副首都構想とは?なぜ大阪はダメなのか??

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日本維新の会が自民党に協力する際出した12項目の要求の1つに、副都市構想というものがありました。
日本維新の会の公約にもなっており、副首都の候補として大阪を第一に考えていたのですが反対意見も出されているのです。
副首都構想の概要と、なぜ大阪ではダメなのかについて解説します。

副首都構想とは?

副首都構想について聞いたことがあるという人ももちろん多いと思いますが、具体的にどのようなものかは知らない人も多いでしょう。
日本維新の会の考えでは、現状東京に集中している行政機関や企業、人などを分散し、国家構造を地方分権や多極型にしていくことになります。

副首都に行政機能などを分散しておくことで、東京で災害が起こったときに首都機能を代替できるようにしておくというのが、副首都構想です。
そもそもの副首都構想は2005年までさかのぼることとなり、危機管理都市推進議員連盟が結成されたことから始まりました。

首都に災害やテロが発生した場合に備えて首都機能をバックアップするという考えであり、自民党や民主党など党派を超えて多くの議員が連盟に加入したのです。
大阪府、京都府、兵庫県の各知事は、東京で大規模災害が起こった場合は一時的措置として経済や情報の代替地となる副首都建設を推進するという考えに合意しました。

国家危機管理国際都市(NEMIC)といい、2010年には整備地域を関西圏とする案が強く押され、大阪国際空港を対象とする案が作成されたのです。
2011年の東日本大震災では、首都圏でも多くの帰宅難民が出てしまったことを踏まえて、当時の東京都知事の石原氏は「首都機能は分散されるのが望ましい」と述べました。

東日本大震災の余震も頻発しているため、東京への過度の集積は望ましくないとして証券市場の中心を大阪に移すなど首都機能移転を推進するべきと述べたのです。
当時の橋下徹大阪府知事は、大阪国際空港を廃止して跡地に東京のバックアップ機能を建設して副首都にするという構想を持っていました。

2010年には副首都構想を目指す意向を示したのですが、大阪国際空港の跡地は副首都にするのではなく他の都市開発のために売却するという計画もあったのです。
2011年の話し合いでは、大阪国際空港跡地以外にも関西文化学術研究都市、万博公園の他、愛・地球博記念公園、名古屋空港跡地が候補地に挙げられました。

大阪国際空港が最有力視されていたのですが、廃止するにあたっては既存空港施設の撤去が必要となるため、莫大な時間と費用がかかるでしょう。
また、代替空港となる関西国際空港へのアクセス面での不安、空港利用者の利便性の確保などの問題もあるため、難しいといわれていました。

副首都構想では皇居に代わる行宮も必要とされるため同時に候補地を選定する必要があり、キャンプ那須や双京などの構想が提案されたのです。
以降も大阪に副首都を設置する案を固め、企業へのアンケートなども賛成多数となったのですが、政局の混乱に伴って関連法案は提出されずに下火となりました。

なぜ大阪ではダメといわれているのか

元々副首都構想は災害時の首都機能の維持を目的として考えられていたのですが、日本維新の会では大阪を副首都とすることで東京一極集中を是正することが主な目的です。
成長戦略の一環として掲げている構想であり、副首都が設置されることを皮切りに地方分権を進めていき、道州制を導入していくという考えもあります。

東京に一極集中している人や企業を分散させていくことは、東京と地方の生活やインフラ問題を緩和して、有効利用を促すことで日本経済全体の生産性も向上するでしょう。
もちろん災害リスクの分散にもつながりますが、大阪に首都機能の一部を移転させた場合は大阪に人や企業が過度に集中する恐れもあります。

大阪の不動産価格の高騰や、行政機能の分散によって効率が低下するなどの弊害も起こる可能性があるのです。
副首都構想を実現させるには莫大な財産負担を伴う可能性もあるため、費用対効果についても慎重に検討しなくてはならず、財源確保も重要となります。

日本維新の会では副首都構想のコストについて明示していないものの、首都機能移転の費用については国土交通省がかつて試算を示したので、参考になるでしょう。
試算では、国会を中心として他の年に機能を移転させる費用は4.0兆円、行政機関を半分移転させるには7.5兆円、全て移転させるには12.3兆円かかるとされています。

完全移転はさすがにないとしても、行政機関を一部移転させるには4.0兆~7.5兆円かかることになるのです。
現在も議論が進められているのですが、大阪が移転先として挙げられていることには異議も唱えられています。

吉村知事は、大阪府と大阪市の二重行政を解消して特別区として再編する、大阪都構想の実現について強調しています。
大阪都構想については以前から主張されているもので、SNS上では結局は大阪都構想を実現させるための案ではないか、という疑問の声が上がっているのです。

また、大阪ありきで議論が進められていることにも不満の声が上がっており、南海トラフ地震も想定した場合は大阪以外にするべきとも指摘されています。
不満の声を受けて、わが町ほど副首都にふさわしいところはないと名乗り出たのが、福岡市です。

副首都構想には災害時等のバックアップという目的もあるのですが、首都直下地震であればともかく南海トラフ地震だと大阪も被災することを指摘しています。
同時被災のリスクを減らすのであれば日本海側がふさわしいため、大都市で候補を考えた場合は福岡が適していると述べたのです。

日本維新の会のアイデアは、大阪都構想と副首都構想が混ざってしまっているとの指摘も受けており、まずは切り分けて考えてみる必要があります。

まとめ

日本維新の会が自民党に出した要求の1つである副首都構想については、2005年頃からいわれている首都機能の分散による被災時のバックアップをするという考えです。
以前から最有力候補として大阪が挙げられており、今回も大阪になることを前提としたように話が進められているのですが、本当に大阪でいいのか疑問に思う人もいます。
大阪都構想を実現させるための方策だともいわれているため、他の候補地も考える必要があるでしょう。