最も企業が重視するリスクは労働・雇用問題に決定!

会社経営を行っていれば、常に様々なリスクと向かうあう必要があります。
そんな中、東京海上日動リスクコンサルティングが平成20年から実施していた調査で企業が重要視しているリスクがランキングで発表されました。
この調査は、従業員2,000人以上の上場企業などが対象でした。
気になる結果は、「労働・雇用問題」がトップでした。
そこで今回はなぜ労働・雇用問題が最もリスクだと考える企業が多いのかについて解説をさせていただきます。

労働・雇用問題をリスクと感じる企業は増加している

この調査では全21項目のリスクから最大5項目を選ぶ複数回答方式で行われ、回答した企業の61.5%が労働・雇用問題をリスクとして考えている結果になりました。
同様の調査結果が27年にも発表されましたが、その時は4位でしたので今回の調査結果を見ると、企業にとって労働・雇用問題は年々リスクになっている認識のようです。
また、業界別で見ていくと、建設業や運輸・物流業など厳しい人材不足に陥っている業界ほどリスクと感じている傾向があり、なんと回答者のうち8割がチェックをつけているほどでした。
近年では、人材不足により長時間労働をしいられ結果的に大きな問題に繋がってしまうなどのニュースも多くあります。
電通の違法残業事件がきっかけとなり、労務管理の重要性が見直されたことも大きく影響しているようです。
労働・雇用問題は、一度公になれば非常に注目される傾向になるため、どのリスクをどの企業も感じていることが調査結果からわかりました。

労働者の権利意識が高まっている

労働や雇用問題は近年頻繁に発覚するようになりました。
特に大手企業での発覚が非常に続いている印象です。
なぜ、これほどまで発覚が多くなったのでしょうか?
それは労働者の権利意識が高まったことにあるでしょう。
18年に労働審判制度が導入されたことをきっかけに、少しずつ労働者の意識が変わってきています。
以前は、極端に言えば会社と従業員の関係は縦関係のような形で、
あくまでも会社が上にあるようなイメージで認識をされておりました。
しかし、今では企業が従業員から訴えられるケースなども増加しており、
これまでの価値観とは大きく変わってきていることがわかります。
だからこそ、企業側にとってはリスクが増加しているとも言えるのです。

企業にとって労働・雇用問題の発覚は大きなダメージ

万が一労働・雇用問題が起き、それが発覚してしまった場合企業にとってどのような影響があるのでしょうか?
過去に実際あった例をみていきましょう。
27年3月にJR西日本の男性社員が長時間労働によりうつ病となり自殺するという事件が起きました。
この事件では、遺族へ約1億円の賠償金の支払いが命じられる判決が出ました。
このように労働・雇用問題はこれほど高額な損害賠償が認められるケースがあるのです。
また、お金だけで済む話でもなく、一度このように事件が公になってしまえば、ブラック企業というレッテルを貼られることになります。
このように企業のイメージが悪化すれば、あらゆる面に悪い影響が出始めます。
例えば、既存の従業員からの告発がさらに加速するケースがありますし、離職者が続く可能性も高いです。
他にも、ブラック企業で働きたいと考える人はまずいませんから、社員にしろアルバイトにしろただでさえ厳しい採用が、より難しいものとなってしまいます。
このように従業員の定着率が下がり、その一方で離職率は上がり、さらには採用ができないとなると会社の業績は確実に落ち込んでしまいます。
また、取引先からの信頼もなくなってしまうケースもあるため、最悪の場合取引中止という状況に陥ってしまう可能性すらあるのです。
そうなれば、確実に会社は潰れてしまうでしょう。
それほどまでに労働・雇用問題は企業にとって大きなリスクなのです。

保険に加入する企業が増加している

このような状況の中、経営者であれば少しでもそのリスクを軽減したいと考えるはずです。
社内の労務管理を徹底して、そのような事件が起きないように徹底することも重要ですが、いつ事件が起きるかはわかりません。
そのため万が一、起きてしまった場合の対策として保険に加入する企業が増加しています。
あいおいニッセイ同和損害保険では、企業が加入する保険に「使用者賠償特約」を付帯する割合が2年前から比べて約2倍になったと発表しています。
他にも、セクハラやパワハラ、不当解雇などで訴えられた場合に備える特約の付帯率も約2.5倍になってきているそうです。
損害保険ジャパン日本興亜などその他の大手損保でも同じ傾向にあるですから、企業全体が問題が発覚した際のリスクを少しでも軽減するために保険を活用しようと考えていることがわかります。

働き方が多様化し、労働者不足が続く限りますます労働者の権利意識は高まると予想されます。つまり、企業にとって労働・雇用問題のリスクは今後ますます拡大していく傾向にあると言えます。
もし、まだ何も対策ができていない企業があれば、社内の管理体制を今一度整えることや保険加入を検討することから始めてみるといいでしょう。

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