変化に強く組織に必要なレジリエンスとは?

経営戦略

スイスで開催されたダボス会議という世界経済フォーラムでは、研究成果のキーワードである「レジリエンス」という言葉が発表され、近年注目が集まっています。
今や、多方面から使われるようになったこの言葉は、具体的にどういったものでしょうか?
真相を探っていきましょう。

どのような意味なのか?

レジリエンスは、最近多くの分野で使われている言葉です。
しかし、そもそもどういう意味なのでしょうか?
まず、本来の意味や使われ方について考えてみましょう。

本来の意味としては、弾力や跳ね返り、回復力などの意味で使われていた言葉なのですが、フォーラムでの発表以降は多くの環境に対して適応が可能となる、生き抜くための力、という意味で使われることが多くなりました。

現在の使われ方としては、変化が生じた際にもそこから受けるダメージを低減し、逆境を吸収して最終的には成長につなげる力、という意味でも使われます。
文脈によっても多少意味は変わりますが、シンプルに言えばマイナスをプラスに変える力、というのが近いかもしれません。

現在、仕事をする上で強いストレスを受けていると感じているビジネスパーソンは増加傾向にあるため、ストレスを与える環境に適応して回復するためにはこの力が重要になるといわれています。

変化に強い組織を作り上げるためにも必要とされるのですが、具体的にはどういった場合にこうした力が必要となるのでしょうか?

組織で必要とされる理由

企業を始め、様々な組織では、突発的な混乱やビジネス環境の変化などが生じた際に、その状況に適応するためにレジリエンスが求められることとなります。
このような力を持っている組織であれば、企業が持続して発展を続けることができます。
組織としてこうした力を持つには、従業員が働きやすい環境を作ることや、健康であることが必要となるでしょう。

このような力は、多くの場合大きな事件や災害が生じた後に必要とされるようになります。
日本では、阪神淡路大震災や東日本大震災の後にその需要が増え、欧米ではアメリカの同時多発テロやリーマンショックなどが起こった後に、必要とされることが増えています。

組織としてこの力を高めるには、まず従業員に対してこうした力を持つことができるような研修プログラムを行っていくべきでしょう。
このプログラムは、たとえストレスが増大した場合でもそれに耐えられるような精神を作るためのトレーニングを実施するもので、働いていてストレスを感じにくい環境と健康を重視したものです。

それにより、従業員が心身ともに健康となるように助力して、その精神を逆境でも耐えられるように育成することが可能となります。
それは、結果として組織が持っている逆境に抵抗して成長する力を高めて、何らかの変化や困難が生じた際には柔軟な対応が可能となるような、しなやかな強さを持った組織として成長させることができるでしょう。

日本では、少子高齢化が社会問題となっているように、労働が可能となる世代の人口が特に減少しています。
その中で、逆境にも負けず成長できるような強化することは、強い組織を作るために必須となるでしょう。
現在は徐々に広まりつつありますが、今後はさらに多くの企業で取り入れられていくでしょう。

まとめ

たとえ不利な状況になったとしても、その状況に負けず成長することができるレジリエンスは、現在多くの組織で必要とされています。
組織としてその力を高めるには、まずその組織を構成している個人の力を高める必要があります。
今後、労働力不足に悩む企業が増えると思われる中、強い組織を作りたいと思っているのであれば、逆境でも成長できる力を持ちましょう。