ドムドムバーガーの独自戦略について

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日本最古のハンバーガーショップチェーンのドムドムバーガーは店舗数を大きく減らしてピンチを迎えていたのですが、現在は大きく回復しているのです。
再生できたのは新たに取締役社長となった藤﨑氏の導きによるものですが、具体的にどのような戦略があったのでしょうか?
独自戦略の詳しい内容について、解説します。

ドムドムバーガーが事業を再生した戦略とは?

ドムドムバーガーは、1970年創業の日本初のハンバーガーチェーンで、かつては最大で400店舗まで店舗数を増やしていたのです。
しかし、昔はよく見かけたけど最近は見かけなくなったと感じる人が多いように、一時は27店舗まで減少してしまいました。

親会社であったダイエーの不振にも振り回され、赤字が常態化していたドムドムバーガーですが、最近では独自路線が人気となってV字回復を遂げているのです。
赤字続きだったドムドムバーガーが復活した背景には、39歳まで政治家の妻として専業主婦だった藤﨑社長の手腕があったといわれています。

藤﨑氏は墨田区議会議員だった夫を専業主婦として支えていたのですが、夫が都議会選挙に落選して心筋梗塞で倒れたことで、渋谷109内のアパレルショップで働いたのです。
39歳で初の就職となったのですが、アパレルショップの店長を務めると年商9000万円ほどのお店を約4年で年商2億円まで急成長させるという才覚を見せました。

2009年には夫が脳卒中で倒れてしまい左半身が麻痺してしまったのですが、同年にアパレルショップが経営方針を変えたことで退職することになったのです。
翌年には小料理店でアルバイトをはじめ、さらに翌年には居酒屋を開業させて繁盛店とし、2号店も出店して小玉産業株式会社と合併し、代表取締役となりました。

2015年に夫が他界してしまい、2017年には事業再生を営むレンブラント・インベストメントに入社してドムドムフードサービスに出向し、ヒット商品を生み出したのです。
2018年にはドムドムフードサービスの代表取締役となり、短期間で業績を回復させて2021年には黒字へと転換することに成功しました。

事業再生のために行われた戦略の一つが、株式取得を通じたMBO、マネジメント・バイアウトです。
MBOは、経営陣が自社株を買い取ることで事業方針を自由に決定できるようにするというもので、成功させるために異業種の複数企業と協力関係を築きました。

MBOに伴う各社との協力関係によって、事業における範囲を拡大していき歴史あるブランドとしての価値を向上させていくことを目指しているのです。
マネジメント・バイアウト(MBO)についてより詳しく解説すると、経営陣が投資家や専門家と協力して自社株を買い集め、保有割合を増やすことで経営権を確保します。

MBOの利点となるのは、株主の株式保有割合を減らすことで経営に関して自社の持つ権利を増やし、スムーズに事業再生へと取り組むことができるようにするということです。
ドムドムバーガーはMBOを用いることで、事業を進めるうえでの新たなパートナーシップの確保と経営体制の刷新に成功しました。

事業再生を成功させるために必要となるのが適したパートナーシップの確保ですが、ドムドムバーガーは複数の異業種企業との協業に成功したのです。
協業によって、既存の事業に新しい価値を加えながらブランドの新たな可能性を探ることができるようになりました。

ドムドムバーガーは、歴史に根差したブランドとしてのアイデンティティをそのままに、事業再生によって市場や顧客層をさらに広げていくことを目指しているのです。
長年愛されてきたブランドを再生して新しい価値を生み出していくという戦略については、同じ経営者であれば学びとなる点も多いと思います。

結果として、ドムドムバーガーは他のハンバーガーチェーンとは異なる独自路線を歩むことで、経営危機を乗り越えることができたのです。
美味しさはもちろんですが、他にはない形状のハンバーガーなどがSNS映えするため広まり、多くのファンを生み出しました。

また、自社マスコットのアイテムが若者を中心として人気となったことも、業績回復の一助となっているのです。

ドムドムバーガーから学ぶ事業再生のポイント

ドムドムバーガーの事例は、事業再生が必要となる多くの企業にとって学ぶべき点が多いのですが、そもそも事業再生とは何でしょうか?

事業再生というのは、現状では経営を続けていくことが難しい企業が何らかの方法で経営を立て直すことを目指すプロセスをいいます。
事業再生のためには今まで通りの経営を続けていくことはできないため、様々な点の見直しを行う必要があるでしょう。

事業再生を成功させるためには、自社だけで取り組むのではなく様々なリソースや知見、協力してもらう企業との連携との連携などが必要となります。
他の企業と協力をするうえで効果を十分に発揮することは、事業の再生をスムーズに効率よく進めていくために重要なポイントです。

特に有名で歴史あるブランドであれば、再生するうえで過去の成功を捨てることなく、しかし今の市場に合わせてアプローチを変えていくことが必要となります。
ドムドムバーガーはまさに歴史あるブランドですが、現在の市場に合わせて変化させることで成功させることができたのです。

事業再生においては、経営者の果敢な決断と強いリーダーシップが特に重要なポイントとなります。
ドムドムバーガーの事例からも、経営者の意思決定が事業再生の方向性を左右することが分かるでしょう。

事業再生は一朝一夕に達成されるものではないため、長期的な視点を持ちながら一歩ずつ確実な改善を行う必要があります。
ドムドムバーガーは、様々な分野の企業と協力しながら新たな可能性を探り、ブランドを一新するのではなく価値を向上させることで着実に業績を向上させたのです。

ドムドムバーガーが示した再生の取り組みは、他の経営者にとっても大いに参考となる内容だと思います。

まとめ

ドムドムバーガーは業績が低迷していたのですが、藤﨑氏が社長に就任したときから業績を回復させてきて、赤字が続いていたのを2021年で食い止め黒字転換に成功しました。
重要な戦略となったのがマネジメント・バイアウトで、株式の多くを自社で保有することで経営の自由度を増し、独自の路線を追求して他との差別化ができたのです。
事業再生には信頼できるパートナー企業を選ぶことが重要となるため、慎重に選ぶ必要があります。