コミュニケーション不足で陥る経営リスク

その他のリスク

ビジネスにおいて、社内コミュニケーションは非常に重要です。
コミュニケーション不足になると、業務に滞りが出ることがあるだけではなく、経営リスクに陥ることもあるのです。
コミュニケーション不足によって陥る経営リスクには、どんな対策が有効でしょうか?
経営リスクと対策について、解説します。

コミュニケーション不足で起こる経営リスクとは?

会社の在り方として理想的なのは、社員同士がチームや部署といった垣根を設けずに仲良く会話をし、時には上司も加わって和気あいあいと過ごしている職場でしょう。
社内コミュニケーションをしっかりと行っていれば、理想を実現することも難しくはありません。

しかし、中には理想とは真逆で、社員同士の会話がほとんどなく、個別に業務を行っているような会社もあります。
協力関係がないのは、社内コミュニケーションが不足しているのが原因でしょう。

コミュニケーションが不足していると、場合によっては経営リスクが生じることもあるのです。
具体的に、ビジネスで起こる問題を解説します。

まずは、お互いの会話が無いことで業務における確認作業が行われず、相談するタイミングもわからないため放置されたことで、企業の経営が危うくなるほど大きな問題に発展してしまうことがあるという点です。

コミュニケーションがきちんととれていないせいで、プロジェクトのスケジュールが遅延してしまい、目標を達成できなくなったというケースもあります。
また、クライアントと契約を結ぶ際も、認識や解釈にずれがあったことで深刻な状況となることもあります。

製造業やサービス業などでは、ビジネスの大きな課題の1つに生産性の向上があります。
生産性を向上させるために重要なのが、工程ごとの情報を全体に共有することと、お互いに連携することです。

コミュニケーション不足だと、情報交換も連携作業もできなくなるでしょう。
生産性の低下にもつながりかねないので、品質の低下などが起こるかもしれません。
場合によっては顧客を失うこともあり、深刻な経営リスクとなるかもしれません。

製造事業やOEMのような受託開発の業務であれば、委託するクライアントがいます。
クライアントとは情報を共有し、適宜進捗を確認する必要があるのですが、コミュニケーションが不足しているとクライアントの要求も把握できなくなり、納期が遅れたり清算ミスが起こったりするでしょう。

契約を守れないというのはクライアントからの信頼を低下させることになるため、委託契約を解除されたり業務提携を解消されたりする可能性があります。
クライアントの規模によっては、経営に支障が出ることもあるでしょう。

重機を用いて作業を行う建築現場などであれば、安全確認のために声掛けや段取り、安全確認などが非常に大切です。
しかし、コミュニケーションが不足していると確認もきちんとできず、事故を招く可能性が高くなるでしょう。

また、コミュニケーションが不足していると、帰属意識が薄れてしまいます。
ミスやトラブルが多い職場となるため、ストレスもたまるでしょう。
モチベーションが低下した結果、離職者が増えてしまう可能性があります。

コミュニケーション不足を改善するには?

コミュニケーション不足だと、経営リスクに陥ってしまうこともあります。
改善する取り組みが不可欠なのですが、具体的には何をすればいいのでしょうか?
解決策について、解説します。

チームや組織においてコミュニケーションを活性化させるためには、リーダーが率先して交流を図ることが大切です。
雑談で緊張をほぐしたり、社員が参加する社内イベントやアクティビティを考案したりすることで、業務以外の会話を社員同士でかわすことができる環境を整えましょう。

社内イベントは、普段は滅多に顔を合わせない相手とも交流できます。
社員同士のつながりを強化して、円滑なやり取りができるように備えておきましょう。
特別なことはなくても、食べ物を持ち寄ってパーティーを開くのもおすすめです。

コミュニケーションは、慣れてくると自然と行われるものです。
社員の多くが当たり前に感じるようになると、コミュニケーション不足によって起こるトラブルを予防できます。

オフィスに決まったデスクを置かず、社内ならどこでも仕事ができるフリーアドレスという方法を導入することも、コミュニケーションの改善につながります。
デスクが決まっていると、同じ人とばかり会話することになるのですが、フリーアドレスなら多くの人と関わることができます。

上司と部下とのコミュニケーション不足を解消するには、定期的に1対1での面談を行って、普段は話しにくいことも遠慮なく話すことができるような機会を設けましょう。
業務で気になった疑問などを聞いて、上司も部下から求められていることを把握できます。

新入社員に付けるような、メンター制度を導入しましょう。
メンター制度は、他の部署の先輩社員が新入社員を面倒見るということで、主に悩みなどを聞きます。

新入社員は不慣れな環境で働いているため、相談できる相手がいるのは嬉しいでしょう。
社内で孤立することも防ぐことができ、馴染み易くなるのです。
ちなみに、同じ部署の先輩社員を付けた場合は、ブラザー・シスター制度といいます。

オフィス環境がコミュニケーションに向いていない状態なら、改善に取り組みましょう。
カフェスペースを設けておけば、食事の時や休憩の時にでも簡単にコミュニケーションを活性化できるでしょう。

コミュニケーションをスムーズにするには、最適なツールを導入するのもおすすめです。
例えば、社内で共有したい情報をSNSで共有するという方法もあります。
チャットルームを導入することで、個人間での情報のやり取りもスピーディーになります。

まとめ

ビジネスにおいて、コミュニケーション不足になると、経営においてもリスクが生じてしまいます。
クライアントがいる仕事で締め切りを破ってしまったり、些細なミスが積み重なったりするともあります。
コミュニケーション不足の場合は、様々な方法で不足分を補うことができるので、自分に合った方法を見つけてきちんと検査を受けましょう。