売掛金の回収トラブルにはどう対応するのか?

事故・災害リスク

企業間の取引においては、売掛金での取引というのはよくあることです。
当然ながら、売掛金は回収しなければなりませんよね。
しかし、そこで時折、売掛金の回収に関するトラブルが発生することもあるのです。
では、売掛金の回収トラブルにはどのように対応すればいいのでしょうか?

売掛金の回収はどのようにして行われるか

それではまず、一般的な売掛金の回収方法から確認してみましょう。

売掛金を回収する際に、例えばお互いに売掛金や債権などを保有している場合は、それを相殺するという方法があります。
また、売掛金に対して担保が設定されている場合は、その担保を回収する事で売掛金を回収することもできるでしょう。
そういったものが無い場合は、いくつかの手順を踏んでいく事となります。

まず、相手方に資金力があり、話し合いでの解決が望めるようであれば、まずは交渉するところから始めます。
交渉する際は、あらかじめ支払いを督促する内容証明郵便を送っておけば、債務の遅滞として遅延損害金を得ることができます。

ただし、内容証明郵便を送った場合は、支払いに応じてもらえなければその請求のための裁判を6カ月以内に起こす必要があります。
合意が成立した場合、その金額や支払いの方法などを合意書にまとめ、後日公正証書を作成して下さい。

もしも支払い能力に不安がある場合は、担保等を設定することも可能となります。
交渉の結果が芳しくない場合は、強制執行の準備を進めることになります。
その時は、まず保全手続きとして相手方の財産などが散逸する事が無いように、仮差押命令を申し立てることを検討します。

仮差押命令は一方的な審理で発令できるのですが、その代わりに担保金の供託が必要となります。
しかし、申し立てが不当でなければ問題ないので、確実に強制執行で回収できるように保全手続きを進めた方がいいでしょう。

その後、金額によって民事訴訟や少額訴訟での債務名義の取得を行います。
略式の手続きとしては、相手方の同意が無くても可能な支払督促でも可能です。
そうして債務名義を取得しても、売掛金を回収できない場合は強制執行となります。
強制執行は、預金や他社への売掛債権を対象とした再建執行が一般的ですが、場合によっては不動産を差し押さえて回収する不動産執行や、動産を差し押さえる動産執行などもあります。

売掛金の回収が間に合わない場合は?

これまで、売掛金の回収方法についてご紹介してきましたが、上記のような方法では、回収するまでに時間がかかります。
資金繰りの関係で、すぐにでも売掛金を回収しなければ支払いが間に合わないという事もあるでしょう。
そういった時に便利なのが、売掛債権を対象としたファクタリングです。

ファクタリングは、債権の権利を譲渡することで、その額面の何割かの金額で債権を現金化することができます。
数日中には現金化が可能で、中には即日で現金化が可能な業者もあるため、急に資金が必要となった時にも便利な方法です。

ファクタリングにはいくつかの種類があるのですが、2社間ファクタリングという方法であれば、取引先にファクタリングを利用したという情報を知られることなく利用できます。
債権を譲渡するのですが、その回収については自分で行い、その金額をファクタリング業者へと入金するため、わざわざ知らせる必要がないのです。

注意点としては、本来の売掛金よりも受け取れる金額が減ってしまうという事です。
その為、あくまでも早急に資金が必要な場合にのみ、選択するようにした方がいいでしょう。

ちなみに、売掛金の回収が不可能となった場合の責任については、ファクタリング業者との契約内容によってどちらが負う事となるかが異なります。
契約の際は、その点もしっかりと確認しておきましょう。

まとめ

売掛金の回収トラブルは、事業を営む上で完全に避けるのは難しいリスクです。
もしもトラブルが発生した場合は、早期に解決できるよう取るべき手段をあらかじめ把握しておくことが必要となるでしょう。
また、売掛金の回収を待つことができない場合には、ファクタリングなどを利用して早期に現金化する方法もあります。
その際は、契約内容をしっかりと確認してから契約するようにしてください。