ピラミッド組織から自律分散型組織

その他

従来の組織は、トップがいて段階別に人がいる、ピラミッド組織と呼ばれる仕組みです。
しかし、現在は従来の組織形態ではなく、自律分散型組織が求められています。
自律分散型組織というのは、どのような組織なのでしょうか?
自律分散型組織について、解説します。

自立分散型組織とは?

通常、組織にはトップがいます。
会社なら社長がいて、社長の下には専務や常務などの役員、さらに部長、課長などの役職を持つ人がいて、次いで一般社員がいるでしょう。

トップがいて、下に働く人がいる構造の組織を、ピラミッド組織といいます。
会社に限らず、組織といえる人の集まりではほとんどの場合、トップがいるでしょう。
今までの一般的な組織形態であり、当たり前と思っている人も多いでしょう。

しかし、現在は組織形態の変革が求められています。
従来のピラミッド型から、自律分散型組織へと変わる必要があるのです。
自律分散組織は英語で言うと『Decentralized Autonomous Organization』といい、頭文字を取ってDAOとも呼ばれます。

しかし、自律分散型組織とは何か、知らない人も多いでしょう。
簡単に言えば、従業員が各自の意思決定で活動することで運営する組織のことをいいます。

ピラミッド組織では、組織全体の意思決定をするのはトップです。
トップの意思に従って、段階的に下へと意思を伝えていくようになっていて、上意下達という言葉もあるようにトップの意思を円滑に下へと伝えることが重要です。

一方、自律分散型組織の場合は、まずトップの意思をうかがうことはありません。
何らかの命令を受けて、行動をするわけではないのです。
自分の意思で、自分の行動を決定します。

なぜ、自律分散型組織が求められるのかというと、現在のVUCA時代に即したあり方と考えられるからです。
VUCAは変動制や不確実性、複雑性、曖昧性をまとめたもので、変化が目まぐるしく予測困難であることをいいます。

テクノロジーの進化、少子高齢化、グローバル化、そして新型ウイルスの感染拡大等の影響で、社会の在り方は大きく変化してきました。
不確実性が高い現代においては迅速な意思決定と、変化が起こった時にも対応できる柔軟性が求められます。

従来のピラミッド組織とは違い、自律分散型組織ではメンバーがそれぞれ権限を持っているため、ここに組織として最適で効率的な行動をスピーディーにできるようになるため、企業価値の創出を続けることができて変化に強い組織と考えられているのです。

自律分散型組織の種類

自律分散型組織には、いくつかの種類があります。
代表的な種類として、ティール組織、アジャイル組織、ホラクラシー組織の3つがあるので、それぞれどのような組織なのか解説します。

ティール組織は、リーダーやメンバー、上司や部下といった区別を設けない組織で、メンバーは各々で組織の目的を達成するために何をすればいいのかを自分で考えて行動するという、組織進化における最終形態とされています。

ティール組織を運営するには、メンバーが各自で自主性を持ち、経営に参画しているということをしっかりと自覚したうえで、他のメンバーの考えも尊重することが大切です。
また、組織の目的についても齟齬なく把握しておかなくてはいけません。

アジャイル組織は、アジャイル開発を実行して改善を繰り返す組織形態です。
アジャイル開発というのは、システム開発で用いられている手法の一種で、開発とテストを小規模単位で繰り返していくことです。

各自で意思決定権を持つ小規模チームの集合体で機動性を重視ながら開発、テスト、軌道修正というプロセスを繰り返していきます。
チーム同士は対等で、上下関係もありません。
問題の改善などもチーム単位で行うので、経営も柔軟性があります。

ホラクラシー組織は、ティール組織の一種です。
同様にリーダーやメンバーといった区別はなく、役割を定めて関連付けられたグループが意思決定権を持って自律的に行動するという組織形態です。

グループはサークルといい、サークルについて結成や解散のルールを定めているのがホラクラシー文書で、サークルは文書に従って活動します。
組織にヒエラルキー構造はないものの、サークルにはまとめ役が設けられます。

自律分散型組織のメリットとデメリット

自律分散型組織に変革することで、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
主なメリットとデメリットについて、解説します。

まず、変化への対応がしやすくなるというメリットがあります。
意思決定権が個人やチームにあるため、現場の声を組織運営に組み込みやすいのです。
また、ヒエラルキーによって圧力を受けることもないため、個々の能力を効率よく発揮できます。

各メンバーに権限が与えられるため、企業の経営に参加しているという意識を強く持つことができ、組織に必要とされている人材という自己有用感にもつながるため、仕事に対してのモチベーションが向上するというメリットもあります。

業務効率化につながるというのも、メリットです。
従来の組織であれば、経営陣から与えられた会社の方針を管理職らが業務に落とし込み、社員に対して指示するという方法だったのですが、方針決定から業務に取り掛かるまで時間がかかるのが欠点でした。

自律分散型組織の場合は、メンバーがダイレクトに業務や経営方針に対して意見を出して反映されるので、業務改善は誰でも進められるのです。
タイムロスがなくなり、業務が効率化されるのです。

ただし、自律分散型組織では管理者がいないため、各自が自分の行動を律する必要があるのがデメリットといえるでしょう。
自己管理能力が不足していると、業務が滞ってしまうかもしれません。

それぞれが権限を持っていて自分の判断で動くことができるため、他のメンバーと情報を共有しないことも多くなります。
特に、取引先とのトラブルは自分だけで対応するのではなく、他のメンバーにも相談するべきでしょう。

まとめ

従来の組織構造はピラミッド組織と言われますが、社会の大きな変化を過ぎた今は組織の形態も変化を求められていて、自律分散型組織へと変化することが望ましいとされています。
自律分散型組織は上意下達のこれまでの組織とは違い、メンバーそれぞれが考え、判断して行動できるという仕組みになっています。
ただし、自分の判断で動くことができる代わりに、自分を律する必要もあります。