医療崩壊とはどの様な状況を指すのか?

新型コロナウィルスの影響で、都市部・地方に関わらず、医療体制への不安が加速している状況です。
それを特に報道面では、「医療崩壊」という言葉で表現されますよね。
ところで、医療崩壊に該当するような状況とは、一体どのような状況なのでしょうか?
現在のニュースを詳しく知るためにも、用語の意味を詳しく解説しましょう。

俗語として生まれた言葉の意味とは?

医療崩壊と呼ばれる言葉は、今回初めて登場した言葉ではありません。
実は、今回のように私たちが日常生活で認識する前から、医療を取り巻く社会問題を説明する際に使われているのです。
まずは、その意味の変遷を少し見ていきましょう。

・医療を取り巻く政策や社会情勢から派生したもの

みなさんは、医師や医療関係を取り巻く話題として、どのような問題があるのか知っているでしょうか?
新型コロナウィルスが問題となる前の状況を、少し思い出してみて下さい。
例えば、地方には医師が少なく受診できる診療科が限定されたり、病院経営が維持できなかったりという問題がありましたよね。

実は、このような問題を「医療崩壊」という形で紹介されていました。
つまり、私たちが安心して受診・治療が望めるような環境や体制の維持が困難になったという状況を示すことになるでしょう。
そして、医療体制の維持が困難になった背景には、上記のような理由だけでなく、複数の理由が関係しています。
医療関係者は、人の命に係わる仕事をしているため、様々な問題に晒されやすい特徴があると言えるかもしれません。

例えば、適切な治療を行ったとしても、医療過誤として訴訟になってしまうリスクがありますよね。
いくら患者のために治療をしたとしても、訴訟になってしまうのでは、安心して職務を全うすることはできるでしょうか?
もちろん、不安を感じてしまう人が多いですよね。
その結果、業務に対しての不安感やモチベーションの低下を引き起こしてしまうのです。

また、地方になると対応できる患者数が限られているため、急患を受け入れられないという問題が生じていることを聞いたことはありませんか?
ニュースでは一時期、「たらい回し」という表現がされていたでしょう。
たらい回しの結果、本来なら救えていたはずの命が救えなかったという場合もあるかもしれません。

この他にも、受診する患者のモラルの低下や、医師のなり手が不足しているといった状況も絡んできます。
このような状態では、一般人である私たちは安心して治療が受けられるとは言えませんよね。
医療関係者を取り巻く環境が変化することによって、最低限の医療サービスが提供できなくなることは、病院としての役割が果たせていません。
医療体制に対する不安は、様々な面で現れていると言ってもいいでしょう。

・新型コロナウィルスの感染者が増加したことで、新たな意味が

医療崩壊に新たな意味が追加されたのは、みなさんがご存知の通りコロナウィルスの流行がきっかけになっています。
そして、この言葉は日本だけでなく、世界中でも使われています。
新たな意味合いとしては、病院が対応できるキャパシティーを感染者が上回るということです。

例えば、ある病院では感染者の入院対応人数を10人としていた場合、その病院に20人の患者が押し寄せてしまったということをイメージしてみて下さい。
この場合、10人ならばギリギリ入院対応できますが、残りの10人はどうなるでしょうか?
このような状態が、都市部の病院では現在進行形で発生していますし、地方もその危険を抱えた状況になっています。
つまり、全ての感染者に対して、適切な治療が行えないという可能性が生じていると言えるでしょう。

キャパシティーが越えてしまうと、具体的には次のようなリスクが発生してしまう恐れがあります。
例えば、治療を受ける患者さんに優先順位が付けられたり、対応できる医療従事者が不足して手が回らなかったりということが考えられますよね。
特に、治療においての優先順位が付けられるということは、誰もが安心して医療サービスが受けられるという、医療体制の本来の意味とは違ってきますよね。
「命の取捨選択」とも言われるでしょう。

現在、日本でも受け入れ体制について悲鳴を上げている状況ですが、イタリアでは日本よりも早い段階で医療体制の崩壊が報道されたばかりです。
医療体制が十分でないと、医療機関や私たちにリスクしか残りません。
何も対策ができず、このまま状況が悪化していくのをただ見ているしかできないのでしょうか?

様々な対策で状況は改善されるのか?

ところで、このような状態になっている現在、国が何も対策を行っていないというわけではありません。
医療崩壊を防ぐために、現在国では多くの対策を実施・検討をしています。
簡単にですが、その内容を採り上げましょう。

・最近行われつつある対策とは?

最近の例としては、症状が無自覚・軽症の人に対して、ホテルでの隔離治療・療養を行うといったものがありました。
これは、本当に病院での治療が必要となる重症者の受け入れを可能にするために実施されたものになるでしょう。
実際、感染していても発症していないという人の声は、多く聞かれますよね。
開始当初は少人数でしたが、感染者が日に日に増していることから、これから利用する人が増えてくるかもしれません。

また、他の病気の患者さんに対しての院内感染のリスクを防ぐために、遠隔医療の導入も少しずつ進んでいます。
病院に受診が必要な患者の立場からすると、感染のリスクが最も高いところに出向くというのは、危険しかありませんよね。
本当に受診が必要な人にとっては、安心して診察が受けられるシステムになりますから、終息するまでは心強いサポートになるでしょう。

・医療現場の見直しをするきっかけとして

ところで、新型コロナウィルスの感染者が増加していることがきっかけとなって、医療機関が抱えている問題がより明確になったかと思います。
それは、医師やスタッフの人数に限らず、病院経営全体に関わる部分まで。
地域によっては、まさかこんなことになるなんて思ってもいなかった、と感じている人もいるでしょう。

現在、感染者の受け入れを行っている病院は、自治体の中でもメインとなる病院になります。
これは、地方に行けば行くほど、そのような傾向にあるかもしれません。
しかし、感染者が増加してくると、なぜ他の病院でも受け入れてくれないのか、という疑問を持つ人がいるかもしれません。
確かに、感染者の治療にあたっては、入院できるベッド数を複数確保できる方が望ましいですよね。

しかし、終息した場合のことを考えてみて下さい。
緊急事態だと言って協力したとしても、特に民間の病院では経営が長続きしない可能性がありますよね。
その結果、病院の維持が難しくなってしまい、かえって従来からの医療現場の問題が悪化してしまうこともあり得るでしょう。
そう考えると、医療機関だけが努力すればいいという問題でもないのです。

現状を良い方向へと持っていくためには、やはり医療機関だけでなく、終息に向けて政府と一緒に取り組んでいかなければなりません。
反対に政府がしっかりと指針を示さなければ、医療機関の負担だけがどんどん重くなり、最終的にはリスクへの対応が困難になってしまいますよね。
医療に従事している人たちのリスクを軽減するためには、早期の意思決定が重要になるでしょう。

参考URL
HGPI(https://hgpi.org/lecture/18.html)
日経ビジネス(https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00135/00020/?P=1)
Yahoo!JAPANニュース
(https://news.yahoo.co.jp/byline/ishikurafuminobu/20200403-00171238/)

まとめ

医療現場で対応されている方は、感染者の治療で疲弊しています。
本来ならば十分に対応できる設備を整えていても、感染者数が増加しており、初期段階に比べると追いつかなくなっている状況です。
また、医療機関で従来から問題となった現状がより浮き彫りになっているところもあり、その対応も同時にしなければなりません。
命を守る職業であるからこそ、迅速なサポートがきちんと行われることに期待したいですね。

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