ミレニアル・Z世代の心をつかむ経営スタイル

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これまで、1981年以降に生まれたミレニアル世代といわれる年代に注目が集まっていました。
購買層として、非常に重要だからです。
しかし、今はそれに加えて、1997年以降に生まれたZ世代といわれる年代の人々も購買層に加わっています。
これらの層の心を掴むには、どのような経営スタイルが望ましいのでしょうか?

ミレニアル世代・Z世代とは?

そもそも、ミレニアル世代やZ世代というのがどのような人たちなのか、良く知らないという人もいるでしょう。
まずは、それぞれを詳しく解説します。

ミレニアル世代とは?

ミレニアル世代は、1980年代から1990年代半ばまでに生まれた世代のことをそう呼んでいます。
ミレニアルは「千年紀の」という意味で、「千年紀」そのものを指す「ミレニアム世代」という書き方は間違いです。

この世代はデジタルネイティブといわれる、幼いころから周囲にインターネットが当たり前にある環境で育った世代です。
スマートフォンを使いこなし、SNSも積極的に活用しています。
他の世代とは、消費行動や価値観、ライフスタイルが異なるという点で注目されています。

Z世代とは?

Z世代というのはミレニアル世代の後、1997年から2012年頃にかけて生まれた世代のことです。
ちなみに、ミレニアル世代はY世代といわれることもあります。

Z世代も、Y世代と同じくデジタルが当たり前の時代に生まれています。
生まれた時から、すでに周囲にはデジタル機器がありました。
そして、インターネットを当たり前のツールとして使用しています。
特徴としては、パソコンよりもスマートフォンを使いこなしています。
スマートフォンが、生活の一部となっているのです。

この世代の人たちは、商品を購入するときはまず口コミをチェックします。
インフルエンサーの勧める商品などは、特に注目されるでしょう。
また、社会問題に関しての関心が高く、仲間と意見交換したいと考える傾向が高いのも特徴です。

関心を持つキーワードは?

ミレニアル世代とZ世代は違う世代ですが、共通する点もあります。
双方ともに、興味を持つキーワードなどは似ているのです。
どのようなキーワードに興味を持っているのか、解説します。

パーパス

この世代の人たちは、比較的お金に関する関心が薄いと言われています。
物があふれる時代に生まれて簡単に多くのものが手に入るので、物欲などが薄いのです。
その代わりに、承認欲求や自己実現欲求といったものが強くなっています。

パーパスは、存在意義という意味です。
就職にあたって、単にその会社が利益を上げているだけではなく、その会社の存在や事業に社会的意義があるか、という点を重視するのです。

そして、自分が持つパーパスと一致している企業があれば、そこで働いたりその製品を消費したりすることで、その企業のブランドの一部を担うようになりたいと思うのです。
意味のある行動をしたいと考えると、パーパスは重要となるのです。

オーセンティシティ

オーセンティシティというのは。「背伸びをしていない」という意味です。
企業の中には、見栄を張るものやよく見られようとするところもあるでしょう。
しかし、そのようなことをせずにありのまま、背伸びをしていない状態を見せることが、この世代を惹き付けるには大切なのです。

デザイン

この世代の人々は、デザインも重視します。
多くのものがある中で、違いが現れるのが機能性と外見です。
このうち、重視されるのが外見ということです。

いくら高性能でも、デザインが悪いと興味を引くことができません。
他の製品より「何となくかっこいいように見える」というものが人気になるのです。
ほとんどのものが最低限の性能を備えているため、デザインで差をつけたものが好まれます。

心に響く企業の取り組み

企業はどのような取り組みをすれば、この世代の人たちの心に響くのでしょうか?
日本でこの世代の人たちに対してアンケートを取ったところ、支持される企業サイトにはいくつかの特徴がありました。

顔が見える

企業サイトでよくあるのが、会社の仕事風景の一部だけを公開して、重要なところは見られなくしているケースです。
しかし、好まれるのはしっかりと働いている人の顔が見えるサイトです。

企業がこの世代の人たちを取り込みたいのなら、まずはパーパスを決めて社会的意義をはっきりとする事です。
そうすれば、多くの人に興味を持ってもらえるでしょう。

体感も重要

オンラインを使いこなす世代であっても、リアルが不要とはなりません。
リアルで、実際にその商品に触れてみることも、購買意欲を高めるのに有効です。
それにデザイン性が伴っていると、さらに人気となるでしょう。

また、働き方にも違いが生じています。
ミレニアル世代やZ世代の場合、企業はフレックスタイムやリモートワークなど、働き方には様々な違いがあり、企業はそれに合わせなるのが当たり前だと思われているのです。

ミレニアル世代の関心を高めるには、SNSを活用するのがまず近道です。
それも、企業の紹介ではなく、企業のありのままを伝えましょう。
そして、この世代の人たちはインターネットで調べ、比較していきます。

比較した結果、その発信した内容に偽りがなければ、その企業は信用を得やすくなるでしょう。
詐欺などが増えている昨今では、嘘の内容を書いていると信頼をなくしてしまうのです。

また、その発言内容に社会的意義が含まれているかも重要です。
それがない会社は、中々選ばれないのです。
先程も言ったように、パーパスが重なり合っていることが重要となります。

ミレニアル世代・Z世代への企業ブランディングは、こういった点に注目する必要があるのです。
この世代の心を掴みたいなら、覚えておくといいでしょう。

まとめ

ミレニアル世代・Z世代は、労働人口の中で大きな割合を占めている世代です。
そのため、企業ではこの世代の心を掴むことができるような経営スタイルであることが重要となります。
価値観などが独特なので、普段通りにやっていてはなかなか心を掴むのは難しいでしょう。
そのためにはどういった点に注意すればいいのかをよく考えた上で、戦略をしっかりと練りましょう。