デジタルデバイドの問題点とリスク

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多様な働き方の実現や業務効率を高めるために、IT化やDXに取り組む企業は増えています。
デジタル化は社会的にも推進されていて、企業にも推奨されています。
しかし、デジタル化を推進する上では、デジタルデバイドを無視するわけにはいきません。
デジタルデバイドとは何か、原因やリスクなどを解説します。

デジタルデバイドが問題となるのはなぜ?

デジタルデバイドは、 ITの恩恵を受けることができる人とできない人の間に生じる経済格差のことです。
特に、インターネットを使える人と使えない人では得られる情報も大きく異なるのです。

情報を得られない人を、情報弱者、ネット上では情弱と呼ばれることもあります。
情報を得られるかどうかで、かなりの違いがあるのです。
得られる情報量の違いによっても、デジタルデバイドは生じます。

インターネットでは、非常に多くの情報が発信されています。
情報機器を十分に扱うと、必要な情報を得ることができるのですが、きちんと扱えないと情報を見つけることができないでしょう。

インターネットやPCに慣れていると、仕事を効率化できるツールも使用できるでしょう。
しかし、慣れていない人はツールの使い方もわからないことが多いため、かえって効率が悪くなることもあるのです。

インターネットに不慣れだと、インターネットが使える環境にいたとしてもミスやトラブルを起こすことが多いでしょう。
詐欺メールやウイルスなどに引っかかるのは、不慣れな人がほとんどです。

問題点が発生するのはなぜ?

デジタルデバイドの問題点やリスクが発生する原因は、様々です。
なぜ、問題点やリスクが発生するのでしょうか?
主な原因について、解説します。

まず、世代間格差があります。
小学校では2020年度からプログラミング教育が必修となっていて、現代の子どもは義務教育でデジタル機器について学ぶのです。

また、平成生まれ、特に平成10年以降に生まれた人は、生まれた時から周囲にはデジタル機器が色々とあったので、情報通信機器もあっという間に使いこなすことができます。
しかし、パソコンすら若いころはなかった世代では、成長してから覚えなくてはならないのです。

デジタル機器への馴染みや触れる機会、情報通信の習熟度は世代によって大きく異なります。
世代間格差が、デジタルデバイドの原因の1つです。

地域によっても、デジタルデバイドが生じます。
インターネットを使用するには、インフラの整備が必要です。
人口が少ない地域はインフラの整備がされにくいのですが、人口が多ければきちんと整備されるのです。

光回線やの対応エリアも、最初は都市部から始まります。
徐々に広がっていき、最後に人口が少ないエリアが対応するのです。
都市部なら利用者も多いため、採算がとれるというのが理由です。

インフラが整っていないエリアに住む人は、まずインターネットに触れる機会がありません。
周囲にも利用している人がいなければ、分からないものとして苦手意識が募っていくでしょう。

インターネット環境は、都市部と地方で大きく異なります。
環境の違いが、都市部に住んでいる人と地方に住んでいる人のデジタルデバイドを生み出しているのです。

情報通信機器を利用していても、十分に活用していないことでデジタルデバイドが生まれることもあります。
普段はスマートフォンしか使っていない人は、パソコンを操作するための技術が身につかないでしょう。

また、インターネットを利用している人でも、自分が信じている情報、気に入る情報、共感する情報だけを集めることがあります。
偏った情報を集めている場合も、デジタルデバイドが生じる可能性は高くなります。

自分に都合がいい情報は、公的なサイトではなく第三者が発信していることが多く、似たような情報ばかりを信じてしまう人もいます。
正しい情報を得ることができない人も、情報弱者です。

プログラマーやエンジニアはもちろん、事務職や経理の人もパソコンをよく利用します。
普段から業務でパソコンを使っている人は、自然とITスキルを身に着けることができます。

パソコンをあまり使わない仕事をしている場合は、スキルを身に着けるのは難しいでしょう。
多くの業務にデジタル機器を使用するため、デジタルデバイドについての問題点は大きなものとなるのです。

デジタルデバイドで生じるリスク

デジタルデバイドが原因となってトラブルが起こる場合は、どのようなリスクがあるのでしょうか?
企業内のデジタルデバイドで起こりうるリスクを解説します。

まず、情報リテラシーが低いせいで、情報セキュリティ対策なかなかできないこともあります。
例えば、ITに詳しい人であれば、パスワードを逐一変えるなどの対策をするでしょう。

デジタル機器に不慣れな場合は、初歩的なセキュリティ対策も不十分になることがあります。
例えば、社内システムのパスワードを個人的なものにしてしまったということもあり得ます。

デジタルデバイドは、単に使用するスキルの違いで生じるわけではありません。
ITリテラシーの格差によって、デジタルデバイドが生じます。
影響する範囲を確認して、注意してください。

また、インターネット上のトラブルに巻き込まれることも増えます。
スマホやタブレットの扱いに不慣れだと、トラブルの対処方法もわからないのです。
また、だまされた場合もなかなか気づかないかもしれません。

業務が、ITスキルが高い特定の人にばかり集中することもあります。
チェックができない環境では、ヒューマンエラーも起こりやすいでしょう。
また、一人しかいないと不正を犯すかもしれません。

他にも、業務の効率化が難しくなる、ITに詳しい人材が流出しやすくなり、新たに獲得するのも難しくなる、新しい情報を手に入れるのが難しくなるなどのリスクがあります。
リスクを避けるためにも、デジタルデバイドを減らすための対策をしましょう。

まとめ

社会全体がデジタル化しつつある現代、ITに触れられる人と触れられない人の間にはデジタルデバイドが生じてしまいます。
デジタルデバイドが生じると、情報セキュリティ対策が難しくなるかもしれません。
また、インターネット上のトラブルにも巻き込まれやすくなるでしょう。
スキルを持つ人にだけ、業務が集中することもあります。
リスクを避けるために、デジタルデバイドは解消するようにしてください。