今更聞けないキャッシュフロー経営の重要性を徹底解説

経営には成績表があります。
PLと呼ばれる損益計算書、BSと呼ばれる貸借対照表、そしてCFと呼ばれるキャッシュフロー計算書。これらをあわせて財務三表と言われています。
さて、あなたの会社はこれらすべてを活用できているでしょうか?
今回はこの中でも近年注目を浴びているキャッシュフロー計算書の重要性について解説させて頂きます。

キャッシュフロー計算書はなぜ注目されるのか?

損益計算書や貸借対照表はあるけど、キャッシュフロー計算書は活用していないという企業が意外と多いようです。
おそらくこの記事を読んでいる方も、活用してないという方がいるのではないでしょうか?
元々欧米では比較的昔から重要視されてきたものなのですが、日本ではつい最近になって重要視されるようになりました。
おそらくその背景には、日本独特の理由があるかもしれません。
日本はご存知ように島国で、欧米諸国と違い日本というマーケットで遠い昔より商売を行ってきました。
その影響もあってか、日本は世界的にみても同族経営企業が多い傾向にあります。創業100年を超える企業も非常に多く存在しています。
つまり、極端に言ってしまえば、他者に干渉されずにビジネスが行える環境がずっと続いていたということです。
厳密にはわかりませんが、日本人は比較的売上に意識を持ちがちです。
つまり、損益計算書を最も重要視してこれまでビジネスを行ってきたのです。
ちなみにここで言う他社の一例は海外投資家です。海外投資家は日本の投資家に比べ経営に口出しをする傾向があります。
これは決して悪いことではなく、日本の投資家と違いがあると言うことです。
現在ではインフラが整い、益々国境という概念がなくなってきています。
海外にいながら日本の会社と仕事するなんてことも普通です。
このような中で、現在では多くの日本企業が海外投資家の投資先として考えられるようになりました。
先ほど触れたように、日本人は損益計算書を重要視しますが、海外投資家は株式資本を使ってどれだけ企業が利益を生み出したかなどを重要視します。
つまり、いくらのお金が何に使われてどれだけ利益を生み出したかなどのお金の流れが見えることを求めます。
この時にキャッシュフロー計算書が役立つというわけです。

不況がキャッシュフローの重要性を増している

また、日本の経済不況もキャッシュフロー計算書の重要性が増す理由の一つになっています。
経済が低迷する中で、競合他社との争いはますます過激化しています。
それにより価格競争に巻き込まれ、結果的に利益が出せず倒産してしまうなどのケースが続出しています。
会社が倒産する時というのは多くの場合お金がなくなった時です。
つまり、倒産する会社はお金の出入りを正確に把握できていないと言うこともできます。
このお金の出入りを管理するものがキャッシュフロー計算書ですから、厳しい現代の中で生き残るためにも重要なものだと言えます。

キャッシュフロー経営のメリットとは?

これまででキャッシュフロー経営がなぜ重要視されるようになったかを解説させて頂きました。
では、次にそれを活用するメリットについてです。
キャッシュフローを意識した経営スタイルをキャッシュフロー経営と言います。
キャッシュフローには損益計算書の弱点を補う特徴があります。
例えば、商売を行っていれば売掛金などの手形を受け取ったり発行したりするケースが多々あります。
売掛金がある状態は、現金は受け取っていないが売り上げには計上されている状態ということです。つまり、損益計算書には売り上げとしてのっているのに、手元には現金がないということです。
たまにニュースなどで耳にする黒字倒産とはこのような状況が膨らみ発生します。利益は出ているのに、現金が尽きてしまって倒産ということです。
キャッシュフローを常につけていれば、このような状況は防ぐことができます。
また、キャッシュフロー計算書は営業・投資・財務の3つのカテゴリー分けられています。
営業キャッシュフローとは、その名の通り営業活用により発生したお金の流れのことです。投資キャッシュフローは投資により発生するお金の流れ、財務は借入や返済によるお金の流れが記入されています。
これらを見ることでその企業の経営スタイルの大枠を把握することができます。
例えば、営業キャッシュフローは黒字、投資キャッシュフロー赤字、財務キャッシュフロー黒字の場合は、その企業は借入による投資を積極的に行なっていることがわかります。営業キャッシュフローが黒字なので、既存事業で利益が出せているのでまだ安心です。ただ、このケースで営業キャッシュフローが赤字だった場合は、より注意深く数字をおわなければ危険なケースがあります。

このようにキャッシュフロー計算書から現金のリアルタイムな流れを確認することができるため、損益計算書や貸借対照表よりも正確に会社の状況を把握することができます。
変化の激しい時代についていくには現金は必要不可欠です。
もし、キャッシュフロー計算書をまだ活用していない企業があれば、すぐに実践する事をオススメします。