ヒューマンエラーの発生要因

どのような事業であっても、必ずといっても起こりうるのがヒューマンエラーです。
ほんの些細なことから、取り返しのつかない事故へとつながってしまう可能性があるのですが、その発生を防ぐことはできないのでしょうか?
ヒューマンエラーを防ぐために、その発生要因について考えてみましょう。

発生要因

ヒューマンエラーの発生要因は、12のパターンがあると考えられています。
そのパターンにはどういうものがあるのか、順に解説していきます。

まず発生要因となるのが、危険に対しての軽視や慣れです。
これは、新人が作業などに慣れてきたころに起こしやすいものですが、ベテランであっても同じような行動をする場合もあるので、決して安心できるものではありません。
生産性の向上や、工期の短縮などを目的として行うこともあります。

正規の手順とは異なる手順で、作業を行う近道行動、あるいは省略行動というものもあります。
このケースは、時間の短縮を重視するせいで労働災害へとつながってしまうことも考えられるでしょう。

一点に注意を向けてしまい、他のことが頭から抜けてしまって本能的に行動してしまうことで起こるヒューマンエラーは、場面公道本能といわれます。
高所作業中に、このエラーによって落下してしまう事故なども起こっているため、軽く見ることはできません。

単に、疲労がたまるだけでもヒューマンエラーの発生要因となります。
疲労は集中力を妨げ、思考能力を低下させることにもつながります。
長時間の労働以外にも、炎天下の下での労働などでは要注意となるでしょう。

不注意というのは、ヒューマンエラーの代名詞とも言える発生要因です。
単に注意力が散漫となっているせいで生じることもありますが、反対に一つの作業に集中しすぎたせいで、他のことに注意が向かなくなる場合もあります。

労働災害の原因の中でも、多くを占めているのが高齢者です。
高齢者の心身機能低下を発生要因として、ヒューマンエラーが起こることも少なくありません。
特に、低下していることを自覚していない場合には起こりやすくなるでしょう。

想定外の事態が起こったことで、正常な判断ができなくなるパニックも、発生要因の一つです。
操作ミスなどが生じやすくなるので、時には大きな事故が起こってしまう場合もあるでしょう。

単調な作業を繰り返すことで、周囲を意識しなくなり注意力が散漫となってしまう、単調作業による意識低下という発生要因もあります。
同じ作業を繰り返すだけの間は良いかもしれませんが、イレギュラーが生じた時の判断ができなくなる可能性は高いでしょう。

新人に起こりやすいのが、無知・不慣れ・経験不足から生じるエラーです。
本人の責任よりも、指導を不十分のままにしている職場環境に問題があることも多いでしょう。

錯覚からヒューマンエラーが発生することもあります。
足場があると思って落ちてしまうなど、聞き間違いや見間違い、思い込みなどで大きな事故となることもあるので、気を付けなければいけません。
錯覚の原因が個人ではなく、複数人にある場合などは連絡不足という別の要因として考えられます。

現場の雰囲気によって発生するのが、集団欠陥です。
これは、本来であれば安全を第一に考えなくてはいけないのに、工期を第一に考えるようになってしまったことで、不安全行動が増えてしまうようなことをいいます。

エラーを防ぐために

では、ヒューマンエラーを防ぐためには、どうしたらいいのでしょうか?
発生要因には様々なモノがありますが、それを防ぐ方法はおおよそ共通しています。
それは、相互の確認と、組織的な改革です。

個人を発生要因とする場合は、お互いにその注意をしていくことでヒューマンエラーの発生を防ぐことができるでしょう。
しかし、職場や組織に起因する場合は、組織的に改革していかなければ防ぐことが難しいこともあります。

職場全体で取り組むことで、ヒューマンエラーを減らすように努めましょう。

まとめ

このように、ヒューマンエラーの発生要因は、12パターンに分けることができます。
これらの発生要因には、個人に起因するものと組織に起因するものがあるので、その防止策も個人で取り組むべきものと、組織的に取り組むべきものがあります。
ヒューマンエラーを防ぐためにも、職場全体でその対策へと取り組んでいきましょう。

 

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