配偶者控除を無くすことが出来ない理由とは?

今、職場で年末調整が行われていたり、もう少しで確定申告のシーズンになったりと、お金に関するイベントがやってきますよね。
申告が必要な人の中には、控除面の恩恵を受けるために手続きする人も少なくありません。
ところで、少し前に世間で議論されたある話題を覚えていますか?
それは、配偶者控除にまつわるお話です。

配偶者控除はなぜ誕生したのか?~そもそもの経緯とは?~

みなさんは、配偶者控除と呼ばれる仕組みがあることを知っているでしょうか?
結婚されている人にとっては、結構重要な仕組みになりますよね。
その一方で、話題としては聞いたことがあるけれども、詳しく知らないという人もいるでしょう。

配偶者控除は、名商の通り配偶者に対して受けられる控除になり、その控除が受けられるラインの金額が決められています。
そのラインを越えてしまうと、所得税の課税対象になってしまいますから、少しでも手元にお金を残したい人にとっては重要となるラインだと言っていいでしょう。
現在の基準では、年収が103万円以下と決められていますので、パート等で働いている人たちはここを基準に働いている人も当然いますよね。

そして、課税対象にならないだけではありません。
世帯主の収入にも、配偶者を扶養しているということから、38万円分の控除の恩恵が受けることができ、家計的にはこの仕組みが助けになっているという人もいますよね。
ところで、配偶者控除はそもそもなぜ設けられたのか、その背景をご存知でしょうか?
これには、予想ができる人もいるかもしれません。

その背景は、少し前の日本の家庭環境が関係しています。
制度自体が登場したのは、1961年にまで遡ります。
みなさんはこの時代が、どのような社会状況だったのかを覚えていますか?
日本が経済的にも上昇傾向にある時期になり、一所懸命働くということが主流だった時代になりますよね。
特に男性は会社等で働き、日本経済を支えていたと説明されることがほとんどでしょう。

その一方で、当時の女性はどのような役割だったのかというと、家庭を守るというポジションにありました。
つまり、外で男性のように努めるのでなく、家のことを守り、男性を支えるというのが主な役割だったと言えるでしょう。
このような日本社会を支えている国民に報いるために、設けられた制度だと言っても過言ではありませんよね。

このような家庭観は、若い世代から見ると、昔の本で見たステレオタイプの家庭だと感じるかもしれません。
確かに、以前の家庭状況ではこのような制度は役立ちますし、実際に恩恵を受けていた人も多かったと思います。
ですが時代が変わり、家族の状況が一変することになりましたよね。

現在は、専業主婦がいるような家庭は減少傾向にあり、その一方で共働きの家庭が増えている傾向にあります。
この影響は、みなさんの身近でも実感できるかもしれないでしょう。
制度が設けられた家族観が変容しているにも関わらず、なぜ、時代の変化に合わせて無くすということができないのでしょうか?

なぜ、制度を無くせないのか?~配偶者控除が抱える問題とは?~

この話題は、特に共働きの家庭にとって、様々な議論が生まれました。
控除が受けられない家庭はどうなのか、そもそも今の時代に必要な制度なのか等、大きな話題になりましたよね。
今回の記事を読んでいるみなさんは、どう考えていますか?

ここまで大きな議論になったのに、制度そのものが無くならならず、ある意味、現状維持のままになっているということに疑問を感じる人もいるでしょう。
なぜ、配偶者控除は現在も存在することになっているのでしょうか?
その理由は、政治的な面だけでなく、身近な私たちの声の中にもあるのです。

・昔の価値観から抜け出せない政治家が多い

配偶者控除の議論は、何も突発的に発生したものではありません。
議論が表面的にならなくても、少しずつ話題にはなっているのです。
ですが、完全に無くすということまでならないのは、政治家の価値観に由来しているところがあります。

長く政治家の仕事をしている人の中には、昔の家庭観を良いと考えている人がいますよね。
そのため、若い世代や無くすことを検討している人たちの見解を、受け入れられないということが言えるでしょう。
この価値観は、総理大臣が変わったり、政治に新しい風が吹いたりしたとしても、中々変わらないのでないかとも言われています。
つまり、昔の価値観が正しいと断言している人たちが、一定層いますので、議論をしようが何をしようが変わりにくい環境があるのです。

これからの日本を支える世代や、将来の世代にとって、行動を起こしていくことが政治の役割になりますよね。
ですが、その舵取りを担う人たちが古い価値観のままでは、新しい社会を生み出すことは難しいかもしれません。
結果的に、議論がなされても、ちょっとした改正で終わってしまうというのには、このような事情が隠されていると言ってもいいでしょう。

・家庭的な事情からフルタイムで働けない人の声

また、この議論には政治家の価値観だけでなく、私たちの身近な声も関係していると言えるでしょう。
議論がなされた当時は、配偶者もフルタイムで働いている家庭と、事情があって働きに出られない家庭が、よく比較されていましたよね。
フルタイムで働いている人の声に注目されがちですが、その一方で事情から中々働きに出られない人も当然いるでしょう。

例えば、子どもが小さくて満足に働く環境が整わない、介護等の事情からフルタイムでの勤務は厳しいという場合がありますよね。
このように、働くにしても制限が設けられている場合に、配偶者控除が無くなってしまうとどうなるでしょうか?
パート等の少ない収入から税金を納めなければなりませんから、経済的に苦しいという人が出てくるかもしれませんよね。

その結果、共働きの家庭は良いけれども、専業主婦やパート等で働いている人にとって、控除の廃止はデメリットでしかありません。
個人の事情も関係していますので、簡単に廃止すればいいとも言い切れないのです。
このような事情を聞くと、みなさんはどう考えますか?
中には意見が変わる人もいれば、そのままの人もいるかもしれません。
控除があるからこそ、生活ができているという人も少なくありませんから、意外と難しい問題であることが分かるでしょう。

そもそもこの議論は、女性も働いて稼いでほしいということから始まっていますよね。
そのため、理論的には理解できるけれども、保育所の整備等、働けるような環境が整っていないと、そもそも難しいと考える人もいるでしょう。
控除の議論は、様々な問題にもリンクしていると言えます。

実際に、日本の財政状況から見ると、控除があることはマイナスの要素になっていることから、どうしても廃止したいという見解があることは理解できます。
ですが、それに伴って、環境整備だけでなく、女性が働くことに否定的な価値観を無くさなければ、本当の意味での廃止はできないでしょう。
女性は男性とは違い、ライフイベントによって動きが制限されることが多いですから、様々な人の理解が必要になりますよね。

現在の日本では、配偶者控除の廃止はまだまだ難しいかもしれません。

参考URL
プレジデントウーマン
(https://president.jp/articles/-/30470)
はたらこねっと
(https://www.hatarako.net/contents/enquete/result/201610/)
国税庁
(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1190.htm)

まとめ

今回は、配偶者控除に関する話題をご説明しました。
廃止の議論もされましたが、昔の家庭観を大切に考えている人や家庭の事情で働けない層からは、依然として反対の意見もあります。
まずは社会全体を通して、昔の価値観とは違うということを、今一度認識する必要があるのかもしれません。
認識を改めた上で、今後も存続するかどうかを検討した方が、より現実的な問題を解決しつつ、制度の在り方を考えることができるでしょう。

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