもお金持ちの人が出入りする場所であり、パチンコのように気軽に行ける場所ではないという意見もあります。
確かに、入場料や利用制限、ゲームの状況からは、もしかすると一般人には程遠い存在の場になるかもしれません。
この点に関しては、まだ議論中ですので、これからの動向に注目しましょう。

このように、治安面と依存症の2つの観点から、IR法案には大きな問題が山積みです。
不足分を補うために、各所の法整備を進めていますが、まだ不十分であるとの指摘もたくさん受けていますから、ゆっくりと動いている状態になるでしょう。
これらの問題点をきちんと解決できるような動きが見られるかは、今後の動き次第になりますね。

参考URL日本カジノ研究所
(https://vegasdocs.com/casinohouan/mondai.html)

まとめ

今回は、IR法案の問題点について解説しました。
海外では馴染みの施設となっているカジノですが、日本ではまだまだ謎な部分も多いです。
カジノ=悪というわけではありませんが、不安要素が多くあることも事実ですよね。
国や各自治体でも様々な対策を行う予定ではありますが、まだまだ不明瞭な部分もありますので、今後の法整備や対策の動きを見守りましょう。