中小企業倒産防止共済について解説します

中小企業にとって、倒産のリスク要因は自社の経営事情だけではありません。
中には、他社の経営状態が影響して、連鎖的に倒産してしまうこともありますよね。
そんな時の助けとなるのが、中小企業倒産防止共済になります。
自己防衛だけでは対処できない問題に対して、どう解決するのかを解説しましょう。

中小企業のセーフティーネット的な役割を持つ制度

中小企業倒産防止共済とは、自社でなく、取引先の中小企業が倒産した際に、その影響で経営難になったり、連鎖倒産したりしてしまうのを防ぐための制度になります。
中小企業にとっては、自社の経営状態は何より大事ですが、他社の経営状態の影響も直に波及してきますよね。

例えば、取引先から売り上げを回収できないということが多発すると、経営はどうなってしまうでしょうか?
売上が回収できず、一気に経営難になってしまいますよね。
このように、経営に問題がなかった中小企業が取引先の倒産によって、急に経営困難になってしまうという場合も少なくありません。

ところで、中小企業倒産防止共済に加入する場合、どのようなシステムになっているでしょうか?
まずは、制度の仕組みについて解説したいと思います。

・上限8000万円まで借入可能

制度に加入すると、経営が困難になった状況の際に、上限8000万円までのお金を、保証人なし、無担保で借りることができます。
つまり、急な事情に迅速に借入の対応がしてもらえると考えていいでしょう。
経営上、借入が必要になる場合は、融資等の審査の時間が惜しい時がほとんどですよね。

倒産した取引先との取引が確認でき次第、すぐ対応してくれますから、経営上の不安を軽減できるでしょう。
しかし、高額な資金の借り入れが可能になると、毎月の掛け金の金額が高額なのでないかと思ってしまいませんか?
特に、上限が8000万円という金額は、毎月ある程度の金額を支払っていなければ難しそうですよね。
そうなると、自社の経営的に厳しいと感じてしまう人もいるかもしれません。

ですが、経営的な問題はすぐにクリアできるでしょう!

・掛け金は定額からでOK!

掛け金は、制度上800万円になるまで積み立てることができ、これが借入できる金額の基準になります。
月計算で考えると、掛け金は5000円~20万円以内の金額で、無理のない範囲に設定することができますから、経営状態から問題のない金額で設定しましょう。
そのため、制度に加入しているからといって、大きな負担になってしまうことはないですよね。

一方で、積み立て式の保険の場合は、解約した際に今まで積み立てた金額が戻てくるのですが、本制度も同様です。
解約時には、解約手当金として積み立てた分が手元に戻りますから、損はないと言っていいでしょう。
何より、自己都合で解約した場合であっても、最低限1年以上掛け金を納めていれば、掛け金の8割以上は戻ってきますから、助かりますよね。
そして、40カ月以上の加入期間があると、全額になります。

また、掛け金は前納することも可能で、ある程度の分を一括で支払うことができると、前納減額金の恩恵が受けられます。
つまり、毎月積み立てるより、支払額はお得にできると言えますよね。

そして、さらに加入するとお得な要素があるのです。

・税制優遇措置があって、経理面でお得!

お得要素は、経営上の安心感が得られるだけではありません。
毎月支払っている掛け金は、税制優遇の対象となりますから、中小企業の経営者・個人事業主にとってはメリットしかないと言えますよね。
個人事業主の場合は必要経費として、法人の場合は損金として計上できますから、経営上マイナスにはならないでしょう。

ここまで基本的なシステムについて解説しましたが、どれも心強い内容になりますよね。
中小企業や個人事業主は、予期せぬ場所から経営上のリスクが降りかかってくる場合があります。
想定されるリスクを無理のないお金の範囲で対策ができることは、自社・自己防衛にもってこいでしょう。

共済金・一時貸付金等を含めた制度全体の注意点について

最後に、実際に借入等をした際の内容や注意点について、解説したいと思います。

・共済金の利用や返済についてのルール

制度を利用して借入する場合は、基本的に50万円~8000万円以内で、5万円単位で借りることが可能です。
借入をした際は、6カ月の据え置き期間が設定されています。
それ以降は、借りた金額の応じて返済期間が5年~7年になりますので、自由設定でないことに気をつけて下さい。
例えば、5000万円未満の借入の場合は、制度上5年以内で返済することになりますから、金額ごとに返済計画がある程度決まっていることになるでしょう。

ところで、借入関係の制度を利用すると、利子があることが多いですよね。
本制度の場合は無利子ではありますが、借入後に借りた金額の1/10に当たる金額が控除されるのと、返済に違反があった場合は違約金があります。
期日までの返済が困難な場合は、事前に相談しておいた方が、色々な面で助かることもあるでしょう。

・急な事情に対応してくれる一時貸付金の存在

また、借入のシステムは共済金だけでなく、一時貸付金というものもあります。
これは、急な事情で臨時にお金が必要な場合に、解約手当金の95%を上限として借入ができるシステムになります。
あくまでも臨時的なものになりますから、かなり緊急性が高い時に利用できる物だと思って下さい。

借入額は30万円からになり、活用目的は事業資金のみに限定されます。
返済期間は1年になりますが、長期間で分割しての返済でなく、期限に一括で返済する形になりますので、共済金の時と返済方法が少し違っていますよね。
他の返済と同じように考えてしまい、返済に間に合わなくなってしまうと、違約金の対象となってしまいますから、間違えないようにしましょう。

・法人保険との使い分け

活用目的は違うかもしれませんが、似たような保障が得られるものとして、法人保険がありますよね。
実際に、こちらに加入しているという人もいるでしょう。
ですが、いくらリスク対策であるからと言って、有効と思われる対策はたくさん確保しておいた方がいいのでしょうか?

そのポイントは、2つあります。
1つ目は、死亡時の補償が必要がどうかというところにあり、自社の経営までカバーするサポートが必要かという部分になると思って下さい。
今回ご紹介した制度の内容は、あくまでも取引先の企業の影響を受けないという部分に特化していますよね。
そのため、自社の経営状態が悪化した時に、具体的な対策に繋がるのかという視点での対策には弱いでしょう。

2つ目は、掛け金の金額が800万円を超えるようにしたいというニーズがあるか、ということになります。
解約手当金が満額受け取れる場合は、最高で800万円になりますよね。
ですが、一般の法人保険では、この金額以上の解約返戻金が用意されているプランもあるでしょう。
例えば、経営者自身の退職金の設定を考えた場合、どのくらいの金額があるといいかというのは意見が分かれますよね。

これらの事情から、どちらか片方選択するというよりは、両方に加入をするという経営者も少なくありません。
もちろん、両方へ加入する場合は、掛け金が高額になると経営を圧迫してしまう恐れがありますよね。
ですので、経営上負担にならないように掛け金はバランスを取りながら、両方に加入をするというのがリスク回避においてベストな形になるでしょう。

まとめ

本制度は業種に制限がなく、条件にさえ当てはまっていれば、中小企業の多くは制度の対象となります。
一度解約しても再加入ができますから、経営上のリスク回避としては、有効的な手段の1つになりますよね。
現在、感染症の影響から、返済や掛け金の支払い等が困難になってしまっている企業もあると思います。
その影響から、特例措置を設けて対応できるようにしていますので、現状で困っている方は是非相談してみて下さい。

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