社員の労働意識を変えれば会社の業績は間違いなく伸びる

会社の業績を伸ばすための方法はたくさんあります。
しかし、多くの方法が一過性のものが多く継続性がありません。
そこで今回は、社員の労働意識が変わる事による業績への影響について解説させていただきます。

生産性アップが最大の利益アップ手法

現在あなたの企業ではどのようなマーケティングを行なっているでしょうか?
チラシやネット広告に数百万円使っている企業もあれば、営業一人一人に厳しいノルマを与えている企業もあるでしょう。
もちろんそれらの方法は間違っていないとおもいます。
では、最も利益貢献の大きい手法とは何でしょうか?
広告費をさらに投入して顧客を倍増させる事でしょうか?それとも営業マンの営業先数をさらに増やす事でしょうか?
違います。
最も利益貢献する手法とは社員一人ひとりの生産性をアップさせることです。
生産性とは一人の社員が生み出す利益額だと考えてください。
いくら広告費を増やして集客したとしても、社員の処理能力が低ければ機会損失だらけになってしまい、結果的にその広告は費用対効果が合わないという結論になってしまうでしょう。
営業マンがどれだけたくさんいても、10人中1人だけテストで言えば100点以上を叩き出すすごい営業マンがいるのと、10人ともに80点以上は達成してくれる営業マンがいる企業では、後者の方が安定していると言えます。
つまり、大事なのは従業員一人一人が高いレベルで仕事を行なっているかということです。
そしてこの状況がベースにあった上で、最初に挙げたような販促費アップや営業先の増加などを決定するべきなのです。
しかし、実際フタを開けてみると、ベースとなる従業員の生産性を無視したマーケティングを行なっている企業が非常に多いようです。

従業員の生産性の上げ方とは?

では、どのように生産性を上げていけばいいでしょうか?
勘の良い方であればすでにお気づきだと思いますが、生産性を上げるとは従業員の平均点をあげる感覚に近いです。
つまり、あの人しかできないというような属人性をできるだけ排除し、仕組み化することが生産性アップにつながります。
そのためには、できるだけ仕事を分業制にすることや、マニュアルの整備、教育の仕組み化などやらなければならないことがたくさんあります。
しかし、逆に言えばやらなければいつまでたっても生産性があがらず、せっかく行うマーケティングも本来の力を発揮しないまま終わる、というもったいない事になってしまいます。
やるべきことが多すぎて何から取り組んでいいかわからないという方もいるかと思います。
そのような場合は、まずは業務の棚卸から始めるようにしてください。
棚卸をすることで、今ある業務を一度客観的に見て、そもそも不必要な部分は排除し、残った部分から分業化できるポイントを探るイメージです。
この分業するポイントが決まれば、自ずと教育の仕組みもある程度流れが完成します。まずどのポジションからスタートするのがもっとも早く利益貢献するか、という視点で考えましょう。
また、分業化して終わりではありません。これでやっとスタートラインだと思ってください。
そこからは各セクションごとに目標を設定しなければなりません。
KPIと呼ばれる事も多いですが、要するにコールセンターだったら受電数や案件化率の目標を、営業部隊だったら受注率や受注額の目標を設定しましょう。
目標が決まれば、それに向けた行動計画をたてて早速実行します。そして、定期的に目標数字と実数値を見比べて、改善があればすぐに行うことが重要です。これがPDCAと呼ばれるサイクルです。
また、目標達成の行動計画もできるだけ一つ一つの行動に数値目標を設定することでよりPDCAサイクルは回しやすくなるでしょう。

社員の意識が結果を大きく変える

さて、これまで生産性アップ手法について解説させていただきました。
ぜひ実行していただきたいですが、実はこれだけではまだ不十分です。
おそらくこの記事をお読みの方にも、目標を立てたは良いけど日々の忙しさで改善作業が後回しになる、そして知らないうちに忘れ去られてしまう、というような経験がある方もいるのではないでしょうか?
おそらくこれまで解説させて頂いた事も、このままではそれと同じ状況になってしまうと思います。
重要なことは、単なる手法で終わらせるのではなく、そこに納得感や感情を纏わせることです。
つまり、社員の意識をどれだけそこに向けられるかということです。それができなければ、どれだけ綿密に目標を立てたとしても、机上の空論になってしまいます。
そうならないためにも活躍するのが社長です。
目標設定するなどは言ってしまえば、社長じゃなくともできる仕事です。
しかし、なぜその目標するのか、もっと言えば、なぜその方向に会社を進めるのかなどを心の底から語れるのは経営者ただ一人なのです。

経営資源は「ヒト・モノ・カネ」と言われています。
中でも「ヒト」が一番最初にきているように、まずは人、つまり社員の意識を変えることができれば、生産性が飛躍的に向上し会社の業績は必ず伸びるでしょう。