メガソーラーの終焉

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日本の各地には様々な企業によってメガソーラーが設置されているのですが、メガソーラー事業は政府の支援も重要です。
しかし、日本政府がメガソーラーの導入支援を2027年度から廃止するという方針を正式に決定したことで、メガソーラーは終焉を迎えたといわれているのです。
メガソーラーの今後について、解説します。

メガソーラーはなぜ終焉を迎えるのか

一般的にメガソーラーというのは、太陽光発電所のうち出力が1メガワット以上の施設のことです。
日本国内ではすでに稼働施設だけでも7,000~8,000件、計画中の施設も含めると9,000件以上存在しています。

低炭素社会を目指すという機運が広がったことで、日本政府では2008年から太陽光発電の導入を推進し、支援する政策を行ってきたのです。
特に2011年の震災後に原発への反対が増え、2012年に固定価格買取制度(FIT)が導入されたことで急速に増加しました。

2022年からは、メガソーラーに関してはFITから原則としてFIP制度に移行していて、市場連動型の売電価格に上乗せ報酬が加算されるようになったのです。
しかし、経産省では2027年度以降は1,000kW以上の地上設置型事業用太陽光をFIP制度の申請対象から除外することを決定しました。

政府の支援がなくなったことで、今までのメガソーラーのような固定価格での買取制度を利用した新規事業は事実上ストップすることとなったのです。
また、脱炭素には引き続き取り組んでいくのですが、政策内容が転換したため優先すべき内容も変化しました。

東日本大震災後から再エネ優先の方針が加速していたためメガソーラーが優遇されてきたのですが、メガソーラーにはいくつかの問題があるのです。
メガソーラーは山の斜面などに設置することが多いのですが、設置するためには森林伐採などの環境破壊が伴い、土砂災害リスクも高まってしまいます。

また、再エネ賦課金として年間約3兆円のメガソーラー費用が家庭や企業の電気代に転嫁されており、大きな負担になっているのです。
今後の政策では、従来の方法よりも負担を抑えることができる、現実的なエネルギー政策へと転換していくことになります。

メガソーラーには環境トラブルや災害トラブルも増えていて、釧路湿原や阿蘇などの国立公園周辺での開発や全国で相次ぐ土砂災害の懸念などもあるのです。
現在は、メガソーラーを建設する際に地元住民とのトラブルや安全対策の監視が強化されています。

大量廃棄問題の到来も問題となり、設置から20年を経過する太陽光パネルが2030から2040年頃にかけて大量廃棄期を迎えることになるのです。
大量に処分されることになる太陽光パネルの処理費用や環境負荷は、終わりの責任として問われることになります。

今後のメガソーラーの変化

今後、メガソーラーに対する政府の支援は廃止されることとなるのですが、既にある施設がなくなるわけではないのです。
太陽光発電自体も新たに建設されなくなるというわけではないのですが、もちろん今までと同じように設置されるわけではありません。

現在のメガソーラーは土地に架台を組んで太陽光パネルを設置している、野立てといわれるタイプの発電システムが多いのです。
野立て太陽光発電は地面に太陽光パネルを設置するため、広大な土地を切り開いて行うことになります。

環境破壊や景観の破壊などを伴うことも多く、森林伐採による土砂崩れのリスクが増すことも考慮されるため、今後は野立て太陽光発電が支援を受けられなくなるのです。
今後支援を受けるためには、工場や商業施設の屋根に太陽光パネルを設置する屋根置きなどにシフトしていく必要があります。

屋根置きの太陽光パネルの設置には地元の気候特性や住宅事情などを熟知している必要があるため、地域密着型の業者にとって強みとなるでしょう。
また、現時点で土地の造成や廃棄義務を無視して行われている不適切な事業に対しては、法的な規制が強くなっていきます。

既に法令違反の太陽光発電に対しては、FIT交付金の交付が停止されるなどの処分が下されているのです。
再エネ発電事業者も倒産や廃棄が増えているため、現時点でもFITに頼り切りの経営環境は限界に達していると見られています。

申請内容と異なる設計で設置するなど不適切な事業認定も多数発覚しているため、行政側は違反事業者への対応を厳格にして認定取り消しや是正指導を強化しているのです。
太陽光パネルの廃棄問題に対応するため、10kW以上の事業者に対して廃棄費用の積立が義務付けられていることも経営負担となって、不採算事業の撤退を加速させています。

計画策定時よりも事業環境が悪化したことで事業の維持が困難となったメガソーラー事業者は、次々と撤退を発表しているのです。
政策の転換によって、日本の再生可能エネルギーは「ただ増やす時代」から「環境と調和しながら活用する時代」へ移行することとなります。

変化に伴って現在注目されているのがペロブスカイト太陽電池で、従来のシリコン系の太陽電池とは素材が異なり薄く柔軟なフィルム状に加工できるのです。
結晶の厚さが従来のシリコンと比べて100分の1以下であり、原料の使用量も少なく製造工程もシンプルとなるため、大幅にコストを削減できます。

柔軟なので設置が可能な場所の選択肢が増え、材料を調整することで色も変えられるため建物の外観を損なうことなく設置できるというメリットもあるのです。
エネルギー変換効率はシリコンと変わらない水準まで向上しており、直射日光だけではなく曇りや室内など弱い光でも発電できます。

しかし、まだ現段階では寿命が短いという点や主原料の安全性が確保できていないといったデメリットもあるのです。
面積を広くするほど変換効率が不安定になってしまうという課題も残されているため、今後のさらなる進歩に期待されます。

まとめ

現在まで各地に設置されてきたメガソーラーですが、政府では2027年度から今までのメガソーラーへの支援策を打ち切ることを発表したため、今後は増えにくくなるでしょう。
従来の野立て太陽光発電の方式ではなく、今後は工場や商業施設の屋根に設置して発電するという方式を支援することとなるため、発電事業者は方針の転換が求められます。
現在期待されているのがペロブスカイト太陽電池ですが、まだ実用化は厳しいでしょう。