多くの会社では、様々な年代の人が働いています。
定年が近い人もいれば、学校を卒業してすぐという人もいるでしょう。
生まれた年号で言えば、昭和生まれと平成生まれの人がいます。
世代が異なると、生まれてくるのがジェネレーションギャップです。
ジェネレーションギャップによって陥る経営リスクについて、解説します。
ジェネレーションギャップとは?
会社で働く人は、高卒なら18歳、大卒なら22歳から、上は60歳や65歳など定年の年齢まで様々な世代の人がいます。
元号で分けると、昭和生まれと平成生まれの人もいます。
年齢や世代が異なると、考え方にも違いが生じます。
世代が異なる人と話した時、違和感や理解できないことがあった、という人も少なくないと思います。
世代による考え方の違いを、ジェネレーションギャップといいます。
シンプルな例として、電子レンジがあります。
昭和生まれの人の中には、電子レンジで温めることを「チンする」という人も多いのですが、平成生まれの人は理解できないかもしれません。
年金についても、考え方が異なります。
老後2000万円問題が提起されたとき、50代以上の人は特にショックを受けていたのですが、若い世代はそもそも年金がもらえないかもしれないと考えていたため、気にしていない人も多かったのです。
大雑把に分けると、昭和と平成で価値観が変わっています。
そして、令和に変わった今、常識は今まで以上のスピードで変化しているのです。
変化に対応する平成生まれと、いまだに古い常識にこだわる昭和生まれに分かれています。
昭和の後の平成が30年以上続き、さらに令和となっています。
昭和生まれは、既に古い世代となっているのです。
昭和の常識は、平成生まれには通用しません。
平成生まれの若手社員から見れば、昭和の常識は非常識となるでしょう。
極端な話で言えば、昭和の会社では当たり前だったことも今ではセクハラ、パワハラ、モラハラ、アルハラ等ハラスメントとして受け取られ、時には失職や逮捕にもつながることがあるのです。
昭和の常識にとらわれ、いつまでも新しい常識を受け入れず周囲の部下などにも押し付けている上司も、まだいるでしょう。
もしかしたら、部下からは距離を取られているかもしれません。
ジェネレーションギャップによる経営リスクとは?
昭和生まれと平成生まれの間にジェネレーションギャップが生まれやすいのは確かですが、ジェネレーションギャップによって計得リスクに陥ることがあるのはなぜでしょうか?
ジェネレーションギャップによる、経営リスクについて解説します。
まず、ジェネレーションギャップによって、上司と部下との間の信頼関係がない、というケースがあります。
常識が異なる相手とは、分かりあうのが難しいでしょう。
例えば、キャリアウーマンを目指して入社した女性がいたとします。
しかし、上司は男尊女卑の考えを持っていて、女性にはコピーやお茶くみなどしかさせなかった場合、女性は上司を信頼できるわけがありません。
反対に、上司が命じたことを部下が勝手に効率化して、デジタル処理に変更してしまった場合、上司はたとえ便利になったとしても、一度判断を仰がずにデジタル処理へと変更した部下を信頼するのは難しくなるでしょう。
さらに悪化すると、部下が退社してしまう可能性も高くなります。
理不尽な命令ばかり出す上司の下では、いつまでも我慢し続けることができないかもしれません。
現在、多くの企業が人手不足に悩んでいます。
せっかく採用した新卒社員ややっと成長して一人前になってきた社員が退社してしまうのは、企業の大きな損失といえるでしょう。
また、現代はセクハラ、パワハラなど様々なハラスメントがあり、厳しい対処が求められています。
上司にハラスメントを受けた社員が訴えた場合、企業は少なくないダメージを負うこととなります。
社員が訴えるということは、会社としてハラスメントを食い止めることができなかった、ということです。
ブランドイメージも低下して、業績悪化の原因になるでしょう。
ジェネレーションギャップを解消するには?
昭和生まれと平成生まれの間に生じるジェネレーションギャップを解消するには、どのような方法があるでしょうか?
代表的な方法について、解説します。
行動心理学の用語にある、「ディスカウント」と「マイナスのストローク」について考えてみましょう。
ディスカウントは怒る、マイナスのストロークは叱るという意味になります。
叱るのも怒るのも同じことだと考えている人もいると思いますが、実際には違いがあるため、まずは違いをはっきりとさせましょう。
違いを理解することで、相互理解を得やすくなります。
ディスカウントをもう少し詳しく言うと、相手のことを下に見て、相手を認めないままに関わることを言います。
相手のことを認めずに怒るだけでは、ただのパワハラとなります。
ディスカウントでの接し方は、相手が馬鹿にされたと感じやすいのです。
馬鹿にされていると感じたら、叱られる若手社員も攻撃的になり、批判的に感じて内容を素直に受け取ることができなくなるでしょう。
一方、マイナスのストロークというのは相手を否定せず、相手のことを認めたうえで改善するよう要望を伝えることを言います。
若手社員に対して、立場や状況を把握した上で改善する方法などを提案します。
ただし、改善方法は押し付けるのではなく、相手が納得できれば従ってもらうという形になります。
もし、もっといい改善方法があるのであれば、自分で考えた方法でもいいのです。
若手社員に注意をする時、ディスカウントばかりでは相手も不快な思いをするだけで、素直に聞くことはできません。
マイナスのストロークとなるように、心がけましょう。
まとめ
昭和生まれと平成生まれでは、人生の中で培ってきた常識が異なるため、ジェネレーションギャップが生じてしまうことは珍しくありません。
令和となった現在は、常識も昭和とは大きく異なっているため、新たな常識を学んで適応しなければならないのです。
ジェネレーションギャップを解消するには、対話が最も重要です。
特に、注意をする時はマイナスのストロークとディスカウントの違いをよく考えてください。