中小企業の人材育成は経営にどう影響するか?

中小企業が生産性を向上させるために考えなくてはいけないのは、そもそもの組織の変革、経営戦略、設備投資、IT導入、そして人材育成などの要素についてです。
付加価値による収益力や労働投入量を見直していく必要がありますが、その中でも人材育成はとても重要な項目です。


従業員は企業の大切な人的経営資源
従業員という人材を戦力化するためには、どうすれば従業員の能力を高めてそれを発揮できるか考えると共に、意欲が向上する仕組みを採用する事が必要です。
キャリアが向上し充実した環境で能力を発揮しやすくなれば、成果を出す事ができます。出した成果を認められる事で、仕事に対する意欲はますます増していくでしょう。
労働コストの削減ばかりに目を向けないこと
しかし実際には中小企業が人材を戦力化したくても、限られた環境の中で人材育成に長い時間をかける事は困難なため、即戦力になる人材を雇用しようとする傾向が強くなります。
実際、中小企業が労働コストに費用をかける事は厳しいため、非正規従業員などの雇用を検討するのは企業経営の視点から見てもやむを得ないと考えられます。
しかし経営を継続するためには長期的な戦略が必要ですので、特に熟練した技術や知識が必要な職務は中核となる人材が必要だという事を理解していくべきでしょう。
従業員が満足できる環境でなければ顧客満足にも繋がらない
企業経営にとって人材育成する事は重要な課題ですが、実際には顧客満足が優先される事で従業員満足は後回しになっている事が多いようです。
しかし企業活動で顧客と最も接する事が多いのは従業員ですので、従業員が企業で働く事に誇りやプライドを持てていなければ顧客満足には繋がりにくいと考えられます。
・中小企業の従業員が働く上で重視していること
従業員が働く上で重視する事は何かを調査すると、多くが「給与水準」や「労働時間・休暇」を挙げるでしょう。
しかし従業者が20人以下の小規模企業になると、給与や労働時間などよりも、経営者や職場の雰囲気・人間関係、自分の能力を発揮でき達成感を得られるか、専門知識や技能を得て責任の持てる仕事ができるかなど、金銭的な対価ではない気持ちの上での満足感を求める傾向が強くなる様です。
中小企業で考えるべき人材育成
そもそも中小企業で働く従業員が求めている事は、賃金が高く労働時間も短めで、休みも取りやすいという条件はもちろんですが、それ以上に働くことへの充実感や達成感、能力の向上といった企業が求めている事そのものです。
人材育成は、従業員自らが向上したい、役に立ちたいと思ってこそ達成できますので、まずは従業員の意欲を高める事が必要です。
企業の従業員が育っていく過程には色々な困難もあるでしょうが、困難を上手く克服して人材育成できる環境を整備していく事が必要になるでしょう。