食品製造業が抱えるリスクとは?

食品や飲料メーカーは、原材料を購入して工業規模で製造し、製品を販売して収益を得る業種です。
取引慣行や経済環境の特徴について理解し、流れの中で発生する可能性があるリスクに対応できるようにしましょう。


食品製造業の特徴
食品製造業も、調達した原材料を工場で加工し、卸売、小売の流通にのせて消費者へと提供していくという流れは他の製造業と同じです。
食品製造業の場合には、原材料や半製品・製品などの棚卸資産が生ものであるという点に特徴があります。その他、次のような特徴を理解しておきましょう。
・原料を入手する時期は季節性がある
・生産数量が原料の豊凶で異なる
・時間の経過で劣化したり、消費期限があったりと保存性に乏しい
・柔らかく加工しやすい
・消費者の口に入るため安全が求められる
製品が消費者の口に入るもののため、採取、製造、加工、貯蔵、包装、運搬、販売など全プロセスで菌での汚染や腐敗による変質、有毒物質や髪の毛など異物混入などへの対策をしっかりと講じる必要があります。
原材料価格が変動するリスク
また、食品製造業では原材料となる小麦や大豆、オレンジなど輸入で調達するケースが多くあります。中国やインドなどの新興国の経済成長に伴っての世界的な食糧需給の変化は、長期的に見た場合原材料価格の上昇圧力になると考えられます。
商品市場へ投機的な資金の流入や為替相場の変動、生産地国の天候変化での生産量の減少など原材料価格が不安定になることもあります。
TPPによるリスク
TPPは環太平洋パートナーシップの略称で、交渉には12か国が参加しています。TPP協定の目的は関税の撤廃と国のルールや仕組みを統一することです。
関税の撤廃によって、製品に使用する海外からの輸入原材料を安く仕入れることができるようになるでしょう。
海外に輸出したとしても安く販売することができるなど、メリットは大きいでしょうが、一方で海外から安価な食品が流入する高価な国内食品の販売悪化につながるという可能性も秘めています。
ただし各国のルールや仕組みが統一されてしまうと、残留農薬、食品添加物、遺伝子組み換え食品などを海外の緩い基準に合わせることに伴って食の安全性が脅かされるといった問題も出てきます。
需要の減少によるリスクも
少子高齢化に伴って総需要が減少すること、原材料価格が高騰して仕入単価が上昇すること、物流コストが上昇することなど、様々なリスクに対応していく必要があります。
国内外を問わず、食品製造業での企業買収や経営統合なども活発化している状況で、業界再編は今後ますます進行していくことが考えられます。
食品製造業は、その特徴と抱える様々なリスクを理解し、それに対応していくことが必要です。

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