経営者の決断の早さが幸せな廃業をもたらすのは何故か?

アベノミクスで日本経済は成長したと言われていますが、実際はほとんどの中小企業がこの恩恵を受けることができておらず、現在は厳しい状況で戦っていると言えます。
また、中小企業の多くが現在後継者問題を抱えており、まさに文字通り問題だらけの状況で、廃業を決断する経営者も少なくありません。
そこで今回は中小企業が幸せな廃業を行うために重要なことについて解説させて頂きます。

決断のデッドラインを設定しましょう

幸せな廃業を行うためには、タイミングが非常に重要です。
そしてそのタイミングを見極めるには、あらかじめデッドラインを作っておかなければなりません。
廃業とは多くの場合デメリットが多く、従業員や取引先に迷惑をかけてしまいます。そうなってしまう要因は、ギリギリまで粘ったが故に限界まで追い詰められてしまっている状態で廃業の決断を行うことにあります。
つまり、廃業するにしてもある程度余力のある状態での決断が最も望ましいのです。
では、デッドラインはどのように決めればいいでしょうか?
この決め方にルールはないですが、多くの場合キャッシュ状況や時間軸でのライン設定が多いように感じます。
例えば、半年後に利益が出ていなければ廃業や、借り入れ金額が売り上げの半分までいけば廃業といったイメージです。
これをあらかじめ決めておき、いざそうなった場合に素直に従うことが最も幸せな廃業を掴む簡単な手段でしょう。

廃業の決断スピードが幸せを呼ぶ

しかし、デッドラインの設定自体がギリギリという形では意味がありません。
まだ余力があるときに廃業の決断を行うからこそ、従業員の転職サポートや取引先への余裕をもった説明ができるからこそ、関係者への迷惑が最低限に抑えることができるのです。
特に、中小企業の場合、仕入れや売り上げを一部の企業に依存しているケースも少なくありませんから、あなたの会社が突然廃業すれば、連鎖的に取引先も廃業というような大迷惑をかけかねません。
そうならないためには時間をかけて説明を行い、取引先にも準備期間を設けることが重要です。
従業員も同じで、廃業ギリギリの企業のほとんどは労働集約型である場合が多いですから、日々の業務の中で廃業後の仕事探しはすぐにはできませんし、一定期間は必ず必要です。

廃業は決断すれば3ヶ月もあれば行うことはできます。
しかし、幸せな廃業を行うには、そんなギリギリで判断をするのではなく、余力のあるうちに決断し、時間をかけて廃業準備を行うことが必要になるのです。