食品メーカー:食品販売業の取引の流れから発生するリスクとは?

食品メーカーが消費者へ直接販売するという直売方式はあまり見ません。多くの場合が、卸や特約代理店、子会社などを通じて小売業者に販売しています。
流通経路が複雑なため、卸店や代理店など直接な販売店と、小売業者など最終的な販売者が異なるという特徴があります。


製品が受領されているかに注意
販売先は卸店でも物流は倉庫から二次卸店や小売業者等に直送されるというケースも多く見られます。
物流と商流が異なる場合には、製品が確実に直送先の二次卸店や小売業者等に受領されているかについて注意する必要も出てきます。
流通在庫とは
流通在庫はメーカーから出荷された製品が最終の販売者に届いておらず、流通過程に存在している製品のことです。卸店などが保有する在庫を示す場合が多いでしょう。
流通在庫はメーカーからの出荷は完了状態のため、卸店や代理店に所有権が移転しています。そのため返品や破損に対する在庫リスクをメーカー側は負担しないことが一般的です。
しかし在庫リスクの負担関係は契約などで取り決めされているケースもあり、売上高の計上や在庫評価について慎重に実施する必要性が出てきます。
リベートの発生
リベートは販売促進費、販売助成費、協賛金など、契約条件や算定根拠に基づいた様々な名目で支払われます。次のようなタイプのものがあります。
・基本リベート
契約の段階で率を決定しておき、一定期間での販売量や売上げに対して契約に応じた金額を比例的に支払います。企業によって、コンビニエンスストアリベートや量販リベートというように色々な呼び方をしているようです。
・達成リベート
事前に設定した売上目標を達成した場合にインセンティブとして支払われます。
・その他リベート
期間や商品など限定した条件の中で支払われるリベートです。
リベートについてはどのような場合に発生するのか、後で問題にならないように事前に決定しておくことが必要です。
安全な製品を消費者に届けること
もっとも大切になるのは消費者が安全に、そして安心して食品を手にすることができるように、厳密な品質管理基準を設けて製品を管理、販売することです。
食品製造業者も、製造物責任を問われる事態が発生した場合に備えて、製造物責任賠償保険などの加入の検討が必要となります。
事故が発生して製品の回収を余儀なくされる事態が発生した場合、賠償額の全てを保険でカバーすることができる保証はありませんので、社会的な評価や企業のイメージが低下してしまうことにより、消費者の購買意欲の減退や企業の財政状態と業績悪化といった影響を及ぼす可能性は否定できません。
問題が発生しないために
製品の流れや在庫管理、リベートなど色々な部分で問題も出てきますが、食品は消費者が口にするものですので厳重な安全管理が必要となります。