介護離職問題/企業の取組みは事例

現在問題になっている介護離職の問題。企業では従業員が仕事と介護を両立できるように取り組んでいく必要があります。
介護経験の有無を問わず誰しも仕事と介護が両立できるかは不安を感じるものですが、その理由として親の介護のためには仕事どころではなくなる、もしくは親が遠方に住んでいるので自分が実家に戻る必要があるというように、切羽詰まった状態に陥ると考えられるからです。
企業はそのような従業員の介護に対する不安を解消し、仕事と介護を両立できるような支援を検討していくことが必要になるでしょう。


働き盛りが介護を行うことに
高齢化により日本の労働力人口は減少傾向にあります。だんだんと優秀な社員を確保すること自体が難しくなっているのに、介護離職によってさらに人手不足に陥る可能性も高くなります。
そもそも介護を行う対象となる年齢は働き盛りである40~50歳代で、管理職や職責の重い仕事に従事する人が多いと考えられます。
さらに20~30歳代といった孫世代が介護を担うケースもあり、幅広い年齢層に対して対処していくことが必要になってくるでしょう。
介護離職を予防するための取り組み事例
実際に企業で行われている仕事と介護の両立支援ですが、現状として半数以上の企業でまだ具体的に何も行われていない状況です。
厚生労働省では介護離職を予防するための両立支援対応モデルとして、次の5つに取り組むことを提示しています。
・社員の仕事と介護の両立に対する実態の把握
・仕事と介護の両立支援制度を設計・見直しすること
・介護に直面する可能性のある従業員に対する支援
・介護に直面した従業員に対する支援
・働き方改革
この中でもすぐに取り組みが必要なのは、介護に直面する可能性のある従業員に対する支援です。
提供する情報の内容は?
社員の不安を和らげるためにも、介護にいつ直面しても慌てず制度を必要に応じて利用することができるという部分の情報を提供しましょう。
情報提供は誰を対象としていつどのような方法で行うかが重要です。まず社員の仕事と介護の両立に対する実態把握を行った上で、介護状況やニーズに合う内容の情報を提供していきます。
情報提供の事例としては、介護保険制度・介護保険サービスの内容、要介護認定の申請方法、自社の支援制度の内容、働き方の見直しなどです。
研修や定期的な会議などを活用し、セミナーや座談会形式で情報を提供していくと良いでしょう。
企業でできる取り組みを
企業が仕事と介護の両立支援制度を充実させることで、働きやすさが向上し社員の定着率が高まります。
事前に情報提供することに加えて、有給休暇や介護休暇の時間単位での取得、制度を利用する社員の人事評価に影響しない取り組み、制度を利用しやすい職場風土の醸成なども必要です。