日本に大きな被害をもたらした自然災害について

事故・災害リスク

日本では、多くの自然災害が発生していて、過去に大きな被害をもたらしています。
しかし、年月が経つにつれて被害の記憶も薄れ、対策もおろそかになりがちです。
過去に大きな被害をもたらした自然災害については心に留めておき、常に対策を怠らないようにするべきでしょう。
過去の自然災害について、解説します。

日本の自然災害の発生率

日本で起こる自然災害は、地震をはじめ台風や洪水、火山の噴火、土砂災害など様々なものがあります。
しかし、最も多いものや被害額が大きいものは何なのか、ご存じでしょうか?

ちなみに、地震や台風などは小さなもの、自然消滅するものなども珍しくありません。
自然災害とされるのは、EM-DAT(国際災害データベース)の基準では死者10人以上か被災者100人以上、緊急事態宣言の発令、国際救援の要請のいずれかに該当するものとされています。

1985年から2018年の間に日本で起こった自然災害で最も多いのは台風で、57.1%を占めています。
台風は、毎年夏になると必ずといっていいほど発生し、複数発生することも珍しくありません。

次いで多いのが地震で、17.9%を占めています。
地震は広い範囲で被害が出やすい災害で、過去に何度も発生している大地震が記憶に新しい人も多いでしょう。

洪水は地震よりわずかに少なく、14.7%となっています。
土砂災害は6.0%、火山は4.3%となっています。
土砂災害や火山は、めったに発生しないもののゼロではありません。

被害額でみると、割合は大きく変わります。
まず、地すべりや火山による被害額は、発生する割合が少ないこともあって他の災害と比べてほとんどないのです。

被害額のほとんどは地震で、全体の8割以上を占めています。
特に大きな地震の時は被害額が大きく、1995年に発生した阪神・淡路大震災の被害総額は9兆6千億円と推定されています。

また、東日本大震災は範囲が広かったこともあり、被害総額は約16兆9千億円とされています。
2001年から2005年の間には複数回の地震があり、約5兆円の被害がありました。

台風は14.0%で、主に家屋の損傷が生じるのですが、2000年に起こった台風では10名の死者が出ています。
また、2004年には3つの台風で、合計160名の死者・不明者が出ています。

他にも、猛暑や豪雪などの自然災害も起こっています。
また、近年では豪雨が増えているため、合わせて土砂災害や洪水なども起こりやすくなっています。

2000年以降に起こった自然災害

日本では、昔から様々な自然災害が起こっています。
2000年以降に発生した自然災害に限って紹介すると、まず2000年3月に有珠山が噴火しています。
地殻変動によって、周辺地域に相次いで被害が出たのですが、死傷者はありませんでした。

2000年6月には、三宅島も噴火しています。
噴火以降は火山性地震が相次いだため、後に全島避難となりました。
三宅島噴火も、死傷者は出ませんでした。

2000年9月には、東海地方で台風14号によって東海豪雨と言われる記録的大雨となり、愛知県・岐阜県を中心として大規模浸水が発生しています。
後に激甚災害として認定されていて、10名の死者が出ています。

2000年10月に震度6強の鳥取県西部地震、2001年3月に震度6弱の芸予地震、2003年7月に震度6強の宮城県北部地震、2003年9月に震度6弱の十勝沖地震が発生しています。
また、2004年10月には震度7の新潟県中越地震、2005年3月には震度6弱の福岡県西方沖地震が発生しました。

地震は非常に多く発生していて、2007年には3月の能登半島地震と7月の新潟県中越沖地震、2008年5月は茨城県沖地震、6月は岩手・宮城内陸地震、7月に岩手県沿岸北部地震、2009年8月に駿河湾地震が発生しています。

2004年は、8月の台風16号、9月の台風18号、10月の台風23号によって、全国に暴風・大雨・高潮の被害が発生しています。
3つの台風で、合計160名の死者・行方不明者が発生していて、2000年以降では最悪の台風被害となりました。

2004年10月には、新潟県中越地震も発生しています。
21世紀で初めて震度7を記録した地震で、マグニチュードは6.8でした。
災害関連死52名を含めた、68名の死者が出ています。

2005年から2006年にかけて、全国で豪雪が発生して死者行方不明者が150人以上発生しました。
豪雪は2014年にも発生し、通常であれば雪が降らない地域でも大雪となって事故や孤立する集落が発生しています。

そして、2011年に発生したのが、東北地方太平洋沖地震、通称東日本大震災です。
国内観測史上最大のマグニチュード9.0の巨大地震で、大津波の発生によって大きな被害が生じ、原子力発電所の事故も発生するなど、戦後最大と言われる国難に直面しました。

西日本では、2011年9月に台風12号が発生し、各地で大雨を降らせました。
特に被害が大きかったのは紀伊半島の奈良県や和歌山県で、全域で死者・不明者が92人出ています。

2013年は全国的に猛暑となっていて、高知県四万十市江川崎では当時の国内観測史上最高気温となる、41.0℃を観測しています。
また、各地で熱中症による緊急搬送が相次ぎました。

2013年には、台風26号によって伊豆半島で記録的な大雨となり、土石流が発生しています。
2016年には北海道に台風が9年ぶりに上陸し、農作物に大きな被害を与えました。

2014年には豪雨によって広島市で大規模な土砂災害が発生し、家屋が255軒全半壊し、74名の死者が出ています。
また、同年に御嶽山噴火も起こり、登山客が巻き込まれて57名の死者が出ています。

九州では、2016年4月に熊本地震と大分県中部地震が、相次いで発生しています。
2017年7月には九州北部豪雨が発生し、福岡県と大分県で集中豪雨によって死者・不明者42人が出ています。

2018年7月には西日本で豪雨が起こり、広島県や愛媛県、岡山県に甚大な被害をもたらして200人を超える死者が出ました。
2019年8月、2020年7月にも九州を中心とした豪雨が発生し、2021年8月には全国各地で記録的な大雨となりました。

2018年には、5年ぶりに40度を超える猛暑となり、熊谷市では41.1℃で最高気温記録を更新しました。
日本で起こる自然災害には様々な種類があり、ほぼ毎年発生しているのです。

まとめ

日本では、多くの自然災害が発生し、大きな被害をもたらしています。
特に多いのが地震で、はるか昔から大きな地震が何度も発生しています。
特に被害が大きかったのは、大津波も起こった東日本大震災で、原子力発電所事故も起こったため長く影響が残ることとなりました。
近年特に増えているのが大雨で、2021年には全国的に起こっています。
土砂災害を伴うこともあるため、十分に注意しましょう。