契約解除トラブルを予防するための注意点は?

法務リスク

事情が変わったことを理由に、契約解除を検討したい時もありますよね。
しかし、契約時の段階やその後の話し合いが原因で、トラブルになってしまうケースも少なくありません。
お互いに穏便に解除するには、どんな注意点があるのでしょうか?
今回は、トラブル予防の注意点をご紹介します。
早速、見ていきましょう。

予防のために必須なのは契約書

契約解除を行う際に、何より重要なのは契約を結んだ時に発行されている「契約書」になります。
ここで契約書が役立つのかと不思議に思われる人がいるかもしれませんが、書面の内容には様々な事例を想定した記載が書かれています。
その中には、解除する場合に満たす条件も含まれているのです。
そのため、トラブル予防のためにも、契約書をしっかりと確認することが大切だと言えるでしょう。

さらに、予防策は解除時だけではありません。
契約を結ぶ際にも、内容面に不足がないかをチェックしていくことで、後々のトラブルを回避することもできるのです。
例えば、商品に不備があった場合といった内容だけでなく、破産や民事再生、営業許可に関する処分があった時という場合が挙げられますよね。
契約書を作成する際には、契約者双方と一緒に確認して、納得しておくことが大切になるでしょう。

また、重要な内容は、上記の他にもたくさんあります。
例えば、契約期間に定めがある場合は、その期間がどのくらいなのかを記載しておく必要がありますよね。
さらに、契約を守らなかった時に、損害賠償が発生し、その具体的な金額を記載しておきます。
状況によっては、裁判に発展することもあり得ますから、どこの裁判所で争うのかも記載しておくと良いでしょう。

以上をまとめると、契約条件、契約期間、損害賠償、裁判所の記載の4点。
これらを最低限記載しておくと、解除時の流れが分かりやすいですし、余計なトラブルの発展を予防ことができます。
4つとも基本的な内容かも知れませんが、毎回丁寧に確認しておきたいですね。

リーガルチェックと内容の分かりやすさの重要性

契約書がトラブル予防のカギになることは理解できたと思いますが、ここで2点注意点があります。
それは、書面の内容の分かりやすさと、リーガルチェックが必要な場合があることです。

実は、4つのポイントを押さえて契約書を作成したとしても、記載内容の意味が相手に伝わらなければ意味がありません。
どうしても法律に関わる文書は、専門用語等を駆使して難しくなってしまいますよね。
その結果、せっかく作成しても、相手方が理解できず、内容面に齟齬があることでトラブルになってしまうこともあり得るでしょう。
これでは、お互いに困ってしまいますよね。

そのため、内容面を分かりやすく記載できているかどうかは、双方同じ理解で物事を進めるためにも重要であることが理解できるでしょう。
ここまでは、もしかするとあまり法律の専門知識がない人でも作成できるかもしれません。
ですが、その内容面に不安があったり、そもそも作成の仕方が分からなかったりする場合はどうでしょうか?

企業内に詳しい人や対応できる人がいない場合は、リーガルチェックをすることをオススメします。
これは、簡単に言うと、弁護士に作成した書面内容をチェックしてもらうことです。
専門家に見てもらい、大丈夫と言われれば安心できますよね。
企業の中には、顧問弁護士や法務部門がある所もありますが、そうでない企業もあるでしょう。

確かに、弁護士に依頼するとなるとお金がかかりますが、後からトラブルに発展し、損害賠償等の負担が発生することと比べると、どちらの負担が大きいかは一目瞭然です。
少しでも書面内容に不安がある場合は、プロにチェックしてもらうことをオススメします。

まとめ

契約解除のトラブルは、契約書があることによってほぼ回避できることをご理解頂けましたか?
安全に回避するためには、しっかりと書面に必要な記載内容を、分かりやすく記載しておくことです。
基本的には双方の合意でトラブル解決ができるに越したことはありませんので、その土台は万全にしておきましょう。
企業で作成する場合は、テンプレートや専門書等が多数ありますので、作成時の参考にしてみて下さい。