ハインリッヒのドミノ理論とは?

企業の経営には、リスクマネジメントが重要です。
特に、何らかの事故が生じた際には、その再発防止の対策が必要となるのですが、その時に事故の原因などを考える場合、因果関係を究明するために役立つのがハインリッヒのドミノ理論です。
この理論は、どういったものでしょうか?

ハインリッヒのドミノ理論

ハインリッヒのドミノ理論は、ハインリッヒの法則といわれる事故についての経験則に関連した理論です。
ハインリッヒの法則というのは、1つの重大な事故が起こる背景には29の軽微な事故が存在し、さらにそこには300件のインシデントがある、という法則です。

この法則は、日本ではヒヤリハットの法則ともいわれます。
ヒヤリハットといわれる、うっかりミスをそのままにしておくと、いずれ軽微なアクシデントに繋がり、やがては重大な事故が起こる、という考え方です。
重大な事故を防ぐためには、うっかりミスであっても逐一報告して、その再発を防止しようということを示しています。

そしてドミノ理論というのは、事故とその結果を5段階に分け、事故をその4番目の要素として5番目にその事故の結果となる傷害を置き、そこに至るまでの要素をドミノのように連鎖的なものとして考える理論です。

簡単に段階を示すと、まず身体の傷害が事故の結果として、その事故が人間もしくは機械の不安全な動作から生じたものと定義します。
その不安全な動作が機械であっても人間であっても、結局は人間の過失の結果でしかありません。
そして人間の過失は、社会的な過失である遺伝、もしくは環境によって与えられたというのが根本となります。

この理論がドミノ理論といわれるのは、途中の段階で倒れるのを防ぐことでそれ以降の段階が発生するのを防ぐことができるからです。
例えば、3段階目の要素となる人間もしくは機械の不安全な動作を防ぐことができれば、たとえ社会的な環境があって人間の過失が生じても、事故にはつながらないのです。

この理論を提唱したのは、アメリカの損害保険会社で安全技術者として勤めていたハインリッヒ氏ですが、事故を防ぐためにはまず不安全行動を防ぐことだと主張しました。
何故かというと、ハインリッヒの法則にある300件のインシデントが生じる背景にも、その数十倍から数百倍の不安全行動があると考えられるからです。

つまり、事故を防ぐ為に重要なのは、日常的な行動をきちんと管理する事だというのがハインリッヒのドミノ理論で述べられているのです。
それでは、実際に事故が起こるケースについて考えてみましょう。

実際のケースに当てはめる

このような法則というのは、多くの実例から共通点を見つけることで成り立ちます。
ですから、たまたま起こったことについてはこの法則に当てはまらない場合もあるのですが、その割合はあまり多くないでしょう。
備えるべきは、起こるべくして起こる事故に対してです。

例えば、配送ミスが起こった原因を段階的に考えてみましょう。
配送ミスによって商品に瑕疵が生じたとして、その状態を5段階目とした時、4段階目が配送ミス、3段階目が配送先のチェックを怠ったこと、2段階目が注意力不足、そして1段階目が会社としての人員不足や労働時間の超過などが当てはまります。

そうやって考えると、まず取り組むべきは配送先を改めてチェックする体制であり、そこから長期的に取り組むべきなのは会社として人員不足を解消することや、労働時間の短縮ということが分かるでしょう。

こうした考え方は、他の様々なアクシデントに対しても考えることができます。
ハインリッヒの法則も合わせて考えると、5段階目に至るのは4段階の30分の1ですが、それが致命的な事故となる可能性は否定できないので、まずは事故そのものを防ぐ必要があるのです。

致命的な事故を防ぐには、事故そのものを起こさないことが重要であり、そのためにはまず、事故に至らなかったインシデントやヒヤリハット事例を起こさないように気を付けることです。
だからこそ、ヒヤリハットを報告するというのはリスクマネジメントにとって重要といわれるのです。

企業として重要なのは、ヒヤリハットの報告に対して過剰に責めないことです。
ヒヤリハットの再発は重要ですが、過剰に責めてしまうと今度は隠すことが増えて、報告そのものがされなくなってしまいます。
実害がないのですから、軽い注意程度にして再発防止を話し合う材料としておきましょう。

重大な事故を防ぐためには、どんな些細なミスも軽視せずに、その原因を分析するべきです。
その積み重ねが、重大な事故を防ぐことに繋がると考えるようにしましょう。

まとめ

重大な事故には、それに見合った被害が生じますが、それだけに目を奪われず事故が起こった原因を段階的に考えていく必要もあります。
偶発的な事故ももちろんあるでしょうが、ほとんどの事故にはそこに至るまでの原因があり、根本的に直すべきところも存在しています。
ハインリッヒのドミノ理論によって、そうした原因を段階的に考えることができます。
原因をしっかりと把握して、再発防止に努めましょう。

 

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