コーンスターチはとうもろこしを原料としたでんぷんのことで、料理やお菓子など様々な食べ物に含まれているのです。
非常に使い勝手がいいのですが、SNSや健康志向のコミュニティでは毒性や危険性があるという噂も流れているのはご存じでしょうか?
コーンスターチの真実について、詳しく解説します。
コーンスターチは毒?
とろみ付けや揚げ物の衣、お菓子作りなどに幅広く使われている身近な白い粉が、コーンスターチというとうもろこしのでんぷんです。
非常に便利な製菓や調理用の食材ですが、インターネット上や一部の自然派知識人の間では体に悪い、毒がある、避けた方がいいといった過激な言説が飛び交うことがあります。
真っ白に精製されたその姿や原料であるとうもろこしの背景を知ると、確かに不安を覚える要素がいくつも見つかるでしょう。
しかし、結論からいうと通常の料理やお菓子作りに使う地味な量のコーンスターチそのものに急性、慢性の直接的な毒性はありません。
では、なぜコーンスターチが毒といわれるのかというと、原料の栽培方法や精製プロセス、コーンスターチから作られる別の甘味料などが複雑に絡み合っているのです。
コーンスターチが危険視される背景には大きく分けて3つの理由があり、誇張されたことでいつの間にか毒という強い言葉に変換されてしまいました。
コーンスターチはとうもろこしから食物繊維やタンパク質、ビタミン、ミネラルといった栄養素を徹底的に取り除き炭水化物だけになるまで精製した超加工食品の一種です。
ビタミンなどの代謝を助ける栄養素が含まれないため、大量に摂取すると体内の栄養バランスを崩して糖尿病や肥満を招くことから、現代の毒と表現されることがあります。
日本国内で流通しているコーンスターチの主原料となる輸入とうもろこしは、大半がアメリカなどから輸入された遺伝子組み換え作物です。
害虫を死滅させる毒素を自ら作り出す作物や強力な除草剤をかけても枯れない作物が原料になっているため、澱粉にも毒性が残留しているという不安が根強く存在します。
また、コーンスターチを酵素で分解して作られる人工甘味料の健康被害があまりにも甚大なことから、とうもろこしは毒というイメージが定着しているのです。
害虫抵抗性の遺伝子組み換えとうもろこしは、昆虫の消化管にある特有の受容体に結合して穴をあけるBtタンパク質という毒素を自ら産生します。
人間にも有害ではないかと心配するかもしれませんが、人間の胃は酸性で毒素は即座に分解されるため、人間への毒性はないと安全性が審査されたうえで確認されているのです。
さらに重要なのはコーンスターチの製造工程で、とうもろこしを水に浸して粉砕しタンパク質や脂質を徹底的に洗い流す、ウェットミリングという高度な精製工程を経ています。
結果として、最終的なコーンスターチの中に組み換え遺伝子やBtタンパク質はほとんど残らないのです。
科学的には遺伝子組み換え由来であってもそうでない有機栽培由来であっても、出来上がったコーンスターチの分子構造は完全に同一となっています。
とうもろこしの多くは除草剤のラウンドアップに耐性を持っているため、栽培時に大量の除草剤が散布されるでしょう。
主成分のグリホサートには発がん性の疑いが指摘されているため、食品に残ることを嫌う消費者も少なくありません。
ただし、やはり徹底的な洗浄と精製が行われるため、澱粉粉末となった段階で検出される残留農薬は国の基準値を遥かに下回る極微量、あるいは不検出のレベルです。
遺伝子組み換えだからといって直接的な急性毒性は存在しないのですが、不安であれば有機JAS認定非遺伝子組み換えと明記された製品を選びましょう。
本当の脅威は果糖ブドウ糖液糖
コーンスターチが間接的に人類にもたらしている最大の毒性と言えるのが、コーンスターチから製造される液状の甘味料である果糖ブドウ糖液糖です。
果糖ブドウ糖液糖は清涼飲料水やタレ、ドレッシング、加工食品、お菓子など、現代の市販品のほとんどに配合されています。
液体に溶けた精製糖は体内に信じられないスピードで吸収されて血糖値が急激に上昇し、血管を傷つけてインスリンを分泌する膵臓に壊滅的な負担をかけるのです。
また、果糖はブドウ糖と比べて体内のタンパク質と結びついて細胞を劣化させる糖化現象を数十倍のスピードで引き起こすといわれています。
肌のシワやたるみだけでなく、動脈硬化の原因となる血管の老化や認知症のリスクまで跳ね上がってしまうのです。
本当に恐ろしいのはコーンスターチではなく、工業的に形を変えた果糖ブドウ糖液糖であり現代社会においてもっとも警戒すべき脂肪肝、糖尿病のトリガーとなります。
ただし、加工甘味料に変身させなくても、コーンスターチ粉末そのものを大量に摂取することにもリスクはあるのです。
コーンスターチは消化を遅らせる食物繊維や脂質がほとんど含まれていないので、摂取すると体内で瞬時にブドウ糖へと分解されます。
じゃがいも由来の片栗粉には消化されにくい澱粉が比較的多く含まれており、腸内環境に良い影響を与える側面もあるのです。
しかし、コーンスターチは加熱調理すると完全に糊化して、非常に吸収されやすい単純炭水化物に変わります。
小麦粉を使わないからヘルシーと思ってグルテンフリーのお菓子やパンのベースにコーンスターチを大量に使うレシピがありますが、大きな間違いです。
小麦粉よりもはるかに血糖値を急上昇させやすいため、かえって太りやすい体質を作ってしまいます。
コーンスターチのパッケージの裏を見ると、原材料名にはとうもろこし以外にも酸化防止剤と書かれているのを見かけるでしょう。
化学物質=毒と捉える人たちから嫌われる要因になるのですが、無水亜硫酸はとうもろこしから澱粉を分離する際に雑菌の繁殖を抑え、真っ白に保つために添加されています。
亜硫酸と聞くと強力な毒物を連想しますが、食品添加物として使用される量は非常に厳格にコントロールされているので危険はないのです。
ただし、体質的に亜硫酸塩に対して敏感な喘息持ちの方やアレルギー体質の方は、微量であっても過敏反応を起こす可能性が否定できません。
まとめ
コーンスターチは非常に広く用いられている食材ですが、純粋な炭水化物なので栄養的には空虚であり原料の遺伝子組み換え問題などもあり、毒といわれることがあるのです。
実際に毒素は含まれていないものの、コーンスターチを原料とする果糖ブドウ糖液糖には様々な健康被害があり、コーンスターチ自体も大量に摂取すると血糖値を上昇させます。
添加物の亜流酸塩もごくわずかな量ですが、毒性がないか不安に思う人もいるでしょう。

