国民民主党の支持率低下の原因

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野党第一党であった国民民主党ですが、支持率が急落して野党第一党の座を立憲民主党に譲り渡すことになったのでした。
4月には12%だった支持率は、5月に8%、6月には半分となる6%まで低下する事態となっているのです。
なぜ国民民主党の支持率は低下したのか、原因について解説します。

原因となった比例区の盲点とは?

国民民主党の支持率が低下してしまった主な原因となったのは、5月に国民民主党が発表した4人の公認問題です。
山尾志桜里氏、足立康史氏、須藤元気氏、薬師寺道代氏の後任が発表されたのが5月14日で、同党の玉木雄一郎代表は確かに影響があったと思うと答えています。

また、今まで記者会見を行っていない山尾氏に対しては、当選したいのであればきちんと説明する必要があり、説明しなければ当選しないと思う、と述べているのです。

しかし、参議院議員選挙の比例区で投票するために必要なのは政党名と候補者名であり、候補者名の投票数が多い順から当選が決定します。
国民民主党は多くの組織内候補を抱えているため、まずは組織内候補が議席を獲得してから残りを非組合候補が獲得することになるのです。

2024年10月の衆議院議員選挙では617万2434票の比例票を獲得したため、次の参議院議員選挙では6~8議席を獲得すると推測されていました。
また、玉木代表は獲得目標として1000万票を掲げているため、もし実現した場合は10議席を確保できることになるのです。

山尾氏は様々な問題を起こしていますが、もし1000万票を確保できれば組織内候補に次ぐ票を確保できるようになる可能性が高くなります。
山尾氏が起こした問題には、不倫問題や多額のコーヒー代、ガソリン代を政治資金収支報告書に報告したこと、JRパスの不正利用の疑惑などがあるのです。

場合によっては、千葉県知事選での立花孝志氏のように、一部の組織内候補よりも山尾氏の方が多くの票を得られる可能性もあります。

立花氏は2024年の東京都知事選でのポスター枠の販売問題が物議を醸し、さらに11月の兵庫県知事選では出馬して2馬力選挙を展開したのです。
千葉県知事選に出馬した際は、当選を目指さないと公言したものの8万票近くを獲得するという結果になりました。

ちなみに2022年の参院選比例区では、国民民主党内で次点だった電機連合の矢田稚子氏の得票数は15万9929票でした。
山尾氏が矢田氏の得票数を上回る可能性もゼロではないため、どんなに批判されようと山尾氏は動じないのかもしれません。

山尾氏の論理矛盾について

山尾氏は記者会見を開くことはありませんでしたが、個別取材には応じており配信でのインタビュー動画にも登場していたのです。
インタビュー内では、全国の人々に自分がやりたいことややってきたことを届けるというのは、本当に雲をつかむような難易度の高い挑戦だと意気込んでいます。

また、産経新聞のインタビュー記事では、国会議員として再起するために反省し、行動で覚悟を示したいと述べているのです。
ただし、とても十分な説明になっているとはいえず、むしろ自分にとって都合のいいメディアだけを選んで答えているのではないかという疑念も生まれます。

同じ産経新聞のインタビュー内では、国民民主党の支持率が低下した原因の一因になっていることを認めているのです。
それでも、国民民主党を国政政党にするべく支える資格を頂けるのなら、仕事でしっかり貢献したいと述べています。

発言内容は首相ですが、党に貢献するどころか山尾氏の存在によって国民民主党が足を引っ張られているというのが現状でしょう。
山尾氏は、前日に民主党の2009年初当選組の同期会があって励まされたことで、6月4日にとうとう山尾氏が会見を開くという決意を表明しました。

しかし、国民が抱いている疑惑を払しょくできるのかというと、疑問が残ると考えるのは当然でしょう。

国民民主党が山尾氏を含む4人を参議院銀選挙の比例区に選出したのは、昨年10月の衆議院議員選挙で新人議員が増えたものの即戦力に欠けていたという理由があります。

しかし、即戦力を求めた結果として、なぜか政策能力以前の問題が相次ぐことになってしまったのです。
岡野純子氏にはパワハラ問題があり、平岩征樹氏には身元を偽った前代未聞の不倫事件が起こっています。

丹野みどり氏に至っては、週刊誌による秘書へのパワハラ報道に加えて、ペロブスカイト太陽電池をめぐる経済安全保障上の疑惑も発生しているのです。

ちなみに、比例復活当選の平岩氏には議員辞職を求めずに離党を許し、党としての責任を放棄しています。
国民民主党が最も留意する必要があるのは党のガバナンスの維持であり、候補者選定で人物眼を光らせることでしょう。

特に、党が急速に拡大しようというときには、まずは問題を起こさないこと、そして悪目立ちしない候補を選ぶ必要があります。

本来は議員としての経験よりも重視されるべき属性のはずなのですが、国民民主党は優先順位についておきて破りをしたといえるでしょう。

公認の裏でささやかれている陰謀論

特に問題となる点としては、候補者を選定する際は私情を挟まずに党内でコンセンサスを得なくてはならないのに、できなかったということがあります。

山尾氏も足立氏も一度は公認を拒否されたにもかかわらず、5月14日に4人衆として公認されたことが発表されたのです。

理由について、山尾氏と足立氏は玉木代表が無理やり入れたため、問題がある候補をまとめて公認内定して世間の批判を招き、公認自体を促そうとしたといわれています。
しかし、考えていたことが合っていたとしても思惑は外れてしまい、上向きになっていた党勢は悪化する一方となったのです。

国民民主党の強みは支援者との距離の近さだったのですが、今回は裏目に出て4人衆の参画による変化を危惧されることとなっています。
もはや国民民主党の支持率低下は避けられないため、最小限に抑えることを考えるべきでしょう。

まとめ

野党第一党だった国民民主党の支持率が一気に低下して立憲民主党の後塵を拝することとなったのですが、原因としては4人の公認候補の内定といわれています。
特に山尾志桜里氏は不倫問題や不適切な政治資金収支報告書の内容などが問題となっていて、さらに記者会見を開くことを避けていることも問題視されているのです。
国民民主党にどのような思惑があったのかはわかりませんが、下がった支持率を取り戻すのは容易ではありません。