“アンコンシャス・バイアス”を取り払うことの重要性

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皆さんは「アンコンシャス・バイアス」という言葉を聞いた事がありますか?
日本語では無意識の偏見や思い込みといった意味になりますが、考え方によっては無意識であるがゆえに制御するのが難しく、思わぬ弊害をもたらす事もあると言われています。
ここでは、アンコンシャス・バイアスの弊害や取り払う方法を紹介します。

「アンコンシャス・バイアス」の弊害

アンコンシャス・バイアスによる弊害には、どのようなものがあるでしょうか?

最も顕著な例としては、平等な評価がされにくくなる、ということです。
例えば、日本では昔から男尊女卑の考え方が根強く、いまだに女性の働きを軽視する会社もあります。
こうした考え方が影響して、男女平等をモットーとしている会社であっても無意識下にその考えが残っている事は少なくないのです。

例えば、お茶を入れてきて欲しい時には無意識のうちに女性社員に頼んでしまう、という人は多いでしょう。
これは、お茶くみが女性の仕事だというアンコンシャス・バイアスがあるからです。

また、掃除なども男性社員と女性社員が忙しいからと言う理由で断った場合に、女性社員に対する評価の方が下がりやすいという傾向があります。
それが、女性社員の不満へとつながっていくという弊害がおこります。

求人についても、理系といえば男性、文系といえば女性という偏見が無意識下にあるために、理系の研究者の求人では男性と女性の候補がいた時に、無意識下で男性を選んでしまう事があります。
そのせいで、優秀な女性の研究者を失うという弊害につながりかねません。

また、人は身長が高い男性ほど頼りがいがあり、カリスマ性や統率力があるという無意識下の思い込みがあります。
このアンコンシャス・バイアスが作用したことで、アメリカの企業ではCEOの平均身長がアメリカ全体の平均身長を大きく上回っている、と言われています。
そうなると、背が低いというだけで優秀な人材が埋もれてしまいやすくなる、という弊害が起こりやすくなるでしょう。

アンコンシャス・バイアスの対処法は?

では、アンコンシャス・バイアスを取り除くにはどういった対処方法があるのでしょうか?

アンコンシャス・バイアスを取り除くために必要なのは、まず自分で無意識下のことを自覚することです。
そのためには、まずアンコンシャス・バイアスとはどういったことかを知識として身につけた上で、実際にロールプレイングやディスカッションを通じて体験をする事が大切です。

ロールプレイとしては、女性社員に頼みそうなことを男性社員が実際にやってみて、どのように感じたかを発表します。
そうして自分がどう感じたかを明確にすることで、無意識下の思い込みや偏見を表面化し、自己認知する必要があります。

自分の無意識下を全てコントロールするというのは不可能ですが、時折自分を客観視してみて、自分を評価してみることで徐々にその深層意識を認知し、偏見などを意識的にコントロールしてみましょう。
そうすることで、相手に対する偏見や思い込みを除いたコミュニケーションが取れるようになっていきます。
すると徐々に、アンコンシャス・バイアスの影響を減らしていく事ができるでしょう。

まとめ

アンコンシャス・バイアスは、周囲を取り巻く社会によって無意識下に形成されてしまうものです。
一概に本人が悪いとは言い難いのですが、放っておくと無視できない弊害が生じます。
特にビジネスでは、多くの人種と関わりをもつグローバル展開の企業も増えているため、アンコンシャス・バイアスが働くと失敗も増えてしまいます。
アンコンシャス・バイアスを意識し、自分に無意識下の偏見や思い込みがないかを考え、対処すべきです。