税務調査の対象とされやすい会社とは

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会社を経営していると、国税庁から税務調査に入られてしまう可能性があります。
しかし、税務調査はどこの企業でも入る可能性はあるものの、対象をしっかりと定めて行っているのです。
どのような会社であれば、対象になりやすいのでしょうか?
税務調査を行う基準などを、解説します。

税務調査の対象を決める方法

税務調査は、納税者が正しく申告を行って納税しているかどうかを確認するために、納税者のところを訪問して調査するというものです。
その対象となるのは主に会社で、時折個人事業主や富裕層の個人などが対象になることもあります。

しかし、税務調査は会社にとっても負担であるものの、国税庁にとっても人員やコストを咲かれ負担となるものです。
そのため、対象についてはしっかりと調べた上で決められているのです。

その対象を決める際に活用しているのがKSKシステム、正式名称でいえば国税総合管理システムです。
これは、納税者の法務局への登記情報や金融機関に関しての情報などを集めたデータベースとなっています。

このシステムの情報を分析して、何か異常があればそれをピックアップします。
そして、その情報を基に調査先の候補を決めているのです。
このシステムだけではなく、税務署の職員による調査や分析なども踏まえて、調査先は決定されます。

税務署の調査や分析を行う職員の能力は非常に高く、世間の流行や業界の景気、日々の来客数、業種ごとの標準的な売り上げの推移など多くの情報を把握して調査を行っているのです。

こういったものを踏まえて、税務申告に不適切な点が含まれている疑いのある会社をピックアップして、調査対象としているのです。
そして、その情報に加えて会社の特徴なども考慮します。

税務調査が行われやすい会社の特徴として、まず規模が大きいという点が挙げられます。
大規模な会社であれば、取引額や売り上げの額も大きくなるため納税額も多くなるので、調査対象になることが多いのです。

基準としては、まず売り上げが100億円以上あると対象になりやすいでしょう。
また、仕入れや外注などが多く、頻繁に物品やお金が動く会社も要注意です。
会社規模が急激に成長したことで、納税額が増えてしまった会社も修正やミスが増えるため、調査がよく行われます。

その反対に、経費が急激に増えたことで納税額が減った会社も調査の対象になります。
また、短期間で大幅な業績の変化があった会社は、異常値を疑われることが増えます。
申告に関しても、過去と大きく異なるためミスが増えるでしょう。

海外との取引が多い会社や、固定資産を売却して多額の損益を計上した会社なども要注意です。
これらの特徴があると、経費の水増しをしているケースも多いため警戒されるのです。

業績が大きく短期間で変動した会社も、税務調査の対象にされやすいため注意が必要です。
売上をごまかすケースなど税務申告が不適切に行われることが多いので、注目されるのです。

飲食店などがテレビで取り上げられてブームになったときや、テレビCMで目立つ会社などは、税務署員がチェックしています。
アフィリエイトや仮想通貨などを扱っている場合も、業績が変動しやすいので注意しましょう。

業界として、不正な税務申告をすることが多いところもあります。
居酒屋やバー、クラブなどのお酒を提供する飲食店や、廃棄物処理業、自動車修理業、パチンコ店、管工事業、土木建設工事業などが要注意です。

不正ではなくても、現金でのやり取りが多いため計算ミスをしやすかったり、あまり金勘定に頓着しないせいで修正が必要だったりすることもあります。
昔からのことなので、税務調査も比較的多く行われます。

また、水運業や貿易業、パチンコ店、再生資源卸売業などは、1件当たりの不正額が大きい傾向があるため、税務調査が入ることは多いでしょう。
申告内容が本当かどうか、確認される可能性が高くなっています。

これまでに、不正な申告をして重加算税を課されたことがある会社も、税務調査がよく行われます。
何年も、申告が適切かどうか確認されることになるのです。

税務調査への対策

税務調査が入ると業務の妨げになることもあるため、できるなら避けたいでしょう。
しかし、税務調査は断ることができません。
そのため、まずは調査が入る頻度を下げることを考えましょう。

税務調査が入りやすい会社の特徴を述べましたが、税務調査の頻度を下げるにはその特徴から外れるようにするべきです。
税務申告をする際は、税理士法に基づいて申告内容について必要な理由を添付することで疑われにくくなります。

そうすると、何かしら怪しいと思われてもまずは税理士に確認されます。
そこで納得されれば、税務調査を受けることはなくなるでしょう。
申告する際、業績が変動した場合はその理由を備考欄に記載しておくというのも効果的です。

その理由が納得できるものであれば、システムでも異常値と判断されることは少なくなります。
また、日々帳簿を正確につけていれば、たとえ税務調査を受けてもミスをしている部分を指摘されるだけで終わることがあります。

税務調査が入っても困らないようにするには、申告の際にミスがないように注意することが第一です。
基本的には過去の申告内容が正しいかどうかを調べるために行われるので、ミスがなければペナルティもないのです。

税務調査で失敗しないためには、経験が豊富な税理士に任せてしまうという方法もあります。
調査の際に立会をしてもらえば、心強いでしょう。

税務調査に来た税務調査官は、何気ない雑談の中から情報を得ていきます。
そのため、経験がないまま受け答えをしていると、自分に不利なことを言ってしまうこともあるのです。
税理士がいれば、そのようなこともなくなるでしょう。

まとめ

税務調査は、国税庁が怪しいと感じた会社を対象として行います。
そのため、業績や売り上げ、経費、業種などで怪しまれてしまうと、税務調査を頻繁に受けることにもなりかねません。
あまり来ないようにするには、怪しまれる点を少しでも減らすことが大切です。
また、申告にはミスがないように注意しましょう。
不安がある場合は、税理士に依頼して助けてもらうのがおすすめです。