中小企業経営者の高齢化と後継者不足を考える

経営戦略

中小企業の経営者の悩みはなにも、経営に関することだけではありません。
今後重大なのは、自分の次に誰が後継者になってくれるのか、ということですよね。
中にはスムーズに決まる会社もありますが、すべての会社がそうではありません。
本記事では、中小企業の経営者を取り巻く問題について、フォーカスをあててみましょう。

中小企業が減少してきている原因

みなさんは、中小企業が倒産してしまう原因には何があると思いますか?
例えば、業績が悪かったり、災害に巻き込まれてしまったりということが考えられますよね。
実は、これらの原因でない事情も関係していることを知っているでしょうか?

それは、経営者が高齢になってしまい、その後継者が中々見つからないということです。
私たちのイメージでは、家族経営の場合だと家族の誰かが、そうでない場合は該当者を育成して来るべき時に備えているという感じがしますよね。
なるべく早い段階で、経営者が任せても良いと思った人を探して育成するということは、一般的だったでしょう。
このような方法で、今でも継続している会社もあるかもしれません。

しかし、近年は後継者と呼べる人材を探すことが、困難な状況に直面しているところが多くあります。
その背景には、例えば、継がせる子どもがいない、人材がいないという事情が挙げられるでしょう。
また、若い世代の中には、そもそもその仕事をしたくないと思っている人がいるかもしれませんよね。
ですが、ここで少し疑問に思う人がいるかもしれません。

みなさんの中には、そんなに跡を継ぎたいと思う人がいないのかと感じる人もいるでしょう。
もちろん、全く存在しないわけではありませんが、実際に一人前として仕事をするまでにどのくらいの時間がかかるのかをご存知でしょうか?
内情を知らない立場からすると、仕事を教えるのにはせいぜい半年程度あれば充分だろうと思ってしまいますよね。

しかし、これが意外と時間がかかり、ほとんどの場合3年程度はかかりますので、結構な時間が必要になることが分かるでしょう。
すると、後継者について真剣に考えた場合、この時間配分も考えて人材を探さなければ、引継ぎ自体が間に合わなくなってしまうことが予想されますよね。
つまり、会社の継続は時間との勝負なのです。

少子化が進んでいるからこそ考えなければならないこと

次の経営者を探すには、それなりの時間がかかることが分かりましたよね。
いつまでも「良い人がいない」と、口にしているだけでは、どんどん経営者自身も年齢を重ねてしまいますし、時間が過ぎていくだけでしょう。
高齢になればなるほど、仕事を教える時間も限られてきてしまいます。

特に、ある中小企業でしかできない技術を持っている場合は、尚更引継ぐ必要が出てきますよね。
そのため、経営者自身も後継者を育てる時間を認識して、早い段階から行動するという必要があるでしょう。
実際に早い行動をした人たちは、継続に成功しています。
また、場合によってはM&Aを行う方法もありますので、継続のための選択肢は1つではありません。

これからの時代は、少子化の影響で若い世代が少なくなりますし、経営者自身もどんどん高齢になっていきます。
つまり、後継者候補も他の会社との取り合いになり、どんどん少なくなってしまうでしょう。
高齢になると、会社の経営だけでなく、自身の健康上の不安と隣り合わせになってしまいますから、今後のことを考えると不安になりやすいですよね。
自分の代で辞めようと思ってしまう前に、今できることはやっておきましょう。

日本の現在の産業は、大企業の成果だけで成り立っているわけではありません。
産業は、中小企業の技術や努力によって支えられている歴史がありますから、決して馬鹿にはできないのです。
現在の経営で大変だと思っている人も多いと思いますが、今一度将来のことを考えてみて下さい。

参考URLアクサ生命
(https://www.axa.co.jp/100-year-life/business/20181212/)

まとめ

今回の記事では、中小企業を取り巻く問題について考えてみました。
中小企業にとって後継者はとても重要な存在ですが、その人材探しに苦労しているところが多いというのが現状です。
特に、これから少子化が進むと、他の企業との人材の取り合いが過熱することも予想できますよね。
育成には時間がかかりますから、早い段階で行動することがカギになるでしょう。