現在の外国人帰化要件の問題点

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近年、日本で暮らす外国人は増えつつありますが、長く日本に住んでいる方であれば日本に帰化しようかと考えることもあるでしょう。
しかし、現在外国人が帰化するにはいくつかの要件が定められているのですが、要件には問題点があるのです。
どのような問題点があるのか、解説します。

外国人が帰化する要件とは?

海外から来て日本に住んでいる外国人の方の中には、日本国籍を取得して帰化しようと考える人もいるでしょう。
しかし、日本国籍は誰でも取得できるというわけではなく、定められている帰化するための要件を満たしている必要があります。

まずは住居要件があり、日本に続けて5年以上住んでいる人でなければ帰化することができないのです。
また、18歳以上で母国の法律上成人していることも必要で、前科がなく素行が善良であることも要件に含まれます。

日本できちんと生活することが可能な資金を持っていて、日本国籍を取得した場合は重国籍防止のため母国の国籍は喪失することも了承していなくてはならないのです。
日本で問題なく生活できるくらいの日本語能力を持っている必要もあり、政府を破壊するような団体に加入していないことも要件となっています。

年収については生活資金に関連しているものとして考えられ、年収があまりにも少なければ日本で生活するのが難しいと法務局で判断されることがあるでしょう。
担当者が無理だと判断した場合は、書類をそれて帰化申請を出したとしても受理してもらうことすらできません。

明確な収入の基準があるわけではないのですが、目安としては単身であれば月手取りで18万円以上、年収では250万円から300万円ほどとなるでしょう。
生活資金に関しては、自分だけではなく家族や親族の収入や資産も含めて日本で問題なく暮らしていくことができるか、という点で判断されます。

申請した人の年収が低かったとしても、日本で生活できると判断されて帰化申請が認められるケースもあるのです。
生活資金の要件に関しては申請人の収支だけではなく様々な要素から総合的に判断されるため、自分が認められるかどうかは専門家に相談してみてください。

また、今までは素行要件に年金の支払い状況も審査対象となっていたのですが、近年では健康保険料の支払い状況も対象に含まれるようになっているのです。
会社員で社会保険に加入していれば、給与から天引きされているため保険料の滞納や未払いの心配はないかもしれません。

しかし、働いていない期間がある方や会社員ではない方には国民健康保険の加入が義務付けられているため、自分で支払う必要があるのです。
もし未納の期間があった場合は、過去の未納分を支払って解消したうえで帰化申請をすれば問題ありません。

素行要件には交通違反の回数や内容なども含まれるのですが、今までの基準では直近5年間で軽微な交通違反が5回以上あれば素行不良とみなされる可能性があったのです。
しかし、2023年以降は厳しくなっており、直近2年間で違反が3回以上あれば認められない可能性が高くなっています。

交通違反があった場合は、無事故無違反を3年以上継続してから帰化申請を行えば、審査を通過できる可能性が高くなるでしょう。

現在は、ビザ(在留資格)の在留期間が1年以下になってしまうと、帰化申請をしても受け付けてもらえなくなっています。
たとえ過去のビザの在留期間が3年以上だったとしても、現在のビザが判断基準となるので注意してください。

帰化要件の問題点とは?

現在、帰化要件において問題となっているのが審査の厳格化で、帰化申請が不許可になるケースが急増しているのです。
原因となっているのが永住許可と帰化との違いで、国籍を変えず単に日本で生活することを認める永住許可よりも、帰化の方が在留期間は短くなっています。

一般的な永住許可の場合、原則として日本の在留期間は10年以上となっているのに対して、国籍まで取得する帰化は5年以上となっているのです。
帰化のハードルの方が低くなっているのはおかしいという意見が出たものの、法律で定められている以上簡単には変更できません。

変更できないのであれば審査の面で厳しくしようという考えになった結果、不許可となるケースが増えているのです。

そもそも審査はどのように行われるかというと、必要書類を提出した後は面接官と面接を行い、仕事や素行要件、家族に関して質問されます。
仕事については現職と前職だけではなく、来日後の職歴についてすべて細かく聞かれるようになっているのです。

また、職場でのトラブルなども含めてチェックされ、内容が正しいか職場に連絡して確認することもあります。
似たようなことを何度も聞かれることも多いのですが、噓をつかずに態度よく、礼儀正しく答えることが求められるのです。

また、日本では今後マイナンバーカードと在留カードを一体化させる計画を立てています。
一体化させることで役所における事務負担を軽減することにつながるのですが、制度が変わったばかりのときは余計な時間がかかることが多いでしょう。

必要書類の変更などの情報がはっきりしていなかったり、システムに不具合が出てしまったりトラブルが発生したりすることもあります。
許可するかどうかの権限は法務大臣にあるのですが、今後はさらに厳しくなってしまうことが想定されるのです。

まだ審査に通らないだろうと後回しにしていると今後さらに難しくなってしまう可能性があるので、なるべく早めに準備を始めて申請することをおすすめします。
自分が帰化申請の要件を満たしているのか、いつから申請が可能となるのかがわからない場合は、専門家に相談してみるといいでしょう。

まとめ

外国人の方が日本への帰化を希望する場合は、まずどのような要件があるのかを確認して、自分が要件を満たしているか調べてみる必要があります。
特に居住要件となる日本に住んでいる期間や生計要件となる収入面などが問題となることが多く、素行要件なども交通違反が多い方は気にした方が良いでしょう。
今後は審査が厳格化していくといわれており、実際に不許可となるケースが増えているため、準備は早めに進めていきましょう。