福祉・医療事業:施設内で利用者がケガを負った場合の賠償問題について

日本は少子高齢化によって福祉環境が大きく変化しています。そのため施設が担う役割も大きくなっている状況だと言えるでしょう。
ニーズが高まる介護施設を運営することにおいて、様々なリスクが増大していく傾向にあります。
例えば介護施設で起きた事故については、介護施設や職員に対して利用者やその家族から治療費や慰謝料などの損害賠償を請求される可能性もゼロではありません。


介護施設での事故
介護保険制度の導入など、介護への社会的関心は高まりつつある中で介護サービスの質への関心も高まっています。
介護施設で比較的多い事故や身体トラブルには、利用者が食事中に食べ物をのどに詰まらせる誤嚥事故、歩行中や入浴中に起きる転倒事故などが挙げられます。
また、ベッドから転落してしまう事故や、施設から勝手に出て行き失踪してしまうケース、原因不明の骨折などもありますので注意が必要です。
誤嚥の場合には責任が否定されるケースも?
利用者が食事中に食べ物をのどに詰まらせる事故は、介護施設の職員が目を離した隙に発生している可能性もあります。
ただし誤嚥事故などについては、利用者の状況によって異なるものの、そもそも高齢者は誤嚥リスクが若い人より高いことから介護施設や職員に対する責任は否定されるケースも見られます。
転倒や落下、抜け出すといったトラブルは施設側の責任?
その他、転倒事故や施設から抜け出すといったトラブルも、やはり職員が目を離した間に起こることが多いため、しっかりと何らかの形で常に利用者を見守る必要があると言えるでしょう。
特に職員が一瞬目を離してしまった間に事故が起きた場合には、目を離さなければ事故を防げたことになります。
このようなことから目を離した間に起きた事故の場合には、介護施設や職員に対して責任が認められるケースが多く見られます。
賠償額はどのくらいになる?
介護事故で起きた身体トラブルは、交通事故での人身事故と同じくケガやトラブルのレベルや後遺症の有無とその度合いで損害賠償額は変わるでしょう。
賠償責任に対する備えが必要
介護施設などで職員が利用者に対してケガを負わせてしまった場合、私物に損害を与えてしまった場合に負った賠償責任に対して補償を備えておきましょう。
先に述べたように、利用者が転倒、落下、転落、そして誤嚥や誤飲などで介護中に事故が起きる場合もあります。それによって利用者に過剰な経済的負担を負わせてしまうこともゼロではありません。
法律上の損害賠償責任を負担しなければならなくなれば、多額の費用を支払うことになりますので賠償責任保険などに加入して備えておくようにしましょう。